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富山湾の味覚を食べ尽くす旅

結論:天然の生け簀と呼ばれる富山湾。冬はブリ、春はホタルイカ、シロエビが旬を迎える。


富山湾は天然の生簀と呼ばれており、紅ズワイガニ、甘エビ、岩牡蠣、クロマグロ、タラなど、キトキト(富山弁で活きが良い、新鮮)な魚に出会えます。

今回は、富山湾の代表的な海の幸を味わった話を書きます。

富山湾

天然の生け簀と呼ばれています。大陸棚が狭く、海岸から離れると谷のように一気に深くなります。プランクトンなど栄養も谷に流れこみます。最支部は1200m。300mより深いところに冷たい深層水があり、表層に暖かい対馬海流が流れます。そのため、暖かい場所にすむ魚と冷たい場所にすむ魚が同居しています。深いところに向けて栄養分が流れてプランクトンが増殖、餌とする魚がたくさん集まります。

富山湾名物の魚介類

ブリ

ブリは、成長によって名前が変わる出世魚で縁起がよいとされています。80cmを超えて初めてブリと呼ぶことができます。10〜30cmの小さいものは関西ではツバス、ヤズ、関東ではワカナゴ、ワカシと呼ばれています。関西では40〜60cmのものをハマチ、関東ではイナダと言います。ちなみに、ハマチは関東では大きさ問わず養殖のもの全般をハマチといいます。60cm~80cmは関西ではメジロ、関東ではワラサと呼ばれます。東北地方、北陸地方、九州地方でも呼び名が変わります。

ブリは、春は九州の西側に生息しています。夏、北海道に向けて北上し、秋は北海道の日本海側で過ごし、たっぷりと栄養、脂を蓄えます。海が冷たくなってくる11月頃から、九州西部に戻るために南下します。

北海道から九州地方に向かう途中、能登半島付近でぶつかります。適度に脂が落とされ、身は適度に締まり、北陸地方の辺りでちょうどいい体格に仕上がります。

11月中旬~12月、冬型の気圧配置が強まり、海上は嵐のように風が吹き、海も荒れ、雷が激しく鳴り響きます。寒ブリの訪れを告げる鰤おろしです。鰤おろしが境に、佐渡島周辺や富山湾、能登半島周辺など、北陸地方各地でブリがとれます。特に有名な氷見の寒ブリは定置網でとります。

ブリの料理といえば、刺身、焼き、しゃぶしゃぶ、ぶり大根などが浮かびます。今回は、コースで氷見のブリを味わいました。2024年は、寒ブリが豊漁。今回食べたブリは、12kgの大物でした。

刺身は、脂のノリは大トロ以上で、血合は歯応えを感じ、身は柔らかくの食感がことなっていました。脂身は、数回かんだだけで、とろけました。

エラの周り、カマの部分を焼きで味わいました。骨の周りについた身は、鶏肉のような食感と噛むごとに旨味があふれ、ジューシーでした。

ぶり大根は、味の染みた大根、噛みしめるごとに旨味がにじみ出てジューシーなブリがおいしいです。あっという間になくなりました。

北のタラ、東のアンコウ、西のフグ、北陸のブリと呼んでもいいです。

ブリ+αの刺身。手前はエンガワ、左奥から右に向かってブリ、ブリの脂身部分、サワラ
ブリカマの塩焼
ぶり大根

ホタルイカ

ホタルイカは、体長4〜7cmの小ぶりなイカで、脚、皮膚、目に約1000個もの発光器を持ち、ホタルのように光ります。産卵期の3月〜6月上旬は、夜にホタルイカの大群が富山県の海岸近くまでやってきて、青白い光を放ちます。富山湾の春の味覚で、塩ゆで、沖漬け、天婦羅、酢味噌和えなど、さまざまな調理法で味わえます。

ホタルイカの刺身(最新の冷凍技術により、鮮度を保ちつつ、寄生虫を殺し、限りなく生に近い状態で食べられます。)

ホタルイカについて、朝、ホタルイカミュージアムで生態を学び、昼はホタルイカ料理をコースで味わい、夜は富山市にある岩瀬浜でホタルイカの観察を試みました。1日かけて向き合った話は、こちらをお読みください。

シラエビ

シラエビは、富山湾の宝石と呼ばれています。7~8cmほどの大きさ、限りなく白に近く、淡いピンクをした美しい色合い。水深300mほどの深くて険しい海底谷に生息しています。春から秋にかけて旬を迎えます。市場に流通できるほど大量に捕れるのは世界中で見ても富山湾だけです。

殻ごと食べられ、刺身、昆布締め、かき揚げなどさまざまな調理法で食べられます。殻ごと閉じ込めた白えびせんべいは、富山県の有名なお土産です。かき揚げをバンズで挟んだシラエビバーガーもあります。

から揚げは、殻が柔らかく、身のプリプリ感を楽しめます。刺身で食べると、より甘く感じられます。

今回は、富山湾の味覚を味わった話をしました。どれも美味しく、旬を迎えたら食べたい海の幸でした。

富山県も能登半島地震により、氷見市、高岡市、射水市など各地で被害を受けています。能登半島の付け根にある氷見市では、最長3週間もの断水の影響を受けましたが、1月19日に復旧しました。液状化現象も発生しており、道路が変形している場所もみられます。

氷見市では、漁は1月5日から行われ、道の駅ひみ番屋街、藤子不二雄Aアートコレクションなど観光施設も営業再開しています。余震の不安からか、観光客が例年より少ない状況です。

ブリは、2023年シーズンよりも良質なものが多くとれ、今は首都圏や関西地方を中心に多く出回っています。

東京に行くと、アンテナショップだけではなく、百貨店などでも能登半島地震にともなう募金が行われています。募金を通じて、まずは道路、ライフラインの復旧に貢献できれば幸いです。

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