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農業・漁業の技術

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2024年2月の記事一覧

クエタマの陸上養殖

クエタマの陸上養殖

岡山理科大学は、人工海水「好適環境水」 を使い2023年3月末に都農町に完成した7.4トン水槽×2基の実証用養殖プラントにおいて、高級魚として好まれている『クエタマ』の完全閉鎖陸上養殖に成功した。

今回、試験飼育に携わった飼育員は養殖経験が全くなかったが、養殖経験のない飼育員でも現地で不安なく養殖作業に取り組めるように、魚の生育に対して影響を与える水質項目等の環境状況・魚の生育状況をデータ化され

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火星で樹木を育てる

火星で樹木を育てる

火星で樹木を育てて森を造ろう――。宇宙飛行士で京都大学特定教授の土井隆雄さんたちが、そんな目標をかかげて実験に取り組んでいる。地球に比べて大気が薄い火星で樹木を育て、建物や人工衛星などの材料として利用しようというものだ。火星や月のような地球の外の天体で、資源を育てる試みとして注目される。

実験室には高さ50センチメートルほどの透明なチューブが設置され、内部でポプラの木が育てられていた。チューブ内

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下水からリンを回収

下水からリンを回収

リンは肥料の主要な資源である。日本は肥料のほぼ全量を中国やモロッコなどからの輸入に依存しているが、中国などの輸入規制で近年、国内価格が不安定になり、安定した調達先が求められていた

東京都は、江東区にある砂町水再生センターのリン回収・肥料化施設を今年1月から稼働し始めた。

リン回収プラントは、下水処理の過程でリンと結合しやすい吸着剤(リン酸カルシウム)を混ぜて、吸着、沈殿させるという仕組みで、比

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底引網漁の弊害

底引網漁の弊害

底引き網漁とは、海底で重い網を引きずる漁法で、海の生きものや海洋生態系に著しい悪影響を及ぼすことがわかっている。にもかかわらず、世界の漁獲量の4分の1以上は、まだこの漁法による。さらに、1月18日付けで学術誌「Frontiers in Marine Science」で発表された論文によると、底引き網漁によって大気中に排出される二酸化炭素の量は、最大で毎年3億7000万トンになるという。底引き網漁は

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光るコチョウラン

一見何の変哲もない白いコチョウラン。しかし辺りを暗くしてブラックライトを浴びると、花弁などが黄緑色に輝く。千葉大学の研究チームは海洋プランクトンから取り出した蛍光するたんぱく質の遺伝子を花に導入し、暗がりでも植物観賞を楽しめるようにした。

『参考資料』

https://www.chiba-u.ac.jp/news/contribution/_27_2024.html