見出し画像

決断して前に進まねばならないときに

人生には流れに乗って進んでいる時期もあれば、全く流れのない状態になる時もあります。流れのない状態とは、そこからいろいろな方向に進むことができるということですが、どこかに進むためにはしばしば大きな決断が必要です。その決断をどのように行えばよいのかを考えてみました。

私が流れのない状態に初めてなったのは、大学を休学した時です。それまでは、なんとなく中学・高校・大学と進んでいましたが、「今のままではダメだ」と思ってその選択をしました。休学後はたくさんの時間がありましたが、そこから何をすればいいのかが分からず、自由な時間の重さや、自分の人生に対する責任に苦しんだ時期でした。

「今日何食べたい?」

最近読んだ本に、次のようなシーンがありました。

研究室の学生が「先生、自分はやりたいことがないんです」と尋ねてくる時、私はよく「じゃあ、今日の昼飯は何を食べたい?」と返します。やりたいことがなくても、今日のランチに何を食べたいか、くらいの「ウォント」は誰でも持っているものです。

落合陽一「忘れる読書」

「今日の昼飯は何を食べたい?」というのは、意外と難しい問題だと思います。私が今この質問をされたとして、最適な答えが何になるのかは正直よく分かりませんでした。

「昼ごはんを何食べたいのかが分からないのに、人生でやりたいことが何なのかが分かるはずがない」そう書かれている訳ではありませんが、全くもってその通りです。

ただ、「今日のご飯は?」「なんでもいい」「なんでもいいが一番困る」という問答があるように、選択肢が無数にある問いに答えるのは本質的に難しいのだと思います。

選択肢を作り、選ぶ

先の質問を簡単にするための一つの方法は、「今日のお昼ご飯はカレーと牛丼のどちらが良い?」というように選択肢を用意し、その中で一番のものを選ぶことです。ちなみに、私は今日はカレーが食べたいです。

結局「今日のお昼ご飯は何食べたい?」に対する最適な答えが何なのかは分かりませんが、良いと感じられる選択はたくさん存在します。正直なところ、カレーでも牛丼でもどちらでもいいのです(ふりかけご飯だったら少し残念に思うかもしれませんが)。

「私のやりたいことは何か?」という問いも同じように、無数の良いと感じられる答えが存在するはずなのです。重要なのは「何をもって良いと感じられるか?」という基準です。その基準は、今までの経験を振り返ってみたり、実際にやってみることで少しずつ明らかになるのだと思います。

最終的に目的に到達することと、何かを諦めることはトレードオフなのだ。何一つ諦めないということは立ち止まっていることに等しい。

為末大「諦める力」

選択肢がいくつかあったとして、そのうちどれも選ばなければ前に進むことはできません。この事実が難しい決断を後押ししてくれるように思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?