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【本】『編集』(著:豊田きいち)を読んで、言葉は音楽だと知った

大学生の頃から記者や編集者に漠然と憧れを抱いていて、いま自分の中で「編集ブーム」がきています。
本ってどんな人たちが関わって創られるのだろうなぁと思いながら、近くの図書館をぶらついていたら、題名ズバリ『編集』という本に出会いました。

読み終わって1日が経っているけど、いまだに頭の中が熱でポッポしています。人生のバイブルになるような一冊に出会ってしまったな、と興奮しています。


本著は、小学館勤続35年の元編集者、豊田きいちさんの、熱量満載の言葉が溢れています。
失礼承知でいうと、なかには近所のおじさんが、居酒屋で同じ昔話や武勇伝を、繰り返し語っているような箇所もあります。でも、それすらも退屈なく読める。もっと言うと、それを読みたくなる(本当に失礼しました。。。)。


豊田さんの言葉は、どんどん知りたくなるものが多い。「連想」「培質」「同時代史」「差別化」などなど。造語もあれば、一般的な使い方とは異なる意味で、使っている言葉もある。


例えば、「連想」。言うなれば、モノゴトを繋げること。豊田さんは企画を立てるために、最も重要な素質は「連想」だと言い切っています。
あるモノゴトの表(オモテ)を見たら、裏を連想する。そこから、枝葉を広げて、企画を広げていく。
コミュニケーションも「連想」だとおっしゃっています。たしかに、相手のことを考えながら、想像しながら、話をする。それも、「連想」。モノゴトやデキゴトを繋げて考えることは、面白くて大切なことな気がします。


さらに、「差別化」。”差別”って言葉は、ネガティブな意味が強い。でも、豊田さんは、ネガティブに使っているわけではありません。他者(他社)との違いが、「差別」だと言っています。その「差別化」について、富士重工の社長の言葉を引用してる部分が、的確で分かりやすいです。

「差別化とは、ただ区別するだけではなく、際立っていることが重要である」

「連想」や「差別化」、それ以外の言葉や考え方も、いちいち面白い。豊田さんは、こんなことを考えながら、本や雑誌を創っていたのかぁ、と刺激的でした。


また、個人的にクスッとした箇所があります。
各国で日の丸国旗が踏みにじられたりすることが、許せない。そんな文章のあとに、ウマいコロッケが大好きと語っています。
こんな急展開ある?!と、話の内容と構成も楽しみながら、読み終えました。


ご存命でないので、もっと早く知っていれば、、、と悔やんでます。豊田さんは、熱血で、チャーミングな方だったんだろうな、といまも連想しています。


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