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「宇宙人はすぐそばに」SFショートショート

2025年、アメリカの航空宇宙局NASAがついに発表した。

「我々NASAは、宇宙人とコンタクトをとっている」

人々はそれを聞くと混乱した。
陰謀論者達は、それ見た事かと喜んだが、それ以外の人々は、地球が侵略されるのではないかと怯えていた。

しかし次に発表した一言で、人々は落ち着きを取り戻した。

「宇宙人は安全です。人に害を与えることはありませんし、侵略するための武力も持っていません」

人々は安心した。
自身の生活が脅かされる恐れが払拭されると、人々は期待の眼差しを向け始めた。

一体どのような宇宙人なのか。
いち早くその顔が知りたい。
人々は発表の続報や、宇宙人の写真を待った。

それからすぐ、ニュースで宇宙人が取り上げられた。

宇宙人の顔がアップで映る。

宇宙人はにこやかな顔だった。
かつ、人々が想定していた通り、銀色で人型の姿だった。

人々の想像が、現実とリンクし、
すぐさま人々は宇宙人に好感を持った。

次に、NASAの発表があった。

「この宇宙人は繁殖力があまりにも強いため、気をつけてください」

人々はそんなに言うくらいなら、すぐ目の前に現れるのではないかとワクワクした。

しかし、人々は1年経っても、宇宙人の姿を発見することはなかった。

宇宙人があまりにも小さいからである。
アリよりも小さい宇宙人だった。

宇宙人は繁殖力は高いが、その銀色が仇となり、今地球を覆うアスファルトに紛れてしまい見つかることもせず、人々も知らぬ間に踏んでいた。

宇宙人の叫ぶ声も、人々には届かず、その死体は虫達に食べられ、地球を構成する一部分になるにすぎなかった。 

もう人々の頭の中では、その宇宙人は幻のものになっていた。

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