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有限会社うまのほね 第1話「学校の七不思議」 Part11

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前回のあらすじ
 警備ロボットの操作権限を獲得したハルキは、カンタ、タロウと協力して赤いドローンの捕獲作戦を決行するが──?

 カションカションカションカション……

 2号棟2階。開け放たれたままの音楽室の出入口から、警備ロボの足音が聞こえはじめた。俺は音楽室の入り口付近で待機するカンタとタロウに目をやっる。二人で廊下から伸びる紐を持ち、身構えている。

 ──今回の作戦は至ってシンプルだ。

 警備ロボ<キ33>を使って音楽室前の廊下に赤いドローンをおびき寄せ、廊下の上部に設置した防犯ネットに奴を突っ込ませる。

 さらに、赤いドローンが網に突っ込むと同時に、カンタとタロウが紐を引く。その紐は防犯ネットの巻き上げ機構で、巾着袋のようにドローンを包み込む……という算段だ。

 カションカションカションカションカションカション……

 <キ33>の足音が近づいてくる。2号棟に踏み込んだときにまた体当たりを食らったが、そいつはなんとか持ちこたえてくれた。その警備ロボはしっかりとした足取りで前に進む。

 カションカションカションカションカションカション……

 そして俺たちが見守る中、そいつは音楽室の前を通過して。

「…………………………」

 カションカション……カション。

 <キ33>は停止して、辺りは静寂に包まれた──そう、静寂に。

「…………………………」

「…………………………」

「……………あれ?」

 声を上げたのはタロウだった。同時に、カンタがひょこっと顔を出して廊下の様子を確認し……こちらを見る。

「おっちゃん! 赤いドローン、いない!」

「ンだと!? 渡り廊下越えたときにはまだいたぞ!?」

 教卓パソコンから離れ、俺は廊下に顔を出す。確かに、あのスズメバチみたいなプロペラ音も聞こえない。逃げられた!?

 俺が廊下に飛び出した、その時だった。

 ──ヴヴヴ……ヴヴヴヴヴヴ……

 背後から、風。 

「なっ──」

 ヴヴヴヴヴ……ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴ!!

 振り返った俺の目の前で、赤いドローンが飛び上がった。

 ──警備ロボ<キ33>、その背中から!

(つづく)

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