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お酒との付き合い方!大規模研究で分かったこと!

#アルコール #断酒 #禁酒
#アセトアルデヒド

大学時代の友人にF氏がいる。誰の目から見ても、酒豪だった。このF氏、いったん飲み始めると朝まで飲みつづける人物。そしていつも帰りは「午前さま」。ある日のこと、朝帰りをしてそのまま布団にもぐったという。起きて気づいたらしいが、枕が血で真っ赤に染まっていたようだ。すぐに病院にいって傷口を塗ってもらったという。奥さんからは深酒を注意されたようだが、いまだに変わっていない。

*英国37万人の研究
これは2022年3月に発表されたデータによる。それによると、今まで少量や中程度のアルコール摂取で心臓病が良くなるとされていたが、実際には悪くなっていたという。この結果はかなり考えさせられるものがある。今までアルコールが善玉コレステロールHDLを増やし、心疾患には良い働きがあるとされていたからだ。これが覆されたことになる。

そもそも、それほど大量に酒を飲まない人は、健康的な生活をしている人が多い。つまり、食や運動を取り入れて健康に配慮した生活でいこうと考えている人たち。だから、酒も控えめにとっているというわけだ。

*日本英国米国のガイドライン
まず純アルコール量を計算しなくてはいけない。摂ったアルコール飲料の量(ミリリットル) ×アルコール濃度(%) × 0.8 (アルコールの比重)という計算式となる。仮に、5%のビール500ミリリットル缶の場合、500 × 0.05 × 0.8 = 20g。5%のビール350ミリリットル缶では、350 × 0.05 × 0.8 = 14g。

日本では、男性で40g以下、つまり缶ビール500mlを2缶まで。女性では、その半分の1缶までとしている。英国では男性1日28g以下を推奨。女性はその半分となる。米国のガイドラインは、英国と同じだった。どうも日本が一番ゆるいようだ。

*飲酒が有害な理由
まずDNA遺伝子傷つけるという事。アルコールを肝臓で代謝してできるアセトアルデヒド。この物質が毒性を持っており、細胞へのダメージを与える。そしてなおかつ、修復そのものも遅らせるという働きを持つ。

もう一つに、酸化ストレスがある。とくに血管への影響が大きい。アルコールは確かにH DL善玉コレステロールを増やすが、それと同時に欠陥も傷つけているのだ。その結果として、動脈硬化や高血圧になってしまう。

*飲酒と癌の関係
従兄弟のご主人に、大変な酒飲みがいた。とにかく毎日かなりの量をの酒を飲んでいたことを覚えている。続けること30年以上。いま食道癌になっている。つい先日、その息子さんから電話があった。このゴールデンウィーク前に手術するという。

アルコールは喉から入り、食堂を通って、大腸までいく。アルコールの通過する各部位がどうも癌に犯されるようだ。口腔、咽頭、喉頭、食堂、大腸そして乳がんと肝臓の7つとなる。肝臓と大腸は、大量摂取でガンになるのだが、乳がんと食道癌は少量でもリスクがあるという。ただやはり飲酒の基本は、少量ということになるだろう。

*飲酒、最もリスクの高い疾患
やはり一番ダメージを受けるのは、肝臓ということになる。肝臓がアルコールを分解しているためだ。肝臓には脂肪を代謝する仕事も受けもっている。しかし同時には処理できない。アルコールの毒性を消すことを優先するからだ。その結果として、肝臓に脂肪が溜まることになる。そう、脂肪肝である。これを続けることで炎症が起き、だんだんと肝硬変になっていく。

肝臓は、苦しいとか痛いとかとは言わない臓器である。知らず知らずのうちに、悪化していくようだ。見極めるには、健康診断での血液検査を見る。肝臓の数値に問題があれば、肝臓が悲鳴を上げていると考えよう。

*酒、脳への影響
これは少量ではあっても、影響を与えるようだ。さまざまな研究でわかってきた事は、酒を飲めば飲むほど、どんどんと脳が萎縮するという事。正の関係性がある。

とくにダメージを与えるのが前頭葉といわれている。ここはいわば脳の司令塔。脳の各部位に散らばった様々な情報を集め、高次元の判断をくだす部位である。最近では、アルコール性の認知症の人も増えているようだ。脳にとってアルコールは「百害あって、一利なし」である。

まとめ
ここまで書くと、すぐに「断酒が良い」となるようだが、人にとってこれは無理だ。減酒を目指せばいいと思う。嗜好品とかんがえて摂ることをお勧めする。1日男性であれば350ml缶 1缶半。残った半分を、奥さんにあげれば良いのではないだろうか。

そういえば、私の父はビル党だった。当時は瓶ビール633mlだったのだが、いつも7割方しか飲まない。そうして残った分を、母にあげていたのだ。ただこの父、酒とは関係ない胃がんになったのだが…。

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