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子供の「らしさ」を育む方法(残りの②~⑤)

昨今「個性」や「自分らしさ」というと、ちょっと肩肘張っちゃっているようなイメージありませんか?

「他人と同じであることは許さない」「他人の意見を聞き入れるなんて『負けだ』」みたいな。

私が思うに「個性」とか「自分らしさ」って「他人との差別化」「他人にないもの」ではなくて、「自分の強み」「自分の好きなこと」「自分の得意なこと」…そうそう、前回お話しした「主体的」なことにフォーカスすべきなのではないかと。

②「教える」のではなく「調べさせる」

教えた方が早いという話もありますが、私は子供たちに「まず調べてみて分からなかったらお父さんお母さんに聞きなさい」と指示をしてきました。
調べる方法はネットや電子辞書ではなく紙媒体の辞書、事典、図鑑などです。
なぜネットや電子辞書ではないかというと、これらを使ってしまうとそのテーマの答えに寄り道せずパッとたどり着いちゃうんです。
皆さんも経験がありませんか…辞書である言葉を調べようとパラパラめくっているうちに違う言葉が目に入り「へぇ~、この言葉の本当の意味ってこういうことだったのか」って寄り道しちゃったこと。

図鑑も昔は子供が生まれると一式お祖父ちゃんお祖母ちゃんが買い揃えてくれるご家庭も多かったですが、私は興味を持ったものを買い足していくことをお勧めします。これには2つの理由があります。

1つ目の理由は、たとえ1、2年でも情報が古くなってしまうと勿体ないので興味を持った時点で最新の情報の図鑑を買った方がいいと思うこと。
もう1つの理由は子供たち自身にどの図鑑がよいか選ばせてあげることで図鑑に対する愛着がわくということです。
子供向けの図鑑の主な出版元といえば小学舘と学研になりますが、ウチの子供たちが持っているのは両社バラバラです。ものによっては大きなものではなくポケット判だったり、分野によっては子供向けの図鑑ではなく専門的な図鑑を持っているものもあります。
我が家の子供に買ってあげた図鑑は電車、乗り物、恐竜、植物、動物、アンパンマン、トーマスなど、どこの子供も興味が持ちそうなものから、きのこや山菜の図鑑まで多岐にわたっていました。

③「目指す」のではなく「憧れさせる」

自分もそうでしたが子供って男の子ならスーパー戦隊や仮面ライダー、女の子ならプリキュアなどヒーローものの真似って誰もが通ってくる道ですよね。

しかもあのヒーローたちになりきっている時の子供たちの真剣な顔、集中力はスゴいですよね。しかも誰から強制されたものでもない。

武道の修業の段階を表した言葉「守破離」(しゅ・は・り)。
「守」は、教えてくれる先生に憧れてまずは先生の技術をとことん真似てみる。子供たちならお父さん、お母さんに憧れて真似てみる。

でも、先生、お父さん、お母さんとは経験も知識も体格も運動神経など全てが違うから自分に合わせた、自分でやりやすいようにアレンジするそれが「破」。
もうこの辺りから「らしさ」がではじめるのかもしれません。

それがいつの間にか先生から教わったスタイルとは異なったものになっていく…それが「離」。


私はエレキギターを弾くのが好きなのですが、70~90年代の国内外のハードロックバンド…ディープ・パープル、レッド・ツェッペリンからヴァン・ヘイレンやレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのギタープレイヤー…のいわゆるギターヒーローたちはとんでもない個性の塊でした。
でも彼らはギターを弾き始めたときから勝手に弾き始めたのではなく、自分達の憧れのギターヒーローのギタープレイをコピーするところから始めたのです。

「一度もやったことがないこと、いったことがないこと、考えたことがないことをアドリブではできない。」

子供たちが臨機応変に対応できるようになるには、色んなことを真似させて色んなことを経験させて、アドリブのネタを沢山持たせること。

そのためにはお父さん、お母さんは子供たちの物真似の対象にならなければならない。つまりは子供たちの憧れの存在、カッコいい存在にならなければならないのです。

これは容姿の問題ではありません。立ち振舞い、雰囲気、存在が「カッコいい」ということです。

④「昔やったことを話す」のではなく「今やってるところを見せる」

私は今でも子供たちの前で勉強をします。仕事に関することはだいぶ少なくなりましたが、趣味に関すること、関心事の勉強はよくしています。本を読んだり、YouTubeを観たり、音声コンテンツを聴いたり。
人は生きている間は常に学び続けるのが当たり前だという姿をただ見せていれば、子供たちは学びを欲するようになりますし、人は暇な間は常にゲームをし続けるのが当たり前だという姿をただ見せていれば、子供たちはゲームを欲するようになるわけです(ゲームがいけないといっているわけではありません。メリハリが必要なんです。)

⑤「思う」のではなく「動く」

ブルース・リーの映画の中の「Don't think,Feel!」(考えるな、感じろ!)というセリフは有名ですが、「Don't think,Do!」(考えるな、やれ!)といったところでしょうか。

私は子供たちに「考えていてやらないのは結果的には考えてないのと一緒」とよくいいます。
この場合の「考えていてやらない」というのは「考えたことを実行に移さない」ということだけでなく、「考えたことを言葉にして伝えない」ことも含まれます。

子供が自分で考えていること、悩んでいることを親にすら話すことができない…この状況を生んでしまうのが一番怖いことです。

なんでも話してもらうには親もなんでも話す。そうすると子供もなんでも話す。家族の1日のできごとを聞く時間、話す時間を家族の中の習慣として作りたいものです。我が家は夜の食卓がその時間です。


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