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小児リハビリテーションの現状と今後の展望


PRSAとは、小児リハを学ぶ学生団体です。
P→pediatrics 小児
R→rehabilitation リハビリテーション
S→student 学生
A→association 団体  
からきています。
学生が小児リハについて「知る」、「情報共有の場をつくる」、「将来のイメージを膨らませる」、この3点を目的に、講演会、広報、交流会を行っています。

PRSAでは講演会を主として活動しており、実際にNICU(Neonatal Intensive Care Unit:新生児特定集中治療室)で働いている理学療法士のご講演を聞きました。そこで今回は「低出生体重児」「アプガースコア」「NICUにおける理学療法士と作業療法士の小児への関わり方について」記事を書かせていただきます。

【低出生体重児の現状】
現在、日本では低出生体重児が増加しています。理由としては、不妊治療により双子、三つ子の新生児が増加したこと、医療が発達し低出生体重児の死亡率が下がったことが挙げられます。

【低出生体重児とは】
低出生体重児とは出生時の体重が2500g未満の新生児のことを言います。その中でも1500g未満の新生児を極低出生体重児、1000g未満の新生児を超低出生体重児と言います。

低出生体重児は身体的に未発達の状態が多く、新生児仮死、呼吸窮迫症候群、動脈管開存症、低血糖、電解質異常、未熟児網膜症と言った様々な合併症を引き起こしやすい状態と考えられています。

これらの合併症などからも低出生体重児には何らかの障害が残ることが多いため、理学療法士や作業療法士の介入が必要となります。

【アプガースコアとは】
低体重出生児は、出生後「1分時点」と「5分時点」で評価を行います。評価をする項目は、皮膚の色、心拍数、刺激反応、筋トーヌス、呼吸状態の5つの項目を0~2点で点数を出し、10点満点で採点します。8点以上が正常、4~7点が第1仮死、3点以下を第2仮死と分類します。点数が低いほど、重度の状態であると言えます。

この評価によって、新生児の身体状態を知り、今後必要となる治療、予後予測に役立てることができます。

アプガースコアによって仮死と判定された新生児には、蘇生が必要とされています。1分後のアプガースコアで1点と判定された新生児が、蘇生によって5分後には良好な兆しをみせる場合があります。

【NICUとは】
新生児集中治療室(Neonatal Intensive Care Unit)のことで「生命の危険の高い重症の新生児に、専門の医師と看護師らによる高度で濃厚な治療が24時間を通して行いうる施設である。」が定義となります。その後の新生児の成長と発達支援をすることが主な目的になります。

NICUで新生児は保育器など各種モニター、人工呼吸器が装備されています。そのような環境の中で理学療法士、作業療法士の行うアプローチを紹介します。

【理学療法、作業療法士が行うリハビリの主な目的】

①新生児の呼吸循環の安定をさせること

②ストレスを減らすこと

③発達を促進すること

この3点が主な目標です。

しかし、上記に示したことと同じくらい重要なこととして、家族の育児支援、いわゆる「ファミリーケア」を積極的に行うことが挙げられます。

【なぜ、NICUでセラピストが期待されているのか】

子どもの状態に合わせて生活環境の調整、運動療法、ポジショニング、呼吸理学療法、哺乳指導、感覚、認知発達指導と言った様々な場面で理学療法士、作業療法士が積極的に介入することが多いためです。

【理学療法士が行うリハビリとは】
子どもの発達を促すために良肢位にポジショニングをし、発達を促進させ、呼吸に必要な筋力維持、呼吸をしやすくするために排淡法といった呼吸器リハビリなどを行います。

【作業療法士が行うリハビリとは】
ケアを行う際の看護師に対してポジショニングの依頼を行います。関節が拘縮しないようにストレッチ、姿勢反応の促しなどを行います。また、家族に対してもアプローチが重要となります。それは、NICUにいるときから親子関係を築けるようにストレッチ方法の指導、抱き方の指導などを行います。

当分野の存在は一般においてはまだまだ認知不足に思います。

PRSAでは、小児リハ分野において講演、広告、交流会等を行っております。

当団体、当分野に関心や興味がありましたら気軽に一報をお待ちしています。

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著作:学生団体PRSA