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スクープ・ストライプ

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女子高生がランジェリーブランドを立ち上げる! 三角冬夕と松下雪綺。ふたりの女子高生が、ブランド立ち上げやクラスメイトの抱える問題に真剣にぶつかりながら奔走する青春小説(全16回)。
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【小説】 スクープ・ストライプ  vol.10

【小説】 スクープ・ストライプ  vol.10

「よくわかんないけれど、カップル成立? ていうかもともと全校生徒公認だと思うけれど。男子の冷やかしだって、つまりそういうことでしょ。ふたりのあいだに入り込めないから、外野から声をかけるんだよ。あ〜、こういう脚本書いたらいいのかな」
「なあに、メイちゃん。演劇部のためにわたしたちをダシにしようっていうの? そのために遊びに来てたの?」
 冬夕が上目遣いにメイのことをにらんで、指差す。
「いやいや、そ

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【小説】 スクープ・ストライプ  vol.11

【小説】 スクープ・ストライプ  vol.11

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「ねえ、ママ。スプスプのモデルになってもらえる?」
 乾燥機から取り出した洗濯物をたたみながら、料理中のママに大きな声で問いかける。
「モデル? 下着の? わたしが? いやよ」
「えっ、マジ」
 洋服をたたむ手が止まる。
「もちろん。だって仕事に差し支えるでしょ。紅茶のインストラクターが下着の写真を出しているなんて、クライアントが逃げちゃうわよ」
「うわー、マジか。詰んだー」
 わたしは

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【小説】 スクープ・ストライプ  vol.12

【小説】 スクープ・ストライプ  vol.12

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 撮影はわたしのママのアトリエで行われた。人物撮影用の背景のスクリーンはなかったけれど、
「レースのカーテンがあれば大丈夫」
 そう高階が言うので、それを壁いっぱいに提げる。
 エミリーに着けてもらうのは、スプスプの医療用ランジェリーでも比較的ラグジュアリー感のあるアイテム。アンティークのレースをあしらった、白地なので一見シンプルに見えるけれど、着け心地もシルエットもとても上品に仕上げて

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