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noteを書く上でのちょっとしたヒント

column vol.498

先月開催されたnote主催のオンラインイベント「ライターの未来──だれもが書き手になる時代、あなたは何を書くのか」が記事になっていたので共有させていただきます。

〈DIAMOND Online / 2021年12月4日〉

内容は、『ニュースの未来』の著者でノンフィクション・ライターの石戸諭さんと、ライターの教科書をコンセプトにした『取材・執筆・推敲』の著者でライターの古賀史健さんによる対談。

記事の中で「書く」ことのヒントが多数散りばめられていました。

書くのは事象ではなくその向こう側の「人」

たくさんのヒントの中で、私が特になるほど!と思ったのが

重要なのは「情報」より「人」を描くこと

という一文です。

これはインタビューについて言及された言葉なのですが、古賀さんはこのように話します。

結局、「何を語るか」だけを描いていくと、情報としては多く見えるんだけど、伝わらないんですよ。で、「誰がそれを語っているのか」っていう部分にしっかりフォーカスして、人と情報の両方が揃うと、結果的に情報がたくさん伝わります

「何」よりも「誰」か。

好事例としてスポーツグラフィック誌の『Number』が挙げられていましたが、確かに選手たちの心の声が聞こえてきます。

単なる勝った負けたでもなく、誰がどんなプレーをしたかではなく、どんな想いでそれを行ったのか、勝ち負けについてどんな心境になったのかが伝わってきます。

選手の心に触れて、より一層その競技に対する楽しみ方が深まっていく

だからこそ『Number』は共感を集め、愛されているのです。

「時流」ではなく「生活者の変化」

それは私たちマーケターの世界も同じです。

名作コピーからは「人」の声が聞こえてきます。

「このろくでもない、すばらしき世界。」〈サントリー BOSS〉
「不思議、大好き」〈西武百貨店〉
「きっといつか、が今なんだ。」〈ヤマハ音楽教室〉
「『学生時代がいちばん良かった』なんてちょっと寂しい。」〈マイナビ〉「地図に残る仕事。」〈大成建設〉

どのコピーも人の心がくっきりと見えてきます。

当社の社長は、あまり「時流研究」とは言わず「生活者研究」と言います。

結局は社会は人が集まった集合体。当たり前ですが時流の向こうに人がいます

翻って考えてみると、まだまだ私の記事は事象に目がいってしまっているなとちょっと反省しています…。

もっと事象を通して、生活者の日常がどのように変化するのかなど「人」が見えてくると、もっと共感に繋がる記事になるのだろうと感じました。

結局のところ、「人」が見えてくるからこそ、読んでくださる方が自分事化できるというわけです。

そういうことで言えば、NHK『ワイルドライフ』もそうだと思います。

動物の営みの物語ですが、人間社会に通じるところを描いているからこそ、私たちが共感し、釘付けになるのでしょう。

「書くネタがない…」というnoteあるあるへの対処法

話は変わりますが、noteを毎日書く上で大変なことって何だろうかと考えてみました。

もちろん、忙しいなど、続ける上での障壁はいくつもあるかと思いますが、私が一番思い当たるのは「書くネタに困る」ということだと思います。

人間そんなに世に伝えたいことは無いかと思います。

そんな中、今、ワイドショーを席巻しているコメンテーターの一人、小原ブラスさんの【ワイドショー界を席巻する“黒船”小原ブラス「正論だけ言う人は性格が悪い」と思う理由】という記事に、光明を見つけることができました。

〈週間女性PRIME / 2021年11月22日〉

小原さんは話すネタが被らないように話した内容をエクセルにまとめて対処していたそうです。

でも、その話を聞いたふかわりょうさんがこんな言葉をかけてくださったそうです。

同じエピソードでも番組や話し方によって反応は変わる。だから表でまとめるのはやめたほうがいい」

そこから小原さんはトークの内容が被ることも怖くなくなったそうです。

「落語」がなぜ同じ話をしていても面白いのか?

考えてみると、古典落語はなぜ同じ噺をしていても人々を魅了するのか?

そこには時代を超えて普遍的な人間の本質が描けているからではないでしょうか。

また、同じ噺でも語り手によって趣が異なる。そう感じるのは、聞き手が話し手の人生の年輪を感じているからだと思います。

恋を知らないでラブソングを歌うのと、知ってから歌うのでは違うということと同じですね。テクニックで表現できない人生経験が人を惹きつける要因になっていることですね。

そう考えれば考えるほど、全ての表現には「人」の気配を感じさせることが大切であると感じます。

仮に私が急遽コンセプトを変更して、料理レシピを紹介することになっても同じかと思います。

例えば、なぜ「キャラ弁」がバズったのか?

それは、作る親の愛情と、子どもの笑顔を感じるからではないでしょうか。

レシピ紹介を通じることで、人々にとってどんな豊かさを築くことができるのか?そこを突き詰めることで読み手が自分事として受け止めることができ、共感を生むのだと思います。

少なくても、知識のお披露目投稿にならないようにと、気が引き締まる今回の事例記事でした。

本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。

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