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東南アジアで活躍し始める日本人エンジニア - その2

前回の記事の続きです。

その1では、東南アジア拠点の企業の日本人エンジニアの採用が増えているという話でした。今回は、エンジニア側の変化として、東南アジアに移住するエンジニアが増えてきているという話です。


1. エンジニア側が自由に仕事を選べるほどの需要の強さ

上のグラフは少し古いデータの引用となりますが、年々、エンジニアの求人数は増えています(出典元DODA)。近年、ビジネスをする上でITは不可避なものになってきています。また、ビジネスを新しく立ち上げるサイクルも以前と比べると速くなり、エンジニアが必要とされる場面が多くなってきました。

エンジニア獲得競争が起きるため、給与相場も上がり、企業側もエンジニアにとって魅力的に映る可能性が高いリモートワークの導入や週2-4 / 時短勤務などフレキシブルな勤務頻度・勤務形態を許可することが多くなってきました。

また、エンジニア需要の過熱化を表す象徴的な事例として、去年はTwitter転職も話題になりました。Twitter上で ハッシュタグ #hiyokonitsuduke で「転職してます!」と条件を添えて自分を売りに出すと、ものすごい量のリツイートがされ企業から大量のオファーメッセージが届くという現象が起きるほどバブリーな状況です。

このようなエンジニア重要の高まりから、求職者側が仕事を好きに選べてしまう状況、つまり、自分の望むような働き方を実現しやすい状況になってきています。


2. リモートワークの増加

エンジニア需要の高騰の結果、企業はエンジニアに魅力的な職場環境を提供するためにリモートワークを導入する企業が増えています。一方、まだリモートワークの導入などをしていない・検討している段階の企業様は生産性が下がるのでは?と懸念される方も多いです。その点に関して少し私の経験を共有します。

私自身去年開発の依頼を受けた案件は全てリモートワークでした。多くのリモートワーク案件に関わって、うまくワークするためのいくつかのコツはわかってきました。上のスライドに挙げているような点で、例えば一つ目の教育コストがかからないメンバーであるのはうまく行くための前提だと思います。

私が直接開発メンバーとして関わったプロジェクトではありませんが、去年リモートワークでうまくいかなった事例が身近にありました。今ではSlackやZoomなどのオンラインのコミュニケーションツールが充実しているものの、やはり対面でいるよりも気軽にコミュニケーションを取りに行くことの敷居は高くなります。その敷居を軽々乗り越えられる方であれば良いですが、そうでない方で教育が必要な方がリモートワークに入った場合、コミュニケーションロスが起きてしまうと仕事がうまく進まない。と言った状況が起きました。

他にもスライドに示すようなコツがいくつかあります。それらを満たした上でリモート開発チームを組めば、十分ローカルでオフラインのチームを組むのと同等の生産性を発揮できることがわかりました。実際に私の周りにはリモート開発チームメンバーを組み、メンバーの多くが海外在住者という形体で進めている方が多くいます。


3. 海外在住エンジニアの増加

最近twitterなどを見ていても、海外(欧米圏・東南アジア含め)に移住を決めるエンジニアの方が増えていると思います。理由はリモートワークの仕事が多くなったこと以外にも、上のスライドに記載している背景などがあると思います。

さらに、私が滞在している東南アジアという観点で移住者が増えている理由はもう少し具体的には以下のような点があると思います。

・ビザの取得が米国などと比べると容易
・アジア圏は海外移住の第一歩として欧米圏と比べると英語・生活の面で敷居が低い
・東南アジア企業ではスキルレベルの高い人材を国内だけでまかなえず海外から取り入れることが多い(特にシンガポールには国内にエンジニア人材が少ないため、その傾向が顕著)
・日本や欧米諸国より物価や家賃が安い国が多いので生活費を抑えることができる
・東南アジア在住のエンジニアの情報発信が増えてきている


では、東南アジアで実際に就職したエンジニアはどうやって就職先を探したのでしょうか。きっかけは現地で働く知り合いの紹介というパターンがやはり多いですが、求人サイトを利用して就職を決める人も多いようです。実際に東南アジアに移住した方が使った求人サービスとしては以下のサイトが使われていました。

・Wantedlyで海外拠点の求人を検索して応募する
https://startupjobs.asia/ を見て応募する


4. 海外在住エンジニアコミュニティの活発化

近年海外在住エンジニアのコミュニティが現地で形成されてきているのも特徴的です。

(※GAOGAOのハノイ拠点は企画段階のものを掲載してしまったため、現在ハノイに拠点を持っておりません。)

去年カナダのFrogさんもバンコクのiSaraさんも運営者とお話を聞かせていただく機会がありました。上の図で示すように、それぞれのコミュニティごとにターゲットとしてる人物像に違いはありますが、どちらも去年からコミュニティに参加したいメンバーが増えているようです。

現地にコミュニティが形成されることで、「海外移住者がコミュニティに所属する → 移住しコミュニティに参加したメンバーが情報発信する → 海外移住希望者を惹き寄せる」というサイクルで人が集まって来ています。

また、最近はドイツ・ベルリンに移住するクリエイターの方も増えているようです。あと、フィリピン・セブにも増えてきているという噂(?)もあります。

今年はもっと海外移住が増えていくのではないでしょうか、今後も在住者コミュニティの盛り上がりに期待ですね。


5. 東南アジアで活躍されているエンジニア紹介

実際に私が日頃お世話になっている現在東南アジアにてプロフェショナルな日本人ソフトウェアエンジニアとして活躍されている方達をご紹介して終わります。すみません雑ではありますが、twitterリンクのみ掲載いたします(順不同)。私がバンコクにいることが多いのでバンコク在住者多めです。

@tamanyan55, @laiso, @mizuno_takaaki, @HajimeHotta, @_takp_, @ssktm11, @cohki0305, @atsuhio, @rikuhirose, @mtfum, @hikonaz, @mito_log, @tommyfebruary17, @zen19880407, @yuta_fukunishi, @tk47_php, @masagaogaoasia, @EisukeUeta

私が普段日常的にお世話になっている方達だけでこれだけいますので、東南アジア全域には他にももっといっぱいエンジニアの方々がいるはずです...!

tamanyan55さんとlaisoさんのお二人は私(@tejitak) と定期的に バンコクキャスト というバンコク在住エンジニアが情報発信を行うpodcastを運営しています。もし興味があれば是非聞いてみてください。


まとめ

今回は私が日経新聞社様のイベントで登壇した時の話を2部構成でnoteにまとめました。

その1は、日本人エンジニアを採用する東南アジアの企業が増えてきているという話。その2は、海外に飛び出す日本人エンジニアが増えてきているという話。

近年、働き方の変化や、海外現地でのエンジニアに関する情報が増えてきたことなどからエンジニアが海外へ移住する敷居が下がってきました。東南アジアに関しては、海外はじめの一歩としてキャリアを踏み出す方も年々増えてきます。

今後もますます東南アジアを移住先と決めるエンジニアの方も増えていくと思いますので、今後の海外在住コミュニティなどの動向は要注目ですね。

最後にちょっと宣伝

GAOGAOでもガオキャリという海外就職支援のサービスを開始しました。海外在住者とキャリア相談ができるサービスです。詳しくはこちらに記載しています。興味のある方はぜひ!

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