#記憶 #脳 #記憶法
#脳科学 #認知症 #MCI

子供の頃から「脳」については悩まされつづけてきた。学校へ行くこと自体が嫌だったからだ。行けば、色々と覚えなくてはいけない。これがきわめて苦手だった。とにかく、なんとしても頭に入れる量を減らそうとする。算数での「九九」、これも半分しか覚えなかった。要するに「8 × 3」は、「3 × 8」と同じだから覚えない。記憶しないことと決めた。聞かれれば、頭のなかで逆に考えて言えばいい。そんな調子だった。

記憶について、これほど辛い目に合うと、人は誰でも解決したくなるだろう。そこで成人してからはどうすれば記憶が良くなるか？片っ端から本を読みあさる。もうこれは一種の趣味ともなった。

＊苦手なのは意味記憶
学生の場合、試験があるので、ある期間は記憶を保っていなくてはならない。だとすれば、その記憶をどうすれば保持できるんだろう。そんなところから、やたらとその種の本「暗記法」を読んだ。すると、いろいろなことがわかってきた。

そもそもこの種の暗記は、誰でも苦手だということ。私だけではなかった。そのため、色々とテクニック開発されたという。例えば歴史の年号、「ナクヨ　ウグイス　平安遷都」で794年。「ヒトノ　ムレミル　江戸開府」1603年。理科では「スイへーリーベボクノフネ」の原子番号。語呂合わせで丸暗記だ。

「意味記憶」といって、自分とは関係のない名称を覚える作業は、最も頭に入りにくいもののようだ。47都道府県のすべての名称と県庁所在地を覚えることなど、子供には難しい。これが大人になると違ってくる。旅行や出張などで各地を歩くことが多い。そのため、自分が体験したことと結びつけて、すんなり頭に入ってくる。

＊長期記憶のエピソード記憶
自分自身の体験と結びついている記憶は頭に残りやすいようだ。特に感情と記憶とのつながりが強く、感情がより動けば記憶も強くなると言う。

人が生きていくうえで、忘れてはいけない情報に、場所がある。もしどこかへ出かけ、そのまま戻れなくなったら、それはすぐに死につながる。そのため、場所の情報はきちんと記憶するようになっているという。この場所と、無意味な名称を結びつけて覚える方法は有効のようだ。

まず特定の建物、よく知っているものがいいが、それを思い浮かべる。そこのそれぞれ場所に番号をふっていく。玄関を①、ドアを開けたエントランスを②、洗面所を③など。覚えるべき名称を一つずつつなげていく。これが記憶と結びやすいとされる。思い出すときは、まず場所それぞれをイメージ。するとそこに紐付けされた名称が出てくる仕組みだ。

＊高齢者の記憶
年齢を重ねると、人の名前がなかなか出てこない。これは加齢により、脳から情報を取りだす力が衰えたためと言われている。記憶は、まず情報を脳に取りいれ、次にそれを保持し、最後はそれを引き出す。この3段階で行われるのだが、このアウトプット力が弱くなるようだ。

私などは、テレビCMで出てくるタレントの名前を、必ず次から次に言うようにしている。なぜか癖になってしまった。しかし、やっているうちに、どんどん口から出るようになってきたところを見ると、この方法は案外よいのかもしれない。

＊2%しか使われない脳？
これ、どうやって測ったのだろう。そう言われてみると、そう思ってしまう。仕事だって毎日やっていれば、何も考えずともできてしまうし、かといって新しいことを始める人は少ないだろう。ほとんど頭を使わずに、人は生活していると言っても良いようだ。

最近の研究で、1日30分位、頭を休め、ぼーっとしてる時間を作った方が良いことがわかった。これ「デフォルト　モード　ネットワーク」と言って、頭を使わずにぼーっとしておくことだが、これをやることで、想像力が強化されるそうだ。日本では禅の修行などが昔からあった。瞑想により、脳を活性化させていたのだろう。

＊脳に良いこと、悪いこと。
適度な運動は、良い刺激を脳に与えてくれる。また、人との交流も良い。とくに知らない人との会話は活性化させると言う。新しいことに取り組むこともお勧めだ。初めてやる事は、脳を鍛えるには最高のレッスンと言える。

脳に悪いのは「生活習慣病」である。さらに過度な飲酒や喫煙も良くない。それと部屋の汚れも注意すべきだろう。カビがある環境で生活していると、脳にダメージを与えるようだ。夜更かしも良くない。寝る2時間前のテレビやスマホ・タブレットはやめよう。

まとめ
気功やヨガ、太極拳を毎日やり、毎日文章を綴っている。たぶん今一番記憶力が良くなっていると自分では感じはじめた。やはり努力は報われる！だ。

いま日本人は長生きとなった。一方で、認知症の人も増え続けている。2024年で8百万人ほどにもなるという。軽度認知障害(MCI)となっている人は、一千万人もいるようだ。MCIの状態なら、取り組みにより正常に戻せるそうだ。日々、脳に良いことを取り組んでいくべきだろう。