見出し画像

どんな大人になるのかな

「飼っていたメダカ、全部死んだの!」
「あー、そうなの?おめでとうなの?」
「うん!そうなの、あー、スッキリ。」

えぇえぇえぇぇぇぇーっ!!!
すごい会話。
生き物大好き人間の私にはかなりの衝撃。

会社での話。
あ、うちの会社は9割女性なんで、
「〇〇さんは男性で」と書かない限り
女性が話してると思って読んでいただきたい。
ついでに言うと、結婚してる人4割、独身6割。
私は6割のほう。
生産性のないと言われてるほうね。

で、冒頭の会話。
これは既婚女子(子持ち)が唐突に始めた話。
あ!そう言えばさ!
みたいな感じで。

ある日、旦那さんが息子さんのためにメダカを数匹買ってきたと。
息子さん大喜び。
ところが奥さん(会社の先輩ね)は
昆虫とか生き物が大嫌いなんだそう。
しばらくして数匹死んでしまい、最後の一匹となったとき、
旦那さんがまた数匹買ってきた。
「一匹じゃかわいそうだから」と。

まあ、なんと優しい✨

でも彼女は…
「なんて余計なことを!あともうちょっとだったのに!」って。

え?言ったんですか?

「言ったよ。」

…こわっ!

でもまた一匹そしてまた一匹と死んでしまい、とうとう全部死んでしまった。

泣いて悲しむ息子さん。がっかりする旦那さん。
水槽の前で「メダカがかわいそう…」と
茫然としていたところに

「かわいそうだねー。でも寿命?運命?だからしょうがなくない?早く埋めてあげようねー。」←棒読みの奥さん。

そして旦那さんには
「二度と買ってこないでね怒」
と言ったそうだ。

別の既婚女子(子持ち)も「わかります〜」と大いに賛同している。
え?なに、この世界。

その人の家では旦那さんが息子さんにカブトムシを買ってきたとか。
こちらも息子さんは大喜び。
でも、死んでしまった。
息子さんは号泣。旦那さんも涙目。
いつまで待っても片付けない。(片付けないって言い方、おかしくないか?)

「かわいそうだねー。でも頑張ったし休ませてあげようねー。」←本心は押し殺したそう。

でも片付けない。
しびれを切らしてついに

「いいから早く捨ててきなさい!」

旦那さんと息子さんに「え?今、なんて?」という目で見られて
「しまった〜!心の声がぁ!」
だだ漏れしたのだそうだ。

驚いた。
私は子どもの頃から生き物が大好きで
メダカも金魚も飼っていたし
メダカは卵産んで増えたと喜び
金魚は10年近くいたんじゃないだろうか。
他にもセミ、バッタ、カマキリ、クワガタ、鈴虫、ザリガニ、カニを飼っていた。
まぁ、昆虫は短いつながりだけれど。
カマキリは卵を産んで、
小さいけどちゃんとカマキリの形をした赤ちゃんカマキリが続々誕生する瞬間を見れたのは感動した。

大人になって人並みに虫は苦手になってしまったけれど
今思い出しても、あのカマキリの赤ちゃんはかわいかったと思う。

鳥も犬も飼っていた。
鳥も卵を産んでひながかえった。

心配で巣箱を覗き込むと
ちっちゃい恐竜のようなひなが見えた。

鳥の赤ちゃんってこんな感じなんだ。
頭だけちょっと毛が生えてて
目は多分まだ見えていない。
羽はうんと小さい。

かわいいなぁ…そう思ってみていた。

と言ったらその場にいた全員に引かれた…。
まさかのマイノリティー。

もちろん、苦手なのはわかる。
私も今となってはほとんどの虫が怖い。
ミミズやダンゴムシまで「かわいい〜」と言っていた真っ白な私には戻れない。
ああ、大人になるって悲しいわ。

昆虫や生き物が苦手、怖いと思うのも
気持ち悪いと思うのも、わかる。
私もクネクネするのとかGとか怖い。

でもね…
勝手に捕まえておきながら
勝手に飼っておきながら

死んでいいものなんていないんじゃい!

と思う。ましてや喜ぶなんて。
そちらも引いてらっしゃいますけど
わたくしもドン引いておりました。
言葉にしなかったけど。

別の日にメダカ死なせた一家の(←言い方。)息子さんがカマキリを4匹くらいもらって帰ってきた。

「ベランダに置いといたら暑くて死ぬかな」

もはや私にとってはコワい話だ。
さすがにこれは黙ってられない。

それならじっくり観察したら公園に放してあげてください。
虫だって短い命を生きてるんですよ。
今度生まれ変わって自分が虫だったら私は辛い!

「えー、生まれ変わって虫とか考えたことないわー」

ま、まぁ…普通考えませんわな。
それは私だけかな。

夏になると駅の階段で踏みつけにされた虫をよく見る。

わざと踏まれたのか、運悪く踏まれたのか。
朝も帰りも見かけるたびに考える。

…もしかして私は前世で虫だったのかもしれないな。

仰向けになって
もがいている虫を見かけたら
できるだけ、もとに戻してやる。
素手では仰向けの昆虫に向き合えなくなってしまったけれど
レシートとか持ってるものを使って。

いつも行く美容院で何かの拍子でこの話をした。
大人になって初めて出会った
「子どもの頃、虫かわいくて飼ってました」人。
しかも私より詳しかった。
共感してくれる人いませんよねーと盛り上がった。

その人にも息子さんがいる。
今、アマガエルを飼っているそうだ。
「かわいいね」と息子さんと眺めて話していると聞いて、なんだかホッとした。

そうだよ。かわいいんだよ。

メダカの人の息子さんは
この夏にホームステイに行くようだ。
ひと夏に2カ国。

カブトムシの息子さんは
中学受験が終わり、すでに高校受験、
大学受験に向けて親のほうが動き出している。

一つの小さなエピソードに過ぎない。

けれど
どんな大人になるのかな。

大人にも
大いに問題ある気がする。












この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?