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「何者か」になりたかった女子大生が、長期インターンを通して自分のことを好きになれた話

ドン、と、誰かの肩が当たって、足元がぐらついた。
地下鉄の小さな揺れのテンポから外れた自分の体は、朝の気怠さと静寂が支配する空間そのものからポンと押し出されてしまったようだ。そのとたん、通勤ラッシュには似つかわしくない女がよろけたことを誰かに笑われている気がして、急に恥ずかしくなる__


はじめまして!大学4年生の比留間といいます。
テクロでは大学2年の2月から、約2年ほど長期インターンをしています。現在は東北に住んでいて、4月からは就職で関東に行く予定です。

(本編とは関係ありませんが、タイトルにも入っているので、書き出しは朝井リョウさんの『何者』を意識してみました。)

もうすぐテクロからは卒業という形になるので、今回のnoteでは、私がテクロでインターンを始めたきっかけや、その経験から得られたことについて話そうと思います。

約7000字と少し長くなりますが、お付き合いいただけますと幸いです。


焦燥に駆られる日々

私という人間について

テクロとの出会いの前に、私がどんな人間か、テクロに入る前はどんなことを感じていたのか、少しお話させていただきます。

私は自分のことを、「60点台の人間」だと思っています。
ある程度の器用さを持ち合わせていて、何をやらせても、だいたい平均よりは上手くできます(ただし運動は除きます。私は本当に運動音痴なのです)。しかし、何かの分野で突出できるかといえばそうではなく、特徴のない人間です。

趣味も、“激ハマりしている”ものがある訳ではありません。
カフェ巡りと、漫画・アニメが好きで。人並みに旅行やドライブも好きだし、流行りの音楽も一通り聞いてみる。好きな曲調はあるけれど、ライブに行ったり全曲聴くほど好きなアーティストはいない。我ながらつまらない人間・典型的な大学生だな〜と思います。

度々ある自己紹介の機会には、「小学生の時からずっと野球をやってきた」「このアイドルが好きで、バイト代は遠征費とグッズ費に消えている」「来年海外留学に行って、こんなことを学びたい」と話す友人たちを見ては眩しいなと思いつつ、せめて “コミュニケーション能力が高い人” として認識してもらえるよう、必死に場を回したりなどしていました。
そのためか、何かに没頭している人に異様に惹かれていたように思います。

高校までは“勉強が出来る人”としてアイデンティティを保ってたのに、大学では勉強ができるのなんて当然で、何か別の自分を表す代名詞が必要になります。

私は体系維持のために毎日宅トレをしたり、高校時代の恩師がきっかけで毎日日記をつけていました。周りの人は「努力家だ」「毎日続けられるなんてすごい」と褒めてくれますが、習慣化した今となっては “やらない方が気持ち悪い” のであり、努力家と言われても自分より上の人間はいくらでもいる。と、その代名詞を素直に受け取ることはできませんでした。

コロナ禍で失われた大学生活

また、私が大学に入学したのは2020年の4月。
ちょうど日本でもコロナが流行し始めた時期でした。そのため、入学式はおろか、サークルや部活動の新歓活動もありませんでした。全面オンライン授業でサークルや部活動は対面での活動が禁止されていたころもあり、前期は実家にいたままの同級生も多かったです。

色々なサークルの新歓をまわって同期や先輩たちと知り合い、夏はサークルで合宿、授業では素敵な他学部生と知り合って恋に落ちる…なんて、思い描いていたキャンパスライフは実現しませんでした。

現実はオンライン授業のため1限ギリギリに起き、パソコンの前に座って一日を過ごし、オンラインの新歓で知り合った友達と時々ランチに行くぐらいのものです。

それでも、Instagramで知り合った同大学の人と交流の輪を広げたり、観光地に人が少ないことを利用して旅行したりと、コロナ禍の大学生としてはなんだかんだ楽しく活動していた方ではあったと思います。

しかし次第に、「せっかく人生で一番自由な時間を、誰でもできる遊びやバイトに使ってだらだらと過ごしてもいいのか?」と疑問に思うようになりました。

私は就活にも早くから意識を向けていたので、「コロナで留学にも行けないし、部活に入っているわけでもない。誇れるような特技もない。このままだと就活でガクチカとして話せる内容なんて何もない!」と、1年生の終わり頃に、急に焦るようになりました。

同時に、それなりの日々を過ごす中で薄れていた“60点台の人間”である自分に対するコンプレックス、そしてそんな自分を変えなければという思いも、徐々に復活してきました。

テクロにジョインしたきっかけ

長期インターンという未知なる挑戦

このように、日常に焦りを感じていた私ですが、大学2年生に進級する時に転機が訪れました。知り合いの社会人の方に、設計会社での長期インターンを紹介していただいたのです。

内容としては、その会社が運営するレンタルスペースでの接客や施設管理の他、街づくり系のイベントやお仕事に参加できるというものでした。

長期インターンという耳慣れない単語に、「他の大学生が中々経験できないことだし、自分の殻を破るいい機会かもしれない!」と思い、応募することに決めました。無事に採用してもらい、しばらくはレンタルスペースでの仕事をメインに行っていました。

入社して少し経った頃、会社が懇意にしている商店街のInstagramの立ち上げ〜運用に、3か月ほど機会をいただきました。

若い世代の社員がいないこともあり、社内にSNS運用のノウハウはなく、私も本格的な運用はまったくの未経験でした。他のアカウントの見よう見まねでやってみたものの、中々フォロワーは増えず、大した成果は挙げられませんでした。
それでもInstagramを見て商店街を訪れた方が現れたりと、会社や商店街の人は喜んでくれたものの、自分的には納得のいかない結果に終わりました。

その悔しさから、短期のWebスクールを受講したり、マーケティングの本を買ってみたりと勉強に励みました。そして次第に、「もっとビジネスで使えるようなマーケティングを学びたい。そのために、基礎から学べて実践できる場所が欲しい」と思うようになっていったのです。

Twitterでの出会い

そのような経緯から、マーケティングを学び、実践できる場所を求めて、専用のアプリやサイトでマーケティング職の長期インターンを探し始めました。

しかし、東京のオフィスへの出社前提の募集が多く、東北地方に住んでいる私には条件が厳しいものばかりでした。時折リモートの求人もありましたが、自分の求めている長期インターン像とは異なるものでした。

やはり地方にいる以上は難しいのだろうか、と半ば諦めムードになりながら、X(当時はTwitter)でも長期インターンの募集がないか探してみました。そこで、当時のテクロのCMOによるインターン生募集の投稿を見つけたのです。

BtoBマーケティングの戦略立案〜実行まで一気通貫して行うことができます。CMO直下で業務を行っていただくため裁量権の大きい仕事をお願いすることになります。

Twitterで見つけた際は、この文(と、フルリモートで働けるというところ)に強く惹かれ、「自分が求めていたインターンはこれだ!」と思いました。

しかし、業務内容や条件など詳細がまとめてあるnoteを見たところ、求める人物像や業務内容など、正直ハードルが高く萎縮してしまいました。浮足立った心が徐々に沈んでいき、自分には分不相応だと感じてしまい、その日は応募するのをやめてしまいます。

仕方なく他の求人を見ていたものの、どうしてもテクロのインターンのことが気になって仕方ありませんでした。そして2日間の葛藤の末、「どうせ力不足なら採用されないだけだし、やるだけやってみよう!」と開き直ることができ、ようやく応募フォームを送信しました。

当初は9割方落ちるだろうと思っていましたが、書類と3回の面接選考の末、なんと長期インターン生として採用してもらうことができたのです。

この2年間を振り返って

担当した業務について

テクロに入社して最初に担当した業務は、YouTubeチャンネルの立ち上げと運用でした。

企画、動画の構成、編集、サムネ作りまで一通りやらせてもらいましたが、ここでは思うような成果を出すことができず。立ち上げの段階ということで、KPIには投稿本数を置いていたので達成はできていたものの、実際の集客にはつながっていないのにお給料を貰うことに対する罪悪感がありました。

その後、費用対効果を考えてYouTubeは一旦停止することにしました。今振り返ると、第一にエンタメ性が足りなかったなと思います。内容もウェビナーやホワイトペーパー寄りで、出演者も楽しいとは思えていなかったのが、真っ先に改善するべき点でしたね。

YouTubeの次は、リスティング広告を担当させてもらいました。

良い部分も悪い部分も目に見える形で結果が出て、それを改善していくのが楽しかったです。同時期にインサイドセールスも体験し、リスティング広告経由でコンバージョンした人には自分で架電していました。広告経由のリードがアポイントになり、さらに受注までした時には、言葉にしがたい嬉しさと達成感がありました

入社して9か月くらい経ったところで、次第に広報・PRまわりの仕事を任せてもらうようになりました。今までとは違い、やるべきことを自分で考え、それを提案し、実行に移すことが求められるようになりました。

細々とした業務も多いため詳細は省きますが、はじめてリリースを出した時や寄稿が掲載された時は、とても誇らしい気持ちになりました。広報という仕事柄、社内だけでなく社外の人と多くやり取りをしたのも良い経験になったなと感じます。

昨年の4月には、オフラインの展示会を主導するという大事な役割も任せてもらいました。その時のnoteは別で書いているので、併せて読んでいただけたら嬉しいです。
【BtoBマーケター必見】学生インターンの私が、1から展示会運営を行った話|テクロnote 

…ところで、皆さんも薄々感じているかと思いますが、このテクロという会社、インターン生に裁量を与えすぎではないでしょうか!(笑)私も最初は、「こんなことインターン生が担当していいのか?」と不安になっていました。

といっても、無茶な目標を強要するのではなく、本人の意思や伸ばしたいスキルを聞いて、叶えられる範囲で挑戦させてくれる会社です。本当に貴重で多様な経験を積ませてもらいました。

インターンを通して得られたもの

そんなテクロでの経験から私が何を得られたのかについて、具体的に書いていきます。マーケティングやビジネススキル的なところは大体想像がつくと思うので、ここでは割愛しますが、主に次の3つです。

➀「何かに夢中になる体験」ができた
②考え方や経験が就活で活きた
➂自己肯定感が高まった

1つ目に、「何かに夢中になる体験」を得ることができました。

私の大学生活は、テクロでのインターンが大きなウエイトを占めていました。特に大学4年生の時は、自由に使える時間が多かったのもあり、週の半分くらいはテクロに使っていたと思います。

周りの友人たちはバイトに行くのがめんどくさいと言っていましたが、私はむしろ、仕事をするのが楽しかったです。テクロの業務に活かそうと、マーケティングや広報関連の資格もいくつか取得しました。このnoteの最初の方で、“何かに没頭している人に異様に惹かれていた”と書きましたが、いつの間にか自分にも没頭できるものができていたのです。

2つ目に、インターンで得た考え方や経験が就職活動で活かされました。

例えば、グループワークでは消費者的な目線を忘れず、「それって本当に必要?」を問いかけられる力を評価されました。OB訪問では、メールでのやり取りや調整力がまるで社会人と接しているようだ、と褒めていただきました。そしてこれらの力は、確実に今後の社会人生活でも活きていくものです。

そして3つ目に、自己肯定感が高まり、自分のことを好きになることができました。

自ら考え、行動し、それが成功につながった、あるいは失敗してもそこから改善できたという経験が、私に大きな自信をくれました。また、同世代では中々できないような経験もさせてもらえて、その中で、難しいことでも努力し続けられる自分のことを段々と好きになっていけました。

インターンをしている中で、会社の役に立てているのか不安になって思い悩むことも、実は何度かありました。
しかし、自分が尊敬している人たちに「こんなところがすごい」と褒めてもらえたり、正社員としてテクロに入社してほしいと言ってもらえたりしたことで、「自分は自分が思っているよりもすごい!だから胸を張っていいんだ!」と思えるようになりました。

今では、60点台の人間だとか、夢中になっているものがないつまらない人間だとか、そんなことを自分に対して思うことはなくなりました。

自分を好きになるということ

話は変わりますが、先日、所属するサークルで追いコン(卒業生を送り出すイベント)がありました。その時後輩に、「自信を持ってキラキラしていて、ずっとすごい人だなぁと思って憧れていました」と言ってもらえました。

何とかして存在意義を発揮しなければと焦っていたころから、自然体でもこんな風に思ってくれる人ができるようになるなんて、自分でも大きく変わったなと感じます。

昔は他人と比べて落ち込むことが多くありましたが、世の中大抵のことは努力で何とかできますし、変わりたいと本気で思って行動に移せば何かしらの変化を生むことはできます。

憧れの人を真似してみたり、あるいは、理想の自分を設定してそこに向けて努力してみたり。時には、少し無理してでも“こうありたい自分”を演じてみることも必要だと思います。最初は演技だとしても、それを続けることで、いつかそれが本当の自分なのでは?と思えるようになるのです。自分を騙すくらいの気概で続けることが大切です。

そうして自分なりに努力して、その努力を自分自身で認めてあげて、そして他人からも認めてもらうことで、はじめて自分自身を少しだけ好きになれるのだと思います。自分を好きになるというのは、その積み重ねです。

私にとってテクロは、“努力できる環境”と“認めてくれる存在”のどちらをも与えてくれた場所でした。

今後について

そこまで大事な場所なら、テクロに新卒で入社するの?と思われた方もいるかもしれませんが、ひとまずはテクロではなく、違う会社に入社する予定です。

法人向けがメインで、Webマーケティングにもここ数年で力を入れ始めた会社です。この会社でWebマーケティングの第一人者になることを目標に頑張りたいです。

テクロで働くまで、BtoBとBtoCで何が変わるのかすらわかっていなかった私は、就職活動をはじめた当初、toCのマーケティングがしたいとぼんやり思っていました。しかし、テクロでの経験を経て、自分のやりたいこと、そして自分に向いていることがわかるようになり、この決断に至りました。

テクロという第二の故郷

テクロで正社員になる、というのも勿論選択肢にありましたが、このまま流れで就職してしまっても、居心地の良さに流されて十分な成長ができないような気がしました。新卒では全く違う会社で揉まれて、そこでスキルをつけて、テクロにも還元したいと思っています。

しばらくは新しい会社に慣れるのに必死だとは思いますが、テクロには業務委託という形でこれからも関わり続ける予定です。(それも考えて、副業を推奨している会社を選びました。)

それくらい、テクロは自分にとって大事な場所だし、いつでも帰ってきていいよと迎え入れてくれるような、第二の故郷だと思っています。

このnoteを通して、皆さんにテクロの魅力が伝わったり、現状に閉塞感を抱えた人に動き出すきっかけを与えたりすることがあったら、とても嬉しいです。

拙い文章ではありましたが、最後まで読んでくださって本当にありがとうございました。


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