見出し画像

早起きしてさいごにもう一度

朝がかなり弱い。

早く起きなくてはならない日は、もう寝ない方が良いのではと思うほどだ。起きられないのではないかと不安でまた眠れない。寝る支度はとっくに済ませているのに寝付くまで2時間以上かかり、睡眠時間は3時間ほどになってしまう。私はいつもこうだ。
早起きということは一日が長いということなのに、かなり寝不足の状態でスタートするのだ。


曽祖母が亡くなった。


今年で100歳になる予定だった。
あと数週間で、というところで旅立った。
大人になると気付くことのひとつで、親戚がたくさん集まるのはお正月でも結婚式でもなく葬式なのだ。
コロナ禍を経たこともあるが、何年も会えていない親戚ばかりだ。そもそも私は地元を離れて暮らしているため、両親や弟が会っている人々とも会えていない。
田舎から出て働いているというだけで、都会で働くキャリアウーマンと言われてしまうのだが全くそんなことはない。キツくもなくヌルくもない仕事をそれとなくこなして、それ相応の安月給で日々を過ごしている。親元を離れて、ほどほどに遊んで楽しくやっていきたいし、実際そうなっていると思う。

「仕事はどう?」
「一人暮らしも長くなったね」
「美味しいものたくさん食べてるでしょ?」
「彼氏はいるの?」「結婚は?」

私に興味があって聞いているわけではないとわかっている。数年ぶりに会う親戚の子との何の変哲もない会話だ。そう、構えることはない。
そして私は、そんな場を笑顔で切り抜けるのだ。今回の帰省の最大の目標である。いやいや、お別れをしに行くことが最大だった。


今朝の起きた時刻は4時30分で、7時30分羽田発の飛行機に乗るべく電車に揺られている。こんなに朝早くから働いている人は思ったよりもたくさんいるのだな。
朝が早いと分かっていて、起きられないと飛行機に乗れないぞと不安で、睡眠時間は3時間。羽田空港まで寝ずに辿り着けるだろうか、とうつらうつら。

そして、もうひとつ気付いたことがある。葬式は、人生の中でいちばん最後の主役の式だということだ。
そんな曽祖母とのお別れはまた思い出して書くかもしれない。それまで、楽しくやっていくよ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?