「ロボット」がもたらす希望の世界
column vol.747
Xiaomiが公開したヒューマノイド(人型ロボット)の「CyberOne」プロトタイプがネット上で話題になっています。
〈PHILE WEB / 2022年8月12日〉
折りたたみスマホの新製品発表イベントで、サプライズとしてCyberOneが登場したのですが、ニックネーム「Metal Blo」。
身長は177cmで、体重52kg。
そして、誕生日は定かでないものの、なぜか星座は獅子座とのことです(笑)
Image:leijun/Twitter
スマホが社会を一変させたように、それ以上のインパクトを持って変えていくだろうと予想されるのがAI搭載型のロボットでしょう。
ということで、本日はこの話題のヒューマノイドを皮切りに、「ロボット」をテーマに語りたいと思います。
“人の感情をAIで認識する”人型ロボット
イーロン・マスクさんが発表した「Tesla Bot」を意識した外観に見えて仕方ないものの、Tesla Botとの最も大きな相違点は、それがちゃんとロボットとして成立していること。
CyberOneは自分の足でヨチヨチと歩き、CEOのLei Junさんに一輪の花を手渡すことができます。
真っ黒い顔面はOLEDパネルになっていて、インタラクティブな情報を表示。
そして目にあたる立体視カメラ「Mi-Sense」を備え、耳に該当する2つのマイクは、環境音(85種類)および人間の声の感情(45種類)を認識できます。
ここがこのヒューマノイドの最大の特徴とも言えるのですが、認識した情報とAIのアルゴリズムを組み合わせることで人間の感情を識別可能に。
例えば、ユーザーが落ち込んでいたら慰めるといった行動ができるそうです。
また、全身に13ヵ所の関節があり、合計21の自由度を備えており、ステージ上では、ダチョウ倶楽部さながらの「ヤー!」のポーズでLeiさんとのセルフィーに応じていたとのこと(笑)
Xiaomiは将来的に、産業分野で働くロボット、感情認識を備えたコンパニオンロボット、ビッグデータやクラウドコンピューティング活用の公共サービスを提供するロボットなど、様々な分野に応用していけると予想しています。
現時点の価格は1体あたり60万〜70万元(約1,200〜1,400万円)。
…なかなか…気軽ではないお値段ですし…、機能的にもまだまだ実用化していくにはブラッシュアップが必要ですが、Leiさんは
いつかトイレや風呂の掃除や、洗濯物を干して取り込み、たたむ作業までできるようになれば、きっと購入希望者も現れるだろう。
と自信を覗かせています。
ドラえもんのいる世界が近づいてくる
ヒューマノイドは仕事において協業していくだけではなく、私たちの日常のさまざまな場面で欠かせないものになっていくでしょう。
1つは介護。
私が後期高齢者になる頃には、当たり前のようにヒューマノイドにサポートされている未来になっているはずです。
そして、もう1つが家事・育児。
この分野は先週も遠隔共同子育てロボットの話題が記事に上がっていました。
〈創業手帳 / 2022年8月12日〉
株式会社ChiCaRoは、同社と同名の「チカロ」という遠隔共同子育てロボットを開発しています。
チカロは顔となる部分にモニターを搭載した、子ども向けコミュニケーションロボット。
タブレットなどから簡単に遠隔で操作でき、追いかけっこやかくれんぼなどによって子どもと遊ぶことができます。
離れて住む祖父母などと子どもの触れ合い・コミュニケーションを実現し、家事・育児で忙しい親をサポートすることを目的としています。
コミュニケーションロボットは、ヒト型のものや、犬・猫などを模したペット型のものなどさまざまなものがあります。
特にペット型のロボットは、マンションなどでペットを飼うことができない人などが代替として購入されることが多い。
こうしたコミュニケーションロボットは、人間のストレスなどを低減する効果があることが、すでに分かっています。
ネコ型のヒューマノイドならば、もはやそれはドラえもんです。
AIを搭載し、CyberOneのように自律型ロボットとして手伝える範囲が広がっていけば、22世紀には本当にドラえもんと暮らす世界が待っているかもしれません。
とはいえ、4次元ポケットをどうするか問題は残っていますが…。
しかし、私たちが子供の頃に見た未来の世界が、どんどん身近になっていく感じはしますね。
ガンダムは世界を変えていけるのか?
子供の頃、私がドラえもんとともに憧れたロボットがガンダムです。
そのガンダムが新しい世界を築き上げようとしています。
バンダイナムコグループは、「世界中のガンダムファンが集い、語り合い、さまざまなカテゴリーのコンテンツに出合い、ふれあうための場」を創出すべく、「ガンダムメタバース」の開発に着手しているのです。
〈Walkerplus / 2022年8月13日〉
今年の3月、「SIDE-G」という名で発表された「ガンダムメタバース」。
これは、ガンプラ、アニメ、ゲーム、音楽など、さまざまなカテゴリーのオンラインコミュニティ(スペースコロニー)で構成されるもので、続々と仮想空間内に打ち上げられる予定とのことです。
「ガンダムメタバースプロジェクト」 イメージ
例えば“ガンプラコロニー”では、自作のガンプラを使ったガンプラバトルや、ガンプラオンライン講座なども構想しています。
メタバースに着手したのは、世界各国という物理的な距離や言語の壁を取っ払い、リアルではできないイベントのキャパを実現するため。
最終的にはガンダムという共通の「スキ」というコンテンツを軸にして、世界の人々がさまざまな社会課題を理解し合う。
少し大仰に言ってしまえば、国境・民族・宗教を超えて1つになる世界をガンダムで実現しようというわけです。
その手前の部分で、まずは単にコミュニティの場に留まらず、経済圏を育てていく。
そのためにさまざまな企業の参画や、CtoCビジネスのベースを整えていくそうです。
世界平和に導いていくためには民間での文化交流が非常に重要なカギを握っています。
この文化交流をメタバースの力を使って、今までの常識にはないスケールで叶えていくというわけです。
やはり、これからの時代はいろいろな意味でロボットが主役になるように感じます。
今後もこの分野の持つ可能性に注視していきたいと思います。
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