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米国 6月ミシガン大消費者態度指数【速報値】

6月のミシガン大学消費者態度指数(速報値)は、インフレ懸念が過去最高を記録したため、過去最低の水準に急落しました。しかし、コンファレンスボード消費者信頼感指数は、まったく異なる状況を示しています。
何を尋ね、どのように回答を重み付けするかによって、まったく異なる結果が得られる可能性があり、人々が言うことと人々が行うことはまったく異なるということを覚えておくことが重要です。

消費者心理の急落がスタグフレーション懸念を浮き彫りにする

6月のミシガン大学消費者態度指数(速報値)は、予想以上の低下を示しています。6月の総合指数は、市場が予想していた58.1を大きく下回り、5月確報値の58.4から50.2という過去最低の水準まで落ち込んでいます。
期待指数(55.2→46.8)と現状指数(63.3→55.4)は共に急落し、1年先のインフレ期待値は5.3%から5.4%に、5年先のインフレ期待値は3%から3.3%に上昇しています。

これは、家計がスタグフレーションを警戒していることを示唆しており、連邦準備制度理事会(FRB)にとって最悪の組み合わせでかもしれません。
インフレ率の上昇によって支出力が圧迫され、家計にダメージが及んでいます。今後5年間、所得の伸びがインフレ率を上回ると考えている家計はわずか30.8%で、また、退職後の生活をどの程度快適に過ごせるかについても、悲観的な見方が広がっています。これは、これまでの株式市場の下落を反映していると考えられます。
興味深いことに、この調査では、人々は金利の上昇を特に心配していないことが示されています。
最も警戒しているのは、ガソリン価格の上昇であり、これが家計へのダメージを与えていることが示唆されています。

しかし、今回のミシガン大消費者態度指数の結果について、それほど悲観的になる必要も無いとは思われます。
下のグラフは、ミシガン大学のセンチメント指標とコンファレンスボードの指標の間の乖離を示しています。

センチメント調査は必ずしも一致しない

ここで重要なのは、何を質問し、その回答にどのような重み付けをするかで、状況が変わってくるということです。
ミシガン大学の調査では、インフレと生活費のダイナミクスをより重視しているのに対し、コンファレンスボードの調査では、人々が雇用市場と名目所得をどのように見ているかをより重視しているため、このような指数の違いが生じてきます。

どちらの調査も個人消費とは、現時点ではあまり関係がなく、消費はすでに発表された4月のデータに基づいて第2四半期に急増し、5月と6月初旬には小売とレクリエーションに関する強い人の移動データが継続的に発表されています。

センチメント系の指標は、それ単体で判断するのではなく、複数の指標と照らし併せて判断することが大切です。

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