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私の雑多なスケッチについて

建築家というのは、何かしらのスケッチをほぼ毎日しています。スケッチやドローイングは建築家の言葉であり、それぞれの建築家のコンセプトや思想、その人の生き方までもが滲み出てきます。実際の建物ができるまでには、様々な法的制約や物理的制約、社会的な制約があるので、初期のスケッチやドローイングからは変化していきます。

なので、初期のスケッチやドローイングというのは、建築家のファーストインスピレーションが表れやすく、潜在意識が滲み出てくることが多いです。

その点からも、私は建築家の展覧会で楽しみな事は、建築写真や模型ではなく、スケッチやドローイングを観ることです。

今回載せる私のスケッチは特に何かのコンセプトではなく、既存のあるものをスケッチしていますが、何をスケッチしているかというのも、建築専門ではない一般の方には新鮮なのではないかと思い、ご紹介します。

1. Borge Mogensen(ボーエ・モーエンセン)
 シェーカーチェア

一番大きく描かれているチェアは、自邸のダイニングチェアで使いたいと思っている、シェーカーチェアです。(Designer: Borge Mogensen)
ただ、妻から好みじゃないと反対されたので、使うことは叶わなそうです。そのためか、惜しい気持ちがあって、3つのスケッチの中でも、陰影まで表現して大きく描いたのだと思います。笑

シェーカーチェア

2.Laki Senanayake(ラキ・セナナヤキ)のVilla

スリランカの彫刻家、ラキ・セナナヤキのヴィラ。
スリランカの建築家ジェフリー・バワの作品集を眺めている時に、なんとなく描いた記憶があります。
ジャングルの中で、屋根のてっぺんにも木が生えていて印象的でしたので。

ラキ・セナナヤキのヴィラ

3.東大寺南大門の断面

以前、購入しました本を読みはじめて、「大仏様」についての論考が書かれていたので、「東大寺南大門の断面って、どうだったかな。」と、思いながら簡単に覚えで描きました。
「大仏様」という言葉については、また[今日から使える建築雑学]のマガジンで紹介しますね。

東大寺南大門


というように、建築家は色々なものを雑多にスケッチをします。今回は既存のものをスケッチしているので、私の頭の中の風景ではありませんが…。

また、「設計の裏側」シリーズのように、普段建築家が裏でどんなことをしているか、何を考えているるかを公開できればと思います。

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