津々木徹也

小説を書いています。執筆状況や新作予定などを発信します。

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    note内で発表した短編小説をまとめています。今後増えていく予定です。

  • 神々が現れるはずの夜

    『神々が現れるはずの夜』について書かれているnoteをまとめています。

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『神々が現れるはずの夜』とは

アマゾンKindleにて独占販売されている怪奇小説『神々が現れるはずの夜』。これは私が世に送り出した、現代日本が舞台のクトゥルフ物です。 この『神々が現れるはずの夜』を書くにあたって参考にしたクトゥルフ小説は、創始者であるH.P.ラブクラフトの作品群――創元推理文庫の「ラブクラフト全集1~6」と、ロバート・E・ハワードの「黒の碑」&「英雄コナンシリーズ(旧訳版)」のみです。それ以外の作家が書いたものは、一切参考にしていません。それどころか、読んですらおりません。 ですので

    • 【怪奇小説】『サナトリウムに』-最終回-

       町外れの山道や食堂などを転々と車で移動しながら、宇野は夜が訪れるのを待ち続けていた。ようやく陽が暮れだし、辺りが暗くなり始めると、宇野は人気の少ない場所にあるコインパーキングに車を停め、座席をリクライニングさせ、持参していた帽子を顔に被せ、顔を隠しながら寝たフリをして時間を潰した。これからやることを考えたら、なるべく雨里の住人に顔を見られたくはなかった。  田舎町の夜は静まり返るのが早い。午後十一時を過ぎる頃には、雨里の町中を往来する人はほぼ皆無となっていた。宇野は周囲に

      • 新年あけましておめでとうございます。

        新年あけましておめでとうございます。 本年もよろしくお願い致します。 現在noteにて連載中の怪奇小説『サナトリウムに』ですが、当初の予定では全5回で完結するはずでした。なのに、ちょっと説明台詞が長くなってしまったおかげで、全6回の小説になってしまいました。 というわけで、『サナトリウムに』は次の投稿が最終回となります。 それと、アルファポリスとノベルアップで連載中の『忘れられた怪談』の方も、もうクライマックスなんですが、私の執筆スピードが遅すぎて未だ書き終わっておりま

        • 【怪奇小説】『サナトリウムに』-第五回-

           前回仕事で訪れた時とは違い、今回はレンタカーを借りて宇野は雨里に来ていた。目的の地――町外れの山腹にある、雨里唯一の墓地がある磯寺に向かって車を走らせている途中に寄ったコンビニの駐車場で、宇野はスマートフォンで万里奈の名刺にあったアドレスにアクセスし、彼女のホームページを覗いてみることにした。  MARINAと大きく表示されたトップ画面に、経歴やライブラリーなどの目次が並んでいる。ライブラリーをクリックすると、彼女が撮影した数々の写真が表示された。中には自分自身を被写体と

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        『神々が現れるはずの夜』とは

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        • 神々が現れるはずの夜
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          学園ミステリー『忘れられた怪談』第53話公開中

          「アルファポリス」と「ノベルアップ+」にて連載中の学園ミステリー『忘れられた怪談』の第53話を公開しました。 「アルファポリス」はこちら。 ↓↓↓         ↓↓↓          ↓↓↓         ↓↓↓ 「ノベルアップ+」はこちら。 ↓↓↓         ↓↓↓          ↓↓↓         ↓↓↓ 【宣伝 -簡略版- 】 ナチス・ドイツ台頭の裏側で暗躍する深海からの使者――。 狂人たちの見た夢が、運められし夜に世界を覆いつくし、 百年

          学園ミステリー『忘れられた怪談』第53話公開中

          【怪奇小説】『サナトリウムに』-第四回-

          「市役所の方?」  女が聞いた。  その声で、棒立ちで気の抜けた顔をしていた宇野は我に返った。女の方に向かって歩きながらおもむろに名刺入れを取り出し、中に入れておいた名刺の中から一番状態の良い物を選んで抜き出す。それを差し出しながら、 「いいえ。市役所からリゾート開発の依頼を受けて調査に来た、リゾート会社の者です」  宇野は咄嗟に、調査の一環としてやって来た態を装った。  女は名刺を受け取り、黙って文面を眺めている。 「青い鳥・・・・・・有名なトコですね。このサナト

          【怪奇小説】『サナトリウムに』-第四回-

          学園ミステリー『忘れられた怪談』第52話公開中

          「アルファポリス」と「ノベルアップ+」にて連載中の学園ミステリー『忘れられた怪談』の第52話を公開しました。 「アルファポリス」はこちら。 ↓↓↓         ↓↓↓          ↓↓↓         ↓↓↓ 「ノベルアップ+」はこちら。 ↓↓↓         ↓↓↓          ↓↓↓         ↓↓↓ 【宣伝 -簡略版- 】 ナチス・ドイツ台頭の裏側で暗躍する深海からの使者――。 狂人たちの見た夢が、運められし夜に世界を覆いつくし、 百年

          学園ミステリー『忘れられた怪談』第52話公開中

          【怪奇小説】『サナトリウムに』-第三回-

           深い森に囲まれた誰もいない湖。  近くには舗装された車道が延びているが、往来する車の数が極端に少ないため、排気音や雑音が全くと言っていいほど聞こえてこない。  ただ静かな自然の環境音だけが木霊している湖の畔を歩きながら、宇野はこの静かな環境を壊してしまってはいけないのでは? といった感傷的な気分に次第になっていった。  湖畔を歩く宇野の目の前には広大な森が広がっている。  あの森の木々を切り倒してリゾート施設を建設する。  ・・・・・・それよりもこの大自然を活かすべき

          【怪奇小説】『サナトリウムに』-第三回-

          【怪奇小説】『サナトリウムに』-第二回-

           ホテルの部屋で一息ついたあと、宇野は再び雨里の都市部へ繰り出した。目的は役場だった。パンフレットに記載されている人魚の版画を直に見たいと、宇野は思っていた。  役場に着くなり、宇野は名刺を差し出して、自分の身分と目的を告げた。 「へえー、リゾート会社の方ですか。それはどうも御苦労さまです。それでその版画ですがね、市役所の資料課の方で保管しておるようでして、この役場には無いのですよ」  役場の職員は宇野に対して警戒する様子もなく、鷹揚で朗らかな調子で対応した。役場には宇

          【怪奇小説】『サナトリウムに』-第二回-

          学園ミステリー『忘れられた怪談』第51話公開中

          「アルファポリス」と「ノベルアップ+」にて連載中の学園ミステリー『忘れられた怪談』の第51話を公開しました。 「アルファポリス」はこちら。 ↓↓↓         ↓↓↓          ↓↓↓         ↓↓↓ 「ノベルアップ+」はこちら。 ↓↓↓         ↓↓↓          ↓↓↓         ↓↓↓ 【宣伝 -簡略版- 】 ナチス・ドイツ台頭の裏側で暗躍する深海からの使者――。 狂人たちの見た夢が、運められし夜に世界を覆いつくし、 百年

          学園ミステリー『忘れられた怪談』第51話公開中

          【怪奇小説】『サナトリウムに』-第一回-

           中部地方の内陸に位置する山間部に、竹泉市という人口三万人に満たない小さな地方都市がある。自然に囲まれ、澄んだ空気と、夏場でも涼しく過ごしやすいことから、この竹泉市を――正確には、市の北側にある雨里という地域を――全国から観光客を呼びよせる避暑地としてリゾート化する案が、市の町おこし計画として立案されたのは、お盆を控えた七月の半ば頃のことだった。  その町おこし計画は都内のリゾート開発会社に持ち込まれ、数日のミーティングを経たあと、実際に集客を見込めるリゾート地に成りうるか

          【怪奇小説】『サナトリウムに』-第一回-

          学園ミステリー『忘れられた怪談』第50話公開中

          「アルファポリス」と「ノベルアップ+」にて連載中の学園ミステリー『忘れられた怪談』の第50話を公開しました。 「アルファポリス」はこちら。 ↓↓↓         ↓↓↓          ↓↓↓         ↓↓↓ 「ノベルアップ+」はこちら。 ↓↓↓         ↓↓↓          ↓↓↓         ↓↓↓ なんと5ヵ月ぶりの投稿です。 目の調子が非常におかしくて療養のために執筆を止めていましたが、ぼちぼち執筆を再開させています。※本当にぼちぼち

          学園ミステリー『忘れられた怪談』第50話公開中

          学園ミステリー『忘れられた怪談』第49話公開中

          「アルファポリス」と「ノベルアップ+」にて連載中の学園ミステリー『忘れられた怪談』の第49話を公開しました。 2月中に公開出来るようにするぞ!と気張りながら少しずつ書いて、ようやくアップ出来る文量になりました。 「アルファポリス」はこちら。 ↓↓↓         ↓↓↓          ↓↓↓         ↓↓↓ 「ノベルアップ+」はこちら。 ↓↓↓         ↓↓↓          ↓↓↓         ↓↓↓ 【宣伝】 ナチス・ドイツ台頭の裏側

          学園ミステリー『忘れられた怪談』第49話公開中

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          新年あけましておめでとうございます。 2022年の暮れから執筆活動を抑えて体を休めていますが、何を隠そう、未だに体を休めたまま1文字も執筆していません。noteへのアクセスも久々にしました。 それというのも、腰とか肩とかの不調の方はもう治っているのですが、視力の方もおかしくなっている事に気付いてしまったわけです。文字を読んだり、書こうとすると、文字がぼやけた状態が続いてなかなか焦点が合わないという感覚に襲われ、病院で調べてもらったら、なんと右の視力が2.0、左の視力が0.

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          良いお年を

          のんびりと腰痛の療養してたら、いつの間にか年末になっていました。 療養中は毎日ぼけーと過ごしていたのですが、しばらくすると右足・右肩・右前腕部・右の指先が痺れたり痛くなったりして来て、「一体なんなんだ?」と医者に診てもらったら、単に運動不足による体のコリでした。 思えば、「神々が現れるはずの夜」のペーパーバック版を作るために、毎日10時間近くパソコンに向かって作業してた時から体に不調が出始めていたので、絶対にあの日々が原因だろうなと思っています。 そういうわけで、12月中

          未だに療養中。

          2週間ぐらい前から療養に入って、何を隠そう未だに療養中です。 ただ腰の痛みはだいぶ引いて来ているので、あと1週間ぐらい療養すれば回復するような気がします。 この療養期間中は、パソコンはほぼシャットダウン状態です。書くことはおろか、見ることもほとんどしていません。ボケーッとしながら、本を読んだり、映画を見たりして過ごしております。 もう年末が近いので、慌てずのんびりと静養しております。 では。 と言いつつ、宣伝。 【宣伝】 ナチス・ドイツ台頭の裏側で暗躍する深海からの

          未だに療養中。