透明人間に憧れない
「『ずっとラジオを聞いて居て思うんですけど、どちらかというとくだらない質問が書かれているのを選ぶ傾向ですよね?・・・じゃあ、この質問もくだらない質問ってことでいいですかね?」
なんだか今日は少し意地悪?
たまにあるんだよね。曲が思うように書けないでいるのかしら?
「質問って自分で思っている以上に結構していると思う。家族に『今日の夜何食べたい?』『忘れもにはない?』。恋人同士でもあるよね。『ねぇ、私の話、聞いてる?』」
そうだ。仕事だと話す内容は報告と質問…確認というべきか?ほら、今、自分に質問している。
「仕事柄、インタビューを受けることも多い。インタビューは相手の質問に答えることだよね。だから割とどんな質問にも答えることができる。余程のことじゃなければね。個人的なことも他の人に比べたら答えていると思う。基本、僕以外の人の話をしなくてはならないような質問には答えない。ん?」
スタッフが何か訊いているようだ。
「そりゃそうさ。僕が勝手に話をするわけには気ないでしょ?僕の話すことはこうして電波に乗ったり、本などの媒体に載るわけで、僕自身以外の人の話はしたくないな、という話」
至極まともな話だ。
「僕自身のことだったら、割となんでも答えている。まぁ、もっともどこまでが本当の答えか?なんてね」
そりゃそうだ。
「実はここにくる前に一個雑誌の取材を受けたんだけど、そこで訊かれた質問のひとつなんだけど。昔からよく訊かれる話だけど、今まで一度も正解を答えたことのない質問があるんだ」
今まで…って、芸能活動30年近いよね?この人。
「『1日だけ透明人間になるとして、透明人間になったら何がしたいですか?』」
確かに割とよく見かける質問だ。でもこれに対して正解を答えていないってどういうことだろう?この答えに誰かが出てくるとは思えない。
「正解は『何もない』なんだけど、毎回適当なことを言っている」
透明人間になったら?自分だったらなんと答えるだろう。んー…あれ?何もないかも。いや、待って。なんかある…はず。
「透明人間に憧れているとでも思っているのかもしれないけど、透明人間に魅力を感じたことが今まで一度もない。だってさ、透明でいる時は裸なんでしょ?ひとりでいるならともかく誰かの前に裸でいるなんて…ねぇ」
そうか、真っ裸でいるんだ。
うん・・・透明人間に魅力を感じないな。
相変わらずの正論っぷりだ。
「まぁ大概は誰かのライブをこっそり観に行くって答えてる。裸でライブ会場なんてゾッとしないけど」
ご尤もな話だ。
「というわけで曲いきます。この人のライブにこっそり行くという答えをどこかで見かけたら、その記事のインタビューは今日のものだと思ってください」