二分間憎悪を止めろ
こんにちわこんばんわ。
全ての増税に反対し、全ての減税に賛成する自由人、七篠ひとり(@w4rZ1NTzltBKRwQ)です。
前回の記事でジョージ・オーウェルのディストピア小説「1984」に登場する
自由とは「2+2=4である」と言えること
について書きました。
今日はその流れで
二分間憎悪
について書いていこうと思います。
「1984」についての詳細はこちらの記事を見ていただくとして
「1984」は簡単に言うと「独裁者に支配された全体主義社会を描いた小説」なのですが、その作品の中に登場するのが
二分間憎悪
です。
二分間憎悪とは「1984」の世界に住む国民が強制的に毎日行わされる「日課」のことで、具体的には
ホールに集められ、そこで党と国民の敵である裏切り者のゴールドスタインの映像をみんなで見てありったけの憎悪をぶつける
というものです。
この毎日行われる「二分間憎悪」は、党や独裁者「ビッグ・ブラザー」に対する忠誠心を養う場となっているのですが、目的はもちろんそれだけではありません。
「二分間憎悪」の最大の目的は、
党やビッグ・ブラザーに対する不安や怒りを他に転嫁すること
です。
「国家転覆をたくらむ売国奴のゴールドスタイン(実在するかどうかは不明)」という敵を作り国民に罵倒させることで、生活への不満の矛先をそちらに向けさせると同時に、怒りを発散させガス抜きさせるという目的で行われているのが「二分間憎悪」なのです。
かつて中国や韓国であった反日デモもそうですが、このような「仮想敵」を国民を示し「悪いのはあいつだ」と国民感情を煽ることは、政府にとっては都合良く責任転換が出来るためよく使われる手法でもあります。
そしてもちろんこの「二分間憎悪」は日本でも行われています。
よくSNSでの著名人への誹謗中傷を指さし「二分間憎悪だ」という人がいますが、あれは「二分間憎悪」ではなく「誹謗中傷」です。
「二分間憎悪」はあくまでも
「政府に向けられるべき怒りが、誘導され他の違う対象を憎悪すること」
ですのでそこを混同しないよう注意しながら考えてみると、私たちの周りには結構な数の「二分間憎悪」が存在することに気付くはずです。
例えば最近よく見る「老人ヘイト」がそうです。
医療社会保険制度を決めているのはあくまでも「政府」です。
同じく現役世代に重い社会保障負担を強いているのも高齢者ではなく「政府」です。
それなのに有権者が「社保減税しろ」ではなく「高齢者の自己負担を増やせ」と言い始めたら、これほど政府に都合の良いことはありません。
「求めたのは現役世代の有権者だ」とばかりにこうして政府は早速検討をはじめ、これを不満に思う高齢者は現役世代に不満をぶつけ有権者の分断の溝は広まっていくことでしょう。
これでは社保減税の世論が高まるわけがありません。
このケースは消費税の軽減税率が適用される新聞にも当てはまります。
新聞の消費税を8%と決定したのは「政府」です。
それなのに多くの人は新聞を「ズルい」と憎み、「新聞も10%にしろ」と政府にお願いしています。
政府に対し「全部8%にしろ」と怒り詰め寄るのではなく「新聞も10%に」と政府にお願いしている姿はまさしく「二分間憎悪」でしかありません。
また「ザイム真理教」も同じです。
「政治家は本当は増税なんてしたくないが財務省の圧力が」という風潮が出来ることは、政府与党にとってはありがたい話です。
私が自民党の議員なら間違いなく「ザイム真理教と戦います!」と心の中ではベロッと舌を出しながら真剣な眼差しで有権者の手を強く握ることでしょう。
悪夢の民主党政権もそうですし、朝日新聞もそうです。
デフレもインフレもそうですし、賃上げをもっとしろと無茶ぶりされる企業も、護憲派もマスコミも外国人もアジアの国々も病気もなんでも「二分間憎悪」の対象に出来ますし、実際に多くの保守言論人が勇ましい言葉と共にこういったものを「仮想敵」として攻撃し、安倍政権などを擁護してきたのがここ十数年間の出来事です。
私は元ネトウヨですが、そこから脱したのはある日この国の保守と自称する人は自由主義者ではなく
二分間憎悪を繰り返すだけの自由民主党主義者だ
と気付いたからです。
私が求めているのは「自由」であって「自由民主党」ではありません。
これは安倍政権や自民党が全て悪いという短絡的な話ではありません。
「自由を守るためには二分間憎悪ではなく、政府への批判は政府に向けましょう」
という話です。
政府への批判は政府に、野党への批判は野党に、「減税しろ」という要求は小難しい話ではなく「減税しろ」とストレートに要求しましょう。
そのためにはまず二分間憎悪を止めるべきです。
「増税反対」「減税しろ」「規制を止めろ」という要求は全て政府に向けていきましょう。
ということで、今日はここまで。
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