世界でいちばん透きとおった物語(ネタバレ有り)


「前情報を入れないで読んで下さい!」ということなので早く読まなきゃと思って早速読みました!
読みやすくて情景も浮かびながらどんどん引き込まれていき、中盤で「文章がページを跨がないから読みやすいのかな〜」なんて呑気に楽しく読んでましたね。2巡目読んで気づく「手作りの原稿用紙の表現、左右対称とかネタバレだったじゃん!」

ミステリ好きだけどそんなにたくさんは読んでない私でさえ「探してる原稿って、今まさに読んでるこの小説だろうな」と気づきました(ちょっと意味も違うけど)。でもそんな単純には済まないだろうとも思ってましたが。

あの家で原稿が燃やされ、密室なのに燃やした犯人がいないっていうのも、ミステリ好きな読者にはバレるだろうなとか。勝手口の状態もね。

あ、たまに「ここの単語はひらがななんだー」とかも読んでて思ってましたね〜。

桜の枝に最終ページを挟んでおいたのは、生きているうちに完成させる事ができないから、このまま桜の木が伸びて誰にも見つからずに、大事な想いと共に空の近くにあってほしかったからかなって思ったけど、燈真くんが見つけてくれて小説も書いてくれて最高じゃないですか。どんな結末になるのかと思ってたけどこういう終わり方だったなんて。よかったよかった。

2巡目を読み始めてめちゃ驚いた事。

本文最初のセリフで『編集者(霧子さん)は探偵、作家(燈真くん)は犯人、推理小説においては犯人と探偵は共同作業で物語を形作っているといえる』って言ってた!!!

「                」は、最初は「さようなら」かなと思ったけど「ありがとう」だな。読者がそれぞれ納得の5文字を想い描くのかなって思い、別件である人にちょっと見せようと思って最後のページを写真に収めたら

下の文が透けてる!!!ああそれで『世界でいちばん透きとおった物語』だったのか!!!(そんなに『世界でいちばん透きとおって』るかなってしっくりしてなかったごめんなさい!!!)

アイデアを思いつき、キチッと文章を全ページまとめて作品に仕上げた事だけでもものすごい労力だろうし、ミステリとしても面白く読めたし感動もしたし、ほんととんでもない芸術品を作り上げましたよね。美しいです。
もう新しいミステリ作家さんを開拓しなくていいや
って思えたくらい楽しめました!!!

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