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WEB読書会『消え去ったアルベルチーヌ』

Twitterでプルースト『消え去ったアルベルチーヌ』を読む会を開催します。
京都で開催されていた『消え去ったアルベルチーヌ』を読む読書会イベントの情報を見て、すごく羨ましくて、Web読書会みたいなことができたらいいなあとツイートしたら賛同してくれる方がいらっしゃったので、やってみることにしました。

『消え去ったアルベルチーヌ』は私がプルーストを読むきっかけにもなってくれた本です。

『失われた時を求めて』のような大長編は、いきなり読み切ろうと思っても挫折してしまうかもしれません。だけど、一冊、一冊が別の作品だと思えば気楽に読むこともできます。本当に何巻から読んでもおもしろいのがプルーストなのです。

『消え去ったアルベルチーヌ』はお話の内容も、長さも、初めてのプルースト体験として、うってつけではないかと思います。

本の中身は以下のような構成です。

P.11 訳者前口上
P.33 消え去ったアルベルチーヌ
P.225 グラッセ版の編者解説
P.346 年譜
P.356 訳者あとがき

本編は200ページ弱の中編と言ってもいい長さなので、まずは気軽に手に取ってみてほしいと思います。

今回「訳者あとがき」を読み返してみて衝撃を受けました。

1. 読者は本作に自分の経験や感情を見出すこと。
2. プルーストの文章のみごとさ。
3. 再読のすすめ。
4. 堅苦しく考えず、いつ、どこを読んでもいいこと。

などなど。

本当にこの通りのことを感じ、読んできました。ずっと掌の上にいたようにすら思えます。

私が宣伝するプルーストのすばらしさは、ほとんどすべて翻訳者である高遠先生の受け売りだったということに改めて気付かされました。
だけど、読んだ人たちは、みんな同じように感じるはずです。同じように感じながらも、その経験や感情は十人十色でしょう。
みなさんが『消え去ったアルベルチーヌ』をどのように読み、そして何を思ったのか。
それを聞くのが今から楽しみです。

海外在住の方で、わざわざ日本から取り寄せてくださっている方もいて本当にうれしいです。日本、タイ、ドイツ、イギリス、(フランスの方はいませんが)プルーストを通して世界中がつながっているような気がします。

読み途中でも読んだ後でも、ハッシュタグ #消え去ったアルベルチーヌ をつけて気軽にツイートしてください。TwitterのDMは複数参加者でグループチャットとしても使えるらしいので、日時を決めてリアルタイムでのやり取りをしたり、他の参加者に聞きたいこと(たとえば「一番印象的だったところは」などの)質問を各参加者の方に投げてもらったりも考えています。

『プルーストと過ごす夏』をぱらぱらと読み直していたらアントワーヌ・コンパニョンが書いているこんな文章を見つけました。

こんにち私が一番よく読み返すのは、『消え去ったアルベルチーヌ』である。喪について書かれた本のうち、私の知るかぎりこれがもっとも美しい本だからだ。『失われた時を求めて』という本の中で、読者はそれぞれ自分だけの道をたどるはずだ。そしてひとたび三十ページを過ぎれば、まるで自分の家にいるような気分になるのである。(アントワーヌ・コンパニョン『プルーストと過ごす夏』光文社)

音楽や絵画と同じように、美しいというただそれだけで読む価値があります。
よろしければ、この作品を通して、あなたのたどった道を聞かせてください。
自分の家にいるようにくつろいだ気分で語ってくれたら嬉しいです。

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