見出し画像

神話のヨミ

ヨミ

本を読んでいると共感や賛同、反論や批判だけでなく、全然内容とは関係ないアイデアや突拍子もないことを思いつくことがある。これを「ヨミ」と呼んでいる。多分そんな人は多いと思う。
特に自分の場合、強引なこじつけでありもしないパターンを「発見」することが多く、それが自分の「ヨミ癖」だと思っている。以下神話にについてその一例。

AD神族

高校の時、世界史の先生が、
 インドのディーヴァ神族はイランにとって悪のダエーワ
 イランのアフラマズタはインドにとっては悪のアスラ
と教えてくれた。
「そんな説もある」という余談だったが凄く面白くて記憶に残った。

その記憶のせいで、ギリシア、ゲルマン、ケルト神話の本を読んでいる時フトと思いついた。「印欧語族の神話ってAとDが交互してない?」

イランの西はちょっい離れてギリシア。ギリシア神話の主神はDウス(強引だがゼウス)。その子達にアテナとかアボロンとかAの神々がいる。
その西のゲルマン神話はAース神族とDoワーフ。
その西のケルト神話はDaーナ神族(ここはA神族がいない)

東から、インドがD、イランがA、ギリシアがD、ゲルマンがA、ケルトがD。主となる神族が、A神族とD神族で交互に広がっている。
各神話で両者は、敵だったり血縁だったり異種族だったりするが。

M神

この「AD神族説」が「ヨミ癖」の始まりだった。以来、真面目な本から漫画・アニメまで印欧系の神話を目にすると思いつくままに尾ひれを付けた。

まず「M神」を追加。

AD神話の構造の特徴はAとDという「二項性」。M神はこの二項を調停あるいは超越する神。所謂「救済神」で、メシア=キリスト、マイトレーヤ=弥勒など。

M神によりキリスト教や仏教などの宗教も「神話ヨミ」の射程に入った。

Dの系譜

M神であるキリスト教の布教により欧州のAD神族はDビルやD-モンにされてしまう。これが「Dの系譜」となって欧州の深層を流れることになる。

「Dの系譜」は人や血脈ではなく無意識で非言語的な考え方や行動様式の系譜。

それはヴァイキングから騎士となりテンプル騎士団から海賊となり、海賊から資本家となって現在に至る。

なんてすると、欧州の歴史を単なる年代毎の事件の積み重ねではなく、「神話から現代に続く一大潮流」として物語的に鳥瞰できる。鳥瞰した気になれる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?