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北海道縦断歩き旅 26日目「到達」稚内~最北端 宗谷岬

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「今日いよいよ最北端に着く」

歩き旅最後の日。

ホテルの鏡を見ると、出発前に丸坊主にした髪がだいぶ伸びていた。

せっかくのホテルなので朝はゆっくりしてから出発した。


天気は曇り、風が強く半袖だと寒い、長そでを着こむ。

拾ったクレの潤滑油もタイヤにすべて吹き付け、

要らない荷物をすべて処分した為、

カバンがすごく軽く感じ、引きずる音もほとんどないくらいになっていた。


港町を沿岸沿いに歩く。

無性にマックのポテトが食べたくてマックに立ち寄る。


歩いていると声をかけられた。

ランニングで日本縦断されている65歳の壮年で、この日最後のゴール地点 宗谷岬を目指している方だった。

この旅で歩行者で旅している人と初めて会い、一時間ほど並走して話す。


話を聞くと6年かけて夏と冬にに走ってきたらしい。

荷物は1キロ以下。軽い!!

自分のキャリーバッグの荷物をみて驚いていた。

一日平均60キロ走ってここまで来たらしい。

自分は35キロぐらいなので倍近い。


一番辛かった話を伺うと静岡でアキレス腱を痛めた時は苦労されたそうだ。


奥さんがレンタカーを借りて待っているらしく、引き留めてしまって悪いと思い、出会いの記念写真を2人で撮って別れた。


数分で蟻より小さくなるほど遠くへ消えていった。

スピードの違いを思い知る。


宗谷に向かう道は穏やかで、歩道も広くて快適だった。

稚内で借りたのであろう赤い自転車をよく見かけた。




最終日、悩んだり、考えたりしなかった。

旅の総括をしようと振り返ろうとか思ったか頭が働かなかった。


なんとなく悩み疲れた、考え疲れた、そんな感触があった。



仕事の不満や嫌な事、傷つけられた言葉、皮肉とかは最終日にもかかわらずスラッシュバックした。


SNSを久しぶりにすると、転職した同僚が成功している様子や、昔の職場の後輩が成功している事が分かった。

昔の職場の上司からお酒のお誘いなどがあり歩きながら返信を返していた。


私が旅に出る前にした最後の仕事に、ユーザーがファンアートなどを描いてくれていた。


ありがとう。


ゴールが近い事で、現実に帰える事が近くなってしまう。

空港の滑走路の前を通る

宗谷岬周辺にはコンビニがないため、

最後のセイコーマートで明日の朝までの食料を買い込む。

交通量も多く、歩いて宗谷岬に向かう人も一組みかけた。

コロナでほとんど見かけなかったが、外人も見かけた。


残り10キロぐらいのところでさっき話した壮年と再会する。

また、並走してゴールまで話をした。


さらに話を伺い。

日本縦断以外に海外でも歩かれてきたらしい。

景色はスイス、カボジア、インドネシア とかが良かったらしい。

子供は俺と同じ年らしい。



歩き旅の”道中あるある”など話した。

道端を見ている時間が長いため、ナメクジや動物の死体、ハマナスの赤い実の事などを離した。

壮年はハマナスの赤い実をかじって味見したらしく種が多くて食べられないと話していた。



雲が薄まり、利尻富士の輪郭が遠くからも見える。


話しながら宗谷岬にいったら感動しないのではないか、

内心ハラハラし始めていた。

カーブを細々曲がっても宗谷岬はなかなか顔を見せず、

ゆるく曲がったカーブの先に宗谷岬がヌルっと顔を出した。

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やはり話していたせいか、感動しなかった。

壮年は私と違い6年かけた旅の最後だけあり、

両手を大きく挙げて「やった」とつぶやいて喜んだ。


壮年の奥さんが車から出てきて、一緒に岬へ行った。

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岬は行列ができていて並んだ。


後ろにも次々と並んで10組は並んでいたと思う。


自分一人では自分を撮影できないので、

壮年に写真を撮ってもらう。


私も二人の写真を撮って。

壮年夫婦とは別れた。


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バス停でひとりになり、余韻に浸る。

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バス停の中のノートには「コロナに負けるな!」と書かれていた。




最後は野宿したいと思っていて、公園を様子見するが、強風と人の多さでとてもテントを張る気になれなかった。


お店はコロナのせいかどこも営業していなかったが、玄関のライトが灯っている民宿があり宿泊をお願いする。

すると食事は付けられないが素泊まりで了承して貰えた。

なんでも北海道の距離感が分からないドライバーが多く、度々宗谷までたどり着けずにキャンセルするお客がいるのだという。


ハキハキしていて、いい女将さんだった。

身なりを見て歩き旅だとすぐに気が付いて、寒くないか色々話しかけてくれた。

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民宿で荷物をおいて、宗谷岬をもう一度見に行った。

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岬は混んでいるので、少し距離を置いた所に座り込み、用意していたビールを飲む。


風が強くて寒いので、あまり長居せずに民宿に戻る。



民宿の風呂にはいったが、泊まってきた民宿の中でも広くてとても綺麗だった。

お風呂を上がると、女将さんが宗谷岬のお店がほとんど営業しておらず、食事を心配して、大きなおにぎりをくれた。

食事はセイコーマートで買っていたものの、温かいモノが食べたかったのでとても嬉しかった。

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夕暮れを窓からみる。

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iphoneのマップを見ながら旅を振り返る。

記憶が薄れてる場所も多く、本当に自分がここまで歩いたのか、うまく実感が掴めなかった。



この日早めに眠り、流星群を見たくて深夜に起きるものの曇りで見られず。

帰路を調べて再び眠りについた。



26日目終了 この日歩いた距離 32km






私の北海道縦断歩き旅を見ていただきありがとうございました。

これで歩き旅は終了となります。

この先は

・帰路

・後日談 旅を振り返って

・北海道縦断歩き旅をして変わった事、気づいたこと。

・良かった事、悪かった事

などを書いていこうかと思っております。


また、網走方面など東側を歩く北海道一周の旅もいずれしたいと考えておりますので応援していただけたら嬉しいです。


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