見出し画像

なぜ浪人を前提にした受験生は全員漏れなく受験に落ちるのか?

国公立試験2日目。
今日でいったんの受験が終わる方も多いでしょう。

もしかしたら、後期がある人もいるかもしれませんが、いったんお疲れさまでした。
まずはここまで走り切った自分を称えましょう。

さて。
みなさんは今回の受験において「必ず現役で合格する」と決意して受験しましたか?
もしかして、「もう無理かもしれないな、浪人覚悟だな」と考えることはありませんでしたか?

必ず現役で合格すると考えて受験に臨んだ方。
あなた方は、合格できるかもしれません。
自分の頑張りを信じて、あとは神に祈りましょう。

「浪人覚悟だな」と思った方。
合格は難しいかもしれません。
これは、気概で負けているという話ではありません。
受験生の基本的な能力が欠けていると思われるためです。

受験の本質とは

そもそもあらゆる受験とは、時間内にどれだけ成績を伸ばせるかを競うゲームです。
試験日という〆切が設定され、この日までに合格ラインまで自分の実力を持っていければ受かりますし、そうでなければ落ちる。

必要なことは自己研鑽ですが、問題はどうやって行うかです。
がむしゃらに頑張るだけでは勝利はつかめない。
ただ頑張るだけで受験に合格できるなら、おそらく中学受験組が東大合格者の全員を占めてしまいます。

しかし、実際は、私のように18歳まで何の勉強もせず、1年ちょっと勉強したら東大に合格した人もいる。
元々生まれ持った能力差もあるかもしれませんが、それ以上に「頑張る方法」に違いがあるからでしょう。

繰り返すようですが、受験レースの特徴は〆切が決められていること。
この点において、すべての受験生は平等です。
もって生まれた能力は違うかもしれませんが、時間についてはみな等しい

受験戦争が「どれだけ効率よく頑張れるか」を問うレースであるのならば、そしてすべての参加者に等しく時間が振り分けられているのであれば、受験とは「可処分時間の投資先を見抜くゲーム」と言い換えられます。

すなわち、1年間で与えられた数千時間もの余暇を、どのように振り分けるか問うのが、受験の本質なのです。
能力の多寡などは、あくまで振り分け方を左右する程度のものでしかありません。

受験生は、もちろん勉強が本分です。
しかし、すべてをサボって遊びに行くこともできます。
部活動に精を出してもいいでしょう。
何をしてもいい。そのための時間です。

しかし、自分が「何のために」「どこに」「どれだけの時間を投資したか」は自覚していなければいけません
みなさんの貯金残高が無限でないように、使える時間にも限りがあります。

例えば、一年で使える自由時間が3,000時間とします。
この3,000時間のうち、500時間を遊びに使ってもいいでしょう。
疲れをとって体をリラックスさせるのも、戦略上重要です。
しかし、その投資判断の責任は自分でとらなくてはいけません

優秀な受験生と不出来な受験生の差

優秀な、そして大学受験で結果を出すタイプの受験生は、総じて「時間の投資判断」に関して鋭敏な嗅覚を持っています。
どこに何時間投資をして、どれほどのリターンが得られそうか。
これを常に考えながら学習に臨むので、「時間を費やしたが何の成果も得られなかった」なんてことになりにくい。

まずいのは、自分の時間の総量を把握していない、もしくは実際よりも多いと錯覚してしまうことです。
投資の元手となる時間は、刻一刻と減っていきます。
しかし、預金残高と異なるのは、それが目に見えにくいことです。

そのせいで、「まだ自分には余裕がある」なんて思い出す受験生も多い。
残念ながら、こうした受験生の多くは思った結果を出しません。

「浪人前提」で受験生活に臨むのは最悪の選択です。
浪人すれば、受験期間が1年延びます。
つまり、これまで投資に使っていたチップを、自分だけ増えたように錯覚してしまうのです。

ですが、実際には時間は増えていません。
チップと異なり、時間は何もしないうちに自然と溶けて消えていくので、貯蓄不可能。
毎年同じだけのチップが3月、4月頃に配られ、それを元手に自分の能力に投資するゲームが開始されます。

残念ながら、浪人を前提とするような受験生は、多くが浪人時も臨んだ結果を出せていません。
そもそもゲームの本質を見誤っているので、せっかく手にした二年目でも投資に失敗する人が多いためです。

繰り返しますが、受験とは時間を使った投資ゲームです。
いつ、どこに、どれだけの時間を投資するかを決めて、自分の能力変化を観察し、単位時間に対してどれだけの成績上昇(リターン)が得られるかを観測します。
そうして、自分の成績を上昇させ、一定ラインまで高める営みを、我々は受験戦争と呼んでいます。

分かっていない人ほど「とにかく勉強すればいい」と考えます。
実際はそうではありません。受かれば何でもいい。
極端な話、勉強しないで東大に受かるなら受験勉強なんていりません。

苦労することが正義ではありません。
苦労しても勝利はつかめますが、苦労は本質ではありません。
苦労の代わりに頭を使えば、それだけ少ない体力消費で望んだ結果を手に入れることができます。

ではどうやって投資先を見極めればいいのか?
これは受験のプロに聞きましょう。
学校の先生でもいいですし、進学塾の先生だとベターです。

相談の際には、自分の成績表と、考えている時間の投資計画を持ち込みましょう。
それを元として、投資計画を判断します。
特に成績表については、忘れたら正しい判断ができませんから、確実に持っていくようにしてください。
直近の受けた模試の結果を持っていくとよいでしょう。

有料相談になりますが、私も相談を受け付けています。
どうしても相談先が見つからなければ、X(旧Twitter)のDMに連絡してください。

みなさんが来年の受験会場で奮闘されることを望みます。

______________________________

ここまでお読みいただきありがとうございます!
面白ければ、♡ボタンを押してスキ!をお願いいたします。

noteの更新時には必ずTwitterでお知らせします。
もしお気に入りいただけたなら、フォローいただけると見逃しません!
フォローはこちらから!

こんな新刊出てますよ。


よろしければサポートお願いします!