ひとを騙すときしか嘘をつかない主義~つれづれ夜話~②
第2話 忘れる
ずいぶん前のこと。
少しだけ民俗学の緣っこを歩いていた時期がある。
都市伝説とか、現代民話だとか言われる領域だった。
そこでほんの少しの間、語り部のようなことをしていた。その時の話だ。
いちばんのめり込んでいた時期には「ひとり百物語」ができると豪語していたくらいには、話のストックがあった。しかし、メディアや記録媒体に残っているのはほんのわずかだ。
自分の持ちネタをワープロでまとめていたら、さる方々から
「そういうのは語りでないと」
と言われて、そこから私