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本当の本当に「何もしない」のが経営の正解になっちゃったという話

「バックドラフト」に出てくる消防士、かっこいいよなあ、、
圧倒的スターだったアントニオ猪木も王貞治も、かっこいい。

幼いころからなにか良いものを見ると、「いいなあ」ってすぐ憧れちゃうんですね。

経営に関しても同じです。
経営者になった瞬間、「カリスマ経営者っていいなあ!」と、すぐに憧れてしまいました。
でも、数多く憧れてきたうちのたったひとつ、「カリスマ経営者になりたい」という憧れだけはすぐにやめました。
憧れるのをやめて、「何もしない」を選んだらそれが私の正解になっちゃってしまったのです。
言い訳でもなく、自分で正解にしたんだ!というわけでもなく偶然、「正解になっちゃった」。
そんな感覚です。

だから今日はちょっとだけ、「憧れ」というキーワードで私の人生を振り返りながら、「何もしない」経営のお話をしたいと思います。
最後はほとんど、私の周りにいる社員の自慢です。


1.幼いころから抱き続けた憧れ

私はずっと、憧れを抱き続けてきたんだと思います。
抱き続けたと言っても、「ひとつ大きな憧れがあって追い求めてきた」というようなロマンある素敵な話ではなくて、
何かをパッと見ては「いいなあ、やってみたい!」と思って、ふらふらしてきただけ。
幼いころ憧れた映画の主人公やテレビスターの他にも、いろんなことに憧れてきました。

  • キラキラのハリウッド映画(お金持ちになりたい!という純粋な気持ちで見ていた)

  • 小さいころからやってみたかった空手(空手部に入るもすぐに行かなくなる)

  • なんかかっこいい!と思った英語(大学時代30万でローンを組んで英会話サークルに入ったが1回しか行かなかった)

  • とにかく流行ったクラブやスキー(とりあえずブームに乗ってみたかった)

結局全部続かないし、今に繋がっているものなんてひとつもないのですが、「いいなあ」と思ったものはやってみずにはいられなかったのです。

2.カリスマ経営者への憧れ

こうしていろんな憧れを持ったまま、会社を立ち上げ経営者になったわけなのですが(起業の経緯はいずれまた書きたいと思います)、
自分が経営者という立場になると、今度はまた「カリスマ経営者」に憧れを持つようになるのです。

すごい本出して、独自の経営論を持つカリスマ経営者!
…かっこいいなあ。
社員の前でずば抜けたリーダーシップを発揮して、いいこと言ってる社長!
…やっぱりかっこいい。

経営者の世界では、やっぱりカリスマが目立ちます。
地味な経営者は、目立たないとかでもなく、そもそも知らない。
だから最初は、なんかすごいこと言うカリスマ経営者に憧れて、本を読み漁ったりもしていました。

かっこいいなあ、自分もそうなりたい!
そう思っていました。

3.カリスマ経営者への憧れはやめた

ただ、思い出してみると、私は学級委員に選ばれても、「向かないから」とすぐに降ろされてしまっていたような人間です。

カリスマ経営者になりたいな、なんて思っても、そもそも向いていないタイプなのだと思います。
私がいろんなカリスマ経営者を見て真似をして、かっこいいこと言ってみたって、うちの社員はぽかんとしてました。

結局、真似は真似でしかなかったのです。
がんばって、さあ社員の前で良いこと言おう!なんて思っても、それは本当に言いたいことじゃなかったり、自分の言葉ではないくせに「伝わってない」がストレスになったりします。

だからもう、ある時からカリスマに憧れたり、真似するのはやめようと思いました。
目指すのはやめよう。無理した経営者になるのはやめよう。

みんなそれぞれやり方があるし、それで成功している会社もたくさんあります。
なんならそれが大半ですよね。

有名な経営者や起業家が、「やればいいじゃん、なんでやらないの?」みたいにかっこよく言っていることって、簡単に言うけど、全然簡単にできるもんじゃないなと思っています。
自分を見つめて、自分のやり方で上手くいけばいい。

4.何もしない経営者でいること

私のやり方は、「何もしないこと」です。
タイトルにしている通り、私の場合は、「何もしない」が私の経営の正解になっちゃったのです。

というのも、営業は得意じゃないから中途半端に自分で営業はしていないし、今私が座っているオフィスのこの椅子だって、全部他のみんなで決めてくれたもの。
事業についても、何もしていない。
それぞれの事業部に取締役を付けて決裁も全部任せているし、MVVをつくるのでさえ社員がみんなで納得しながら作ってくれました。
事業部ごとでの落とし込みまでも、それぞれの事業部で勝手にやってくれています。

本当に何もしていないんです。
そして、この「何もしない」が結果的に上手くいってしまっている。

私が営業に出るよりも、事業に口を出すよりも、何もしない今の方がずっと上手くいきます。
間違いありません。

じゃあ、お前は何をするんだ?と、きびしい声が聞こえてきそうですね。

私は、社員の安心材料でいたいと思っています。
トラブルがあったときの対応など、出なきゃいけないところは出て、
「榮澤さんがいればなんとかしてくれる」という安心材料でありたい。
自分がいることによって、社員がのびのび働ける。
それだけでいい。カリスマじゃなくていい。黒子で良いじゃないか。

それが私の見つけたひとつの正解。
「何もしない」経営です。

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