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"炭水化物をハックせよ2” 調理法で変わるGI値・レジスタントスターチ


◼︎SHOWノート

◼︎エピソードの要約

00:00:00 調理法で変わる等の性質・ジャガイモとサツマイモ健康なのはどっち?炭水化物をハックせよ
00:01:51 七美のアナウンスメント「セプルモが4回目の!?」
00:03:49 干城のアナウンスメント「春のスケジュール」
00:06:09 本日のテーマ「炭水化物をハックせよ2」
00:12:44 最適な調理法は!?「焼く・蒸す・電子レンジ」
00:17:30 様々な芋で実験「血糖値とインシュリン」
00:22:23 色素が阻害する効果「吸収を遅らせる」
00:25:07 冷やしたジャガイモ「インシュリンに注目」
00:30:00 ホルモンに注目「食物繊維として認識」
Q&A 質疑応答
00:38:20 質問1: 先程まで血糖値の上昇を抑える炭水化物のお話でしたが、逆に吸収が早くて回復に適した炭水化物飯何ですか?
00:45:04 質問2:頭を強打した後に糖質を摂取すると酸化ダメージが更に追加されることを以前話されてました。糖質制限した方がいいですか?
00:48:52 質問3:炭水化物の温度で吸収率に差があることは分かりましたが、ヒトの体温によって炭水化物の吸収率に差はあるのでしょうか?
00:53:44 質問4:ご飯の時にイチゴを出すと子供(小学3年生)が先にイチゴを食べたがるのですが、子供も食べる順番を気をつけた方がいいですか?

https://biohackercenter.jp/blogs/podcast/22

Co-host:若山七美

◼︎対談中に話した話題

◼︎本エピソードで取り上げた記事や内容のリソース・文献・引用

調理法でサツマイモの甘さが変わる> 11品種のサツマイモの糖度プロファイルと甘さに及ぼす調理の影響

ゆでたジャガイモ(赤線)と冷やしたジャガイモ(青線)の摂取後、空腹時から120分後までのバイオマーカーの反応

ゆでたジャガイモと冷やしたジャガイモの摂取による曲線下面積(AUC0-120分)のバイオマーカー反応の比較。* ノンパラメトリックのWilcoxon Signed Ranks Testを用いた群間p < 0.05。赤色はゆでたジャガイモのAUC(0-120分)、青色は冷やしたジャガイモのAUC(0-120分)を意味する。GLP-1, glucagon-like peptide-1; PYY, peptide YY; GIP, glucose-dependent insulinotropic-peptide(グルコース依存性インスリン分泌促進ペプチド)。

グラフの参照先> 空腹時血糖値およびインスリンが上昇した女性において、冷やしたジャガイモはゆでたジャガイモと比較して食後血糖値、インスリン、グルコース依存性インスリントロピックペプチドを低下させる

◼︎Q&A 質疑応答

質問1: 先程まで血糖値の上昇を抑える炭水化物のお話でしたが、逆に吸収が早くて回復に適した炭水化物飯何ですか?

澱粉質の炭水化物(ブドウ糖)とフルーツ(果糖)を1:1で塩を追加したペースト状のものが一番筋グリコーゲンの回復に有効です。
異なる種類の炭水化物の吸収。単糖類のグルコースとガラクトースはナトリウム依存性グルコーストランスポーターSGLT1を用いて腸管上皮の内腔膜を通過して輸送されます。このトランスポーターはグルコースの摂取量が1時間で60g程度が限界と考えられています。つまり筋グリコーゲンの回復は150gのご飯茶碗一杯文くらいしか1時間で吸収されません。一方、フルーツに含まれる果糖は別の輸送系GLUT5によって(ナトリウムに依存せずに)輸送されます。
果糖の吸収は全く別の経路をたどりますので、SGLT1の飽和の影響を受けません。GLUT5と呼ばれるナトリウムに依存しないトランスポーターによって独立して吸収されます。つまり、違うタイプの糖の複合摂取は循環器への炭水化物の総輸送量を増加させ、筋肉による酸化を増加させる結果になる可能性があります。

ブドウ糖と果糖の組み合わせ-研究結果
- The British Journal of Nutrition- 英国栄養学雑誌 > 長時間のサイクリング運動中に摂取したブドウ糖と果糖の混合物による高い外来炭水化物酸化率

ブドウ糖と果糖の混合物を高速(2.4g/分)で摂取した場合、さらに高い外因性CHO酸化率(1.3g/分以上)をもたらすかどうかを調査しました。
8名のトレーニングされた男性サイクリストが、最大出力50%で150分間サイクリングを行い、水または1.2g/分のグルコースを含む溶液(GLU)または1.2g/分グルコース+1.2g/分果糖(GLU+FRUC)を3回摂取した。
GLU+FRUC試験では、GLU試験と比較して、ピーク時の外因性炭水化物の酸化率が高かった(それぞれ1.75 g/分と1.06 g/分)。
さらに、運動終盤90分間の外因性CHO酸化速度はGLU+FRUCではGLUに比べて約50%高かった(それぞれ1.49g/分と0.99g/分)。
この結果から150分のサイクリング運動中にグルコースとフルクトースの混合物を高速(2.4g/min)で摂取すると、外因性CHO酸化速度は約1.75g/minのピーク値に達することが示された。

グルコース:フルクトースを平均2.4g/minで摂取した場合、グルコースのみの場合よりも65%酸化が進み、1.75g/minという非常に高いピーク酸化速度に到達したそうです。

質問2: 頭を強打した後に糖質を摂取すると酸化ダメージが更に追加されることを以前話されてました。糖質制限した方がいいですか?

質問者さんが聴いた干城が配信する別のポッドキャスト> Ep8 元UFCファイター対談「格闘技が人生を豊かにする」:水垣偉弥

TBI(Traumatic Brain Injury) 外傷性脳損傷について
細胞内高血糖は、ミトコンドリアの高効率エネルギー産生システムを不安定にさせ、酸素を活性酸素に変えてしまう。活性酸素は、フリーラジカルとなってミトコンドリア自身を傷つけ、エネルギー産生が低下するのに加え、修復のためのエネルギー要求が増加します。

あくまでも頭を強打した直後、格闘技、アメフト、その他コンタクトスポーツで激しいぶつかり合いやダメージがある場合は甘いものを避けた方がいいと思いますが、普段の練習などは逆に炭水化物を摂取することで筋損傷などの回復に役立ちます。

高血糖になるような精製された砂糖、ジャンクフードではなく、少ないインシュリンで効率よく筋グリコーゲンを回復させる炭水化物、更に色素が詰まった(ポリフェノールやその他ビタミン、ミネラルが豊富)炭水化物を選択しましょう。

質問3: 炭水化物の温度で吸収率に差があることは分かりましたが、ヒトの体温によって炭水化物の吸収率に差はあるのでしょうか?

人の体温によって炭水化物の吸収率に影響があるか分かりません。しかし、体温によって影響を受ける体全体の代謝は間接的に影響を与えることがあると思います。例えば、発熱により体温が上昇した場合、代謝量が増加し、糖質の代謝速度が上がり、血糖値に影響を与える可能性があります。

一般的に血糖値の調節は摂取した炭水化物の種類や量、インスリン分泌、インスリン感受性など、多くの要因に影響される複雑な過程です。食べ過ぎたり、高血糖になった場合は寒冷暴露やサウナ(一時的に血糖値はストレスとして上がるがサウナ後に下がる)を利用するのがいいと思います。

参考エピソード

質問4: ご飯の時にイチゴを出すと子供(小学3年生)が先にイチゴを食べたがるのですが、子供も食べる順番を気をつけた方がいいですか?

そもそも論として、サラダを先に食べる戦術は空腹時に最初に炭水化物を単体で摂取することで血糖値スパイクにつながるからです。「お子様の食べる順番を気にする」この場合は食物繊維の摂取を最初にすることより、食物繊維の摂取量を十分にするという全体像を意識する方が大切だと思います。

寧ろイチゴを好んで食べることは精製された砂糖や加工食品のおやつに比べて、とても良い食べ物なので、深く考える必要はないと思います。寧ろ気をつけたいのが高果糖ブドウ糖液が含まれる食品や飲料をお子様から遠ざける方を優先するべきだと思います。

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