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【小説】

「女とは行間を読みすぎて、本文を読んでいない生き物である」

これは、最近追いかけてる女性Note作家さんが書いてるマッチングアプリ体験日記のある日のタイトルなんだけどね。

漫画とは違い、小説はただひたすら文字を順番に追いかけて読むだけなので、読む事自体に技術が求められる事は殆どないんだけど、(挿絵がある小説は別にして)視覚に頼れない=読みながら頭に浮かぶ情景は基本的に読み手が持つ知識や経験を超えられないって側面もあって、これはこれでなかなか難しい分野なんだろうなと思ってみたり。

教科書を除くと、ワシが初めて読んだ小説は、中学生の頃、親父の本棚から拝借した筒井康隆の東海道戦争か、お助けか、俺の血は他人の血、あるいは星新一のボッコちゃんだった気がするんだけど、入り口がそこだったからか、いわゆる「名作」的な小説は殆ど読んでなくて、かなりエンタメ要素が強い作品に偏ってる気がします。

それでもまぁ、作家さんごとに表現手法には工夫を重ねているというか、プロットの組み立て方や単語の選び方、文体の変化などなど。ワシに合う合わないってがなんとなくあって、その昔、惚れてた女の子が好きだと言ってたという理由だけで手に取った村上春樹の作品は、結局最後までその良さがわからず仕舞い。

やれやれ。

で、気に入った同じ作品を何度も読み返す=年齢に応じて浮かぶ情景が変わる楽しみもあって、なかなか新しい作家さんの作品には手を出さないんだけど、偶然手にしたこの小説はエグいね。

冒頭の「行間を読む」って行為が、日常生活においてもどちらかというと苦手なワシは、この小説的に言うと傲慢であり、鈍感なんだと思うけど、そんなワシでさえ、「ああ、きっとこうなんだろうなぁ」っと薄々感じつつも蓋をしてきた、(悪意の有無に関係なく)人の持つドロっとした部分を、ここまで今風に徹底的に高解像度で言語化されると、なんつーか、繊細な人が生きづらいってのも分かる気がするなぁ。

って感じのお話しでした。

(そうはならんやろ、普通ってエンディングではあるにせよ)読後感はそれなりに爽やかではあるんだけど、「自分の中でモヤモヤしてた感情が言語化されてスッキリ」なぁんて事をワシは小説に一切求めてないって事が改めて分かった有給奨励日でしたとさ。

結論:能天気で良かった^^;

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