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【HSPの子育て】子育ては楽しいですか?の質問には違和感がある


先日、娘の3歳児健診を終えてきました。

乳幼児検診の前には、必ず、事前に問診票を記入して提出しますよね。

その問診票で必ずいつも聞かれること。

「子育ては楽しいですか?」 はい・いいえ

この質問に私はずっと違和感を感じてきました。


まず、こんな大雑把な質問、聞く意味ありますか?ということ。

そして、はい、いいえの2択でしか答えられないこと。


子育ては楽しくてかけがえのないと感じる瞬間もあるし、それと同じくらいしんどくて辛いと感じる時もありますよね。

だからより正確に答えるなら、はいといいえの両方に丸をつけたいし、それがだめなら間の・に丸をつけてやりたい。(最後の抵抗)

このざっくりとした質問は、私の脳内ではこういうふうに聞いているように感じるのです。

「子育ては、楽しいことも辛いこともありますが、それでも子どもを産んでよかった、子どもを育てることができてよかったと思うことができていますか?もしくは子育てをしている自分の人生に満足していますか?」


だから私はこの質問に、社会からの見えないプレッシャーというか、母親への期待というか、そういうものを感じてなんとなく嫌な気持ちになるんです。(完全な被害妄想かもしれませんが。)

「いいえ」に丸をするほどでもない。

でも、自分が実生活で抱える子育ての悩みや自分のキャリアとの両立の悩みを全部無かったことにするように、手放しで「はい」に丸をつけるのは気が向かない。


いつもこの質問にぶちあたると、すぐには回答できず、ちょっと悩む、、、

でも結局私は「はい」に丸をつけます。

「いいえ」に丸をつけたら、後から問診票を確認する係の人に「なんで?」って顔されて、子育て楽しくないと感じるんですか?と返されていろいろ質問されるのは目に見えています。

でもその場ではじっくりカウンセリングする時間はないから表面的なアドバイスをもらうか、相談窓口を紹介されるだけでしょう。

私自身も、何十人も親子が来ている検診の場でシリアスな自分の内面を晒す勇気はありません、、、

「はい」に丸をつけるのは、100%正直な回答ではないけど、嘘でもない。

「はい」に丸をした方が、私にとっても、係の人にとっても、事務手続き上ラクだから。


だから公的な場ではとりあえずお役所の方々が安心できる回答をすることにしています。


私がこういう考えになったのにはきっかけがあります。

話は飛びますが、産後1ヶ月検診でのこと。

1ヶ月検診の時には、産後うつ対策として母親のメンタルに関する問診票がありました。
(エジンバラ産後うつ病質問票と呼ばれるようです)

その一番最後の質問で

「自分自身を傷つけるという考えが浮かんできた」
(  )はい、かなりしばしばそうだった
(  )時々そうだった
(  )めったになかった
(  )全くなかった

というのがありました。

私はこの質問に、「時々そうだった」と回答したんですが、それを検診でチェックされたとき、担当の助産師さんの動きが一瞬止まったのを覚えています。

助産師さんは私の出産の時も立ち会ってくれたとても優しくて感じの良い方でした。

その人がおそるおそる私に

「あ、えーと、これは、自分で傷つけちゃうのを考える感じですか?」

と、リストカットをするジェスチャーをしながら聞いてきました。

私はその助産師さんのちょっとした動揺に反応してしまい、思わず心配させまいとする返事をしてしまったんですよね。(本当はもうちょっと話を聞いて欲しかった)

「あ、いえ、そんな、手首を切るとか自分で傷つけるとかそういうのは考えたことはないです!ただ、消えちゃいたいな〜とかそういう漠然としたやつです」

私がそう返すと、助産師さんは少しほっとした顔をして、じゃあこれはこっちでもいいかな?
といって、私の書いた丸をシャシャッとペンで訂正して、

(  )全くなかった

の方に丸をつけたんです。


私はこの瞬間、言葉にできない虚しさみたいなものを感じました。

私のこの憂鬱な産後の気持ちは無かったことにされるんだと。

これ以上、この人は産後うつに関する話をする気はないんだと。


じゃあ、最初からこんなこと聞かないでほしい。

質問票で聞かれたから、悩んだけどほんの少し勇気を振り絞って私は産後憂鬱ぎみですと打ち明けたつもりだったのに、目の前で訂正されるなんて。

それと同時に、この質問は「全くなかった」に丸がついていないと病院側が役所に提出するときに問題でもあるんだろうかと疑心暗鬼になりました。


今思い返せば、産後1ヶ月はやっぱりうつ傾向が強かったと思います。

身体は痛い、動かない、横になりたい、なのに一日を通してぐっすり眠れる時間はない。し授乳は時間がかかる。初めての赤ちゃんで死なせないように私がしっかりしないといけないという緊張感。

あの頃は毎晩のように布団で泣いていたし、子どもを産んだことで失ったものの多さを嘆いていました。
それでもなんとか実家の両親に頼りながらなんとか乗り切りました。産後1ヶ月で自宅に戻ってワンオペするのが怖すぎて、結局3ヶ月も実家に帰っていました。

なのでその1ヶ月検診以来、私は育児に関しての公的なケア(特にメンタル面)への信頼がほとんどなくなってしまったんですよね。



話が戻りますが、

産後すぐにそんな経験をしたので、今回の3歳児健診も、「いいえ」に丸をしたところで大したケアは受けられないだろうという諦めのような気持ちもありました。



そんなひねくれた考えをしているこの私ですが、ある大学教授の執筆した、私の気持ちを代弁してくれているような記事を見つけたので、載せます!

甲南大学教授の高石恭子先生という方です。


リンクからコラム全文を読むことができるので興味あるかたは読んでみてください。


「子育ては楽しいですか?」

この質問は、育児真っ只中のときじゃなく、20年後とか、子供が成人してひとり立ちして人生を振り返る時期になってから聞いてほしい質問です。



今日のもやもやは以上です。

ここで話せて少しスッキリしました。


最後まで読んでいただきありがとうございました。

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