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こんにちは。舘澤史岳です。

先日、「オンライン七夕」という
オンラインドラマの脚本を書きました。
7/7(火)、七夕の夜20時から
YOUTUBE上で生配信されたのですが
それを見て、思ったことを
つらつら書いておきます。

①事故ありき

今回の目玉は何と言っても「生」であること。
でも、テレビだって音楽番組ならいざ知らず、
「ドラマで生放送」なんてありえませんよね。
昭和の時代で言えば、ドリフです。
ドリフと言えば、ハプニングがつきものです。
「何も起こらなければいいが…」
と思っていましたが、案の定、
スタートから突然ハウリングが起こり
演者さんの声が全く聞こえないという
とんでもないハプニングが起こりました。

原因は、裏方のスタッフさんが同じパソコンでZoomとYOUTUBEの両方を起動したため。音を拾い合って、ハウリングが起こったようです。YOUTUBEを閉じたら、消えました。

ハウリングは約2分間(3:11~4:57)続きました。
見ているこちらが冷や汗だったのですから
出演している方はどれだけ焦ったことか。
しかし、それをおくびにも見せず
「織姫? あれ、接続がおかしいのかな」
あくまでキャラクターに徹している姿には
“役者魂”を感じました。
役者さん(和泉大輔さん)、すごい。
改めて考えたことですがリモート・生配信は
・外部の音が入ってしまう
・ネット回線・デバイスが不調になる
・操作ミスで想定外の仕様になってしまう
・家に宅配など、誰かが突然訪ねて来る
トラブルの可能性がたくさんあります。
事故が起こらないように徹底するのも重要ですが
やって初めて分かることもありますので
“何らかの事故は起こる”と仮定して
その場でできる限りの対応をする
そして、二度と繰り返さない。
その積み重ねが大事かな、と思いました。
※役者さんのストレスは半端なさそうですが…

②工夫次第

撮影・編集を前提とした
オフラインのドラマに比べると
オンラインは“工夫のしがいがある”と思いました。
これは「作り手」にとっても
そして「見る側」にとっても言えることです。
たとえば、zoom生配信の場合、
画面が均等に割り振られます。
4人なら、こんな感じ。
どこにどう表示されるかは
デバイスによって変わります。

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通常、ドラマの進行と関係ない部分は
編集でカットされてしまいますが
オンライン生配信ならそんなことありません。
これはどういうことかというと、
・視聴者はどこを見てもいい。「推し」を見ていられる
・役者さんも主役・脇役、関係なくずっと出ていられる
というメリットがあります。
一方、私達作り手側からすると
視聴者の視点が拡散しがちなので
本筋が盛り上がらない…
というジレンマもありますが
工夫次第でどうにかなる気がしました。

たとえば、主役・本筋に集中させたい時は
個々のビデオをオフにしてもらい、
他の画面を消して、集中したい
モニターを大きく表示すればいいわけです。

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このような拡散と集中を上手く使えば
生配信では絶対できなさそうな
「場面転換」「時間経過」も
決して不可能ではないと思います。
今回は初回ということもあり
あまり意識せずに作ってしまいましたが
もし、次にチャレンジできる機会があったら
上記のような工夫も取り入れてみたいです。

③舞台監督の必要性

普通、ドラマを作ろうとする場合
役を演じる役者さん達キャストの他、
・企画と全体管理を手掛けるプロデューサー
・物語の骨組みと詳細を作る脚本家
・舞台上にそれを再現する演出家・監督
その他、カメラマン、照明、美術、記録など
大勢のスタッフを必要とします。

しかし、これは潤沢な予算がある場合の話で
通常、特に小劇団などの場合、
一人が複数兼務するのが当たり前です。
まつたけ劇場の場合、高橋麻利央さんが
そのスーパーマルチな才能を活かして
企画・脚本から、キャスティング、
更に当日の出演、演出、編集に至るまで
すべてをこなしていました。
今回は企画・脚本を私が分担しましたが
舞台の仕切りに関しては
やはり彼女にやってもらっています。
ケチをつけるつもりは毛頭ありません。
自分が演じつつ、周囲を気にかけるのは大変なことで
しかも、先輩達に囲まれてのリモート舞台です。
それを考えれば、立派にやりとげたと思います。

ただ、今後のことを考えるのであれば
①のような、事故を避けつつ
②のような、工夫を実現していくには
“現場”を仕切る人が別にいるような気がしました。
期待したいのは演技の指導というより
・zoomの機能を活かした演出を考えたり
・各人のパソコン操作方法を指示したり
・音楽や効果音を有効利用したり
「舞台監督(舞監)」のようなポジションです。

みなさんはオンラインドラマに特化して取り組む「ノーミーツ」という劇団がいるのをご存知でしょうか。コロナ自粛期間中にYOUTUBE上で生配信を何度も行っている、今、飛ぶ鳥を落とす勢いの劇団です。おそらく、このノーミーツには今、私が言った「舞監」的なポジションをこなす方がいるはずです。何本か動画を見させてもらいましたが、「えーこんなことできんの」「なるほど、そうきたか」など、勉強になる部分がたくさんありました。

誰かに担当してもらえるのが一番ですが
予算的にワガママも言ってられません。
もし次の機会があれば②と同じように
できる範囲でチャレンジしたいと思います。
※機械は基本苦手だけど…

もろもろ、リンク先

本編「オンライン七夕」

編集していないため、長く見えますが、実際のドラマは20分ほどです(5:12~27:00)。後はほとんどアフタートークです。はじまりと終わりが曖昧だったり、音が聞こえづらかったり、物足りないところもありますが、本筋は概ね楽しい、と思います。

高島麻利央さん(織姫)

私がWOWOWシナリオ大賞を受賞した際の同期です。「脚本を書いたのは初めて」という割に、とても面白いものを書いていてビックリしました。以前は大阪を拠点に活動していましたが、数年前から東京に活動の拠点を移して、色んなことにチャレンジしています。

和泉大輔さん(彦星)

そこにいるだけで場が和む、温かい雰囲気のある方です。優男な感じですが①でも触れたように、根性も座ってます。私が書くセリフが「言葉遣いが丁寧で優しい」とおっしゃっていました。大事にしていきたいです。最近、YOUTUBEも始めたみたいですね。

・竹本真之さん(お兄さん)

打ち合わせでお会いした時から、真面目な外見とは違う、ギャップのある面白そうな雰囲気を感じました。それもあって、当初は普通にzoom出演するはずだったのを「スマホの画面にしか出てこない」という設定に変更。当日は裸かつ妙な髪型で、さらに期待に応えくれました。

ちかまろさん(お母さん)

お母さん役とかやらせてすみません!すごく美しくで明るい方です。「あ、うちも停電!」と言って、電気を消すシーンがリハの時からツボでした。あそこは何パターンかあって、スイッチを連打して、少しずつ暗くなる、というパターンが私は好きでした!

岡山祐児さん(お父さん)

普段はお笑いコンビ「オーケイ」として活動しています。声がステキです。ちかまろさんと「ZOOM」のイントネーションを言い争うシーンは楽しかったです。本当に、思った通りの騒がしいご夫婦という感じでした。

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