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【医療機器の歴史】心臓への電気刺激とペースメーカ

心臓ペースメーカの歴史の原点はどこに置くのか、明確にするのは難しい。というのは、心臓ペースメーカーそのものよりずっと昔から、心臓に電気刺激を与えれば仮死者が生き返った例が伝えられている。しかも、心臓が電気で動いていることを証明したアイントーフェンの発見より、さらに前の時代から、電気刺激法があったことがわかっている。

古い例の一例として、1874年にロンドンで発刊された「仮死者の蘇生に関する評論」という報告書にこのような記録が残っている。「誤って窓から落下した3歳児が心停止となり、この患者に対してライデン瓶に蓄積した電気で刺激して蘇生させた。」
 
図はこの時に使用された装置で、ライデン瓶からの電気を電極に導き、胸の上から心臓を刺激したというものである。1874年といえば、ガルバーニのカエルの実験からわずか3年後の出来事である。
 
『参考資料』
医療機器の歴史 久保田博南 著
 

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