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Black Box

書名:Black Box
著者: 伊藤 詩織
出版社:文藝春秋
発行日:2017年10月18日
読了日:2019年12月29日
ページ数:256ページ
12月 :11冊目
年累計:126冊目

先日、民事裁判で伊藤さんの勝訴が決まった記事を書きました。

この本が出版されたのは2017年なので2年前になる。
今回、民事訴訟で勝訴された事を受けて
読んでみる事にしました。

真実を知っているのは当事者の2人しかいない。
そして主張が食い違うという事は
どちらかが嘘を話しているという事。

私はこの本を読んで
伊藤さんは真実を話していると判断しました。
人によっては客観性がないとか
一方だけの主張で決めるのは良くない
と反論される方もいるとは思う。
それも一つの意見であって良いとは思う。

あくまで私は彼女が真実を話していると思う
そういうスタンスで以降、書きます。

彼女は学生時代から行動的/アクティブで好奇心旺盛。
そんな生い立ちだった事が良くわかる。
それでも被害を告白して、実名で訴える。
今後、こうした被害者が出て欲しくない
そういう強い想いを感じました。

そして万が一起こってしまった場合に
警察にすぐ通報するとか、救急外来に行き
即座にレイプキットで検査して証拠を抑えるとか
対応も書かれています。
※実際被害に遭ったら気が動転してそれどこじゃないと思うので
 信頼できる方に連絡を取り、サポートしてもらうのが一番です。
 それすらも辛くて打ち明けられないとは思いますが…。

まず、レイプは殺人に匹敵する犯罪である事。
魂の殺人とも言われるレイプ。

警察も思い通りに動いてくれない
何度も被害体験を話さなければいけない
そんなセカンドレイプも被害者を二重に苦しめる要因である。

被害自体は勿論、それを訴えて被害届を出して
警察に動いて捜査してもらい、検察に起訴してもらう
そして裁判で争う。
こんなに大変な事はないと思う。
ここまで被害者が自分で動かないと日本の司法は
動いてくれないのだろうか?

それにレイプを法的に立証するためには
さらに高いハードルがある。

強姦罪(強制性交等罪)の争点が
・行為があったか
・合意があったか
を立証しなければならない。

この合意があったかという曖昧な表現。
拒否の意思が被疑者に明確に伝わっていれば
それは合意とはみなされないが
ストックホルムのレイプセンターの調査によると
70%の例ぷ被害者が被害に遭っている最中に
体を動かす事ができなくなる、拒否できなくなるそうです。

そういう調査結果もある中で
拒否の意思を示さなかった=合意
というのは無理があると思う。

つまり、心で感じている事は考慮されない。

準強制性交等は「心神喪失や抵抗ができないことに乗じて行為に及ぶ事」
強制性交等は「暴行・脅迫を用いて行為に及ぶ事」

正直、やってる事は同じなのに
分ける必要もないと思う。
全て重い刑罰を与えるべき。

それにこの国は政治・司法・メディアと
色々と問題が山積していると感じた。
正直、インターネットの世界の方が
事実が歪められる事なく、選別される事もなく
報道されてるのではないか?と思うこの頃。

伊藤さんが声をあげて闘ってきた事は
勇気がある事だと思うし
今後の活動を応援していきたいと思います。

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