ブレイキング・バッドを観て
どうも、ワイティー(@waithiii)です。
このnoteでは、『ブレイキング・バッド』を全話観た感想を書きます。
ブレイキング・バッドは、アメリカで2008年~2013年まで放送されたドラマで、プライムタイム・エミー賞という凄そうな賞を取ったらしいです。
stand.fmでお話しているので、音声でもぜひ。
1. 概要
Break Badという単語は、そもそもアメリカでも馴染みが薄いものだそうです。以下の記事によると、アメリカ南部のスラングのようで、日本語だと「法の枠を外れる」「道を踏み外す」と言った意味と言えます。
その言葉通り、主人公は道を踏み外します。
以下概要です。
2. ウォルターという男
ウォルターは不思議な男です。
なぜ冴えない高校教師だった男が道を踏み外したのでしょうか?
それは、全編を通して、彼の心に抱えるものが描かれることにより、理解することができます。
6歳の頃に父と死別し、その後は母とも疎遠となる家庭環境で育ったウォルター。学生生活は化学の研究に時間を費やします。大学院時代、彼が貢献した研究プロジェクトはノーベル賞を受賞しました。また、在学中に学友であるシュワルツと当時の彼女のグレッチェンと共に、グレイ・マター社を設立します。しかし、グレッチェンの両親に挨拶行った際、彼女が裕福な家庭であることに恐れをなし、彼女の元から逃げ出してしまいました。そして、グレイ・マター社の経営権も5000ドルで彼らに手渡しました。その後、シュワルツとグレッチェンが結ばれ、彼らはグレイ・マター社で大成功を収めます。そんな両者の成功をウォルターは事あるごとにけなすような言動をとります。
ウォルターは研究者としても優秀だったことへのプライドを持ちながらも、いつも劣等感をもちながら、世界を見つめていたのでしょう。
元々燻りながらも自分の中に留めていた虚栄心が、肺癌の発覚というトリガーで明らかになり、そこから彼の本性が浮き彫りになったということでしょう。
必死に押さえつけていた負の感情。それを抑えきれなくなったがゆえのBreak Badです。
3. ただの感想
ここからはBreaking Badを全話観てのただの感想です。
一言で言えば、スリリングでしたね。実はウォルターの義弟ハンクはDEA(麻薬取締局)で働いているので、身近に自分を捜査している状態で、ウォルターはドラッグ製造を行っていました。また、アルバカーキの麻薬王との緊張感煽るる取引やメキシコのカルテルとの抗争など、ヒヤヒヤが半端でありません。
すぐに、パートナーのジェシーを喧嘩になるのも面白かったです。ウォルター(50歳)とジェシー(20代後半)が、お互いの短所にムカついて殴り合いの喧嘩ばかりしているのが、毎回ツボでした。もうちょい仲良くしろよと何回も思いましたが、アメリカ人は激情型の方が多いんでしょうね。
妻のスカイラーも良かったですね。ウォルターが肺癌と宣告された際には、娘を授かり、不審な夫の言動を訝しがりながらも、時に泣きわめき時にウォルターにブチギレたりしながらも、妻としてそれなりに支えていました。そこから、出産後にウォルターの悪事を知ると、務めている会社の代表テッドと不倫関係へと発展します。テッドはよくこんな面倒くさそうな女に手を出すなあと思ってしまいました。
何はともあれ、最終的にウォルターは全てを失いましたね。家族の将来を守るために、ドラッグ製造に乗り出しますが、いつしかそれが自分の能力を最大限に発揮できる自己実現の手段に変わったように思います。麻薬王にも自分の能力を認められ、それを売り捌くことで大金を稼ぐことができる。わかりやすく道を踏み外してしまい、気づいた時にはもう戻れない所まで来ている。そんなウォルターも最後の最後に家族と思えるようになった存在(ジェシー)を助けるために命を投げ出します。道を踏み外した男が、最後の最後で、正しい道に戻ってくる。そんなオチまで完璧だと思いました。
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