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何暗さんの話

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随想的なもの、評論的なもの。 わりあい大事に書いています。
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記事一覧

ものを買うことは、身体を拡張していくことらしい

やむにやまれぬ必要性のないものを極力持ちたくない。 なおかつ、隠さないといけないような見…

何暗
4年前
4

この道は失語に至る

サンチャゴ・デ・コンポステーラにゆく道は、丘につぐ丘である。 夜は星がのぼり、昼には泉が…

何暗
4年前
2

An angel has gone

今日という日に馴れはじめてしまっている午前11時、その頃合いに、窓から飛び込んできた白い生…

何暗
5年前
3

かきつばた

五月の風が吹いて、マンションにオレンジの灯がともりはじめている。この淡いグレーの空の下の…

何暗
5年前
1

「かしら」と生きる

幼い頃は、「〜かしら」という言葉を聞く機会なんてフィクションの中でしかなかった。好きでは…

何暗
5年前
5

本を買うことは、ともに暮らす相手をえらぶこと

わたしは、ようやく今一人になったところで、一人でいるのがとても心地よい。 性欲がないわけ…

何暗
5年前
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苔に触れる

わたしは旅好きではない。 旅するならばたいがい一人旅、目当ては美術館に行ったり町並みを歩いたりすることにある。 温泉旅館でのんびり、とかはさほど。 旅館の建物というのは、特定の誰かの持続的な暮らしを想定していないからだろうか。ほんとうにただの居所といった感じで、その建物、場所と関係を持ちようがない。足を接しているだけでそこに立てない。 まぁだからこそ、自分がどこにいるか以上に、どんなふうにいるか、に焦点が当たるのだろう。誰かとあい親しむにはよいとは思うけれども、それなら別に

新元号/闘志いだきて丘に立つ

新元号が発表された。私の所感は「おそろしい」、これに尽きる。 新元号の出典は、『萬葉集』…

何暗
5年前
1

性別が人称のふりをしやがる

まったく変な話だ。 かつての恋について、ノートを書こうと思った。 書こうとして、手が止まる…

何暗
5年前
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虫と死(variation 2):花、虫、生殖

根津美術館で、同館蔵の喜多川相説作《四季草花図屏風》を一度だけ見たことがある。わたしは花…

何暗
5年前
3

虫と死(variation 1)

以下は2017年の夏に書いていたものです。虫についてはいくつか書いていたものがあって、どれも…

何暗
5年前
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