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『自己肯定』とうさんくさい男

 今回はちょっと前ですが、私の尊敬する『うさんくさい男』(私評)から薦められた書籍のうち1冊をやっと読み終えたのでその紹介と、自身の変化について思うことを少し。自分で自分の内面を描くのも恥ずかしい気もしますが、noteもこれだけ書いてるから今更感もあります笑

▶退職をすすめているとしか思えないタイトル

 まずはこの方に紹介いただいた書籍がこちら。

 さらっとタイトルを見て、う〜ん。流行りのなろう的なタイトル、というか『無敵の人』ってワードが頭をよぎって、「あれ、仕事やめろってことかな?」となりました笑

 実際には、これからの人生における『自己肯定』の重要性を考えるための1冊であり、読みながら、「あぁ、これはあるある」となることも多く、自身を正しく認識することの重要性を学ぶことができました。

 電子版を読み終えたあと、「これは夫婦ともに読むべきだ」と感じ、早速文庫本も注文しアパートに配達してもらいました。
 さすが、このうさんくさい男はいつも我々夫婦に必要なものを授けてくれる人だなと、改めてすごい人だと感じました。普段は怪しい壺を売ってきそうなオーラと怪しい笑顔で近づいてきますが笑

▶病気の前後で感じる『何かしらの』の変化の正体?

 この方からも、妻や他の知人からも言われましたが、「何か変わったよね」と最近よく言われます。そりゃ頭もツンツルテンになりましたし、何より『白血病』なんてでかい病気に罹っちゃいましたから、そりゃ変わりましたわ笑

 ということではなく、どうやら言動や性格?雰囲気?が変わった様子。この本を読みながら、「あぁ、以前よりもしっかりと自己肯定ができてるのかなぁ」と感じることがあります。

▶不意に目の前に現れた『自分の死』

 6月下旬の病状説明の時、初めて明確に、『自分の死』を意識しました。これまで周囲で亡くなった方がいないわけではありませんし、ライフプランとしての老後の死というものはぼんやりと考えたこともあります。趣味のバイクに乗っている時にヒヤッとするシーンに遭遇することもありましたが、ここまではっきりと「あっ、俺死ぬんか」と意識したことは初めてです。なんてったってその道のプロが私の体の中で起こっている問題を懇切丁寧に説明してくれましたからね笑 

 最初は、結構ショックで、「白血病ってどうなんの?」、「もう死んでしまうんか?」と衝撃を受けましたし、ビデオ通話越しに見る家族を見て泣いてしまっていました。

▶『白血病の自分』を受け入れる

 一通り挫けた後、「あぁ、これからはこの『白血病の自分』として生きていこう(≒いかなければならない)」と受け入れることができました。
 こればっかりは理由はよくわかりませんでしたが、この本を読んでから『自分を認める』ということができたのかなと思います。

 『白血病の自分』を受け入れた次には、そんな自身が何をしたいかを考え、このnoteの更新のような『闘病記録』を始めたり、自身の病気や治療について必要な知識を集めたりと、自身が不安に思うことを少しずつ拭っていくことができています。そのおかげか、これまでの抗がん剤治療も(副作用は苦しいですが)「もうダメだ…」とへこたれることなく治療を続けることができ、今のところ順調に進んでいます。

▶『自分を認める』ことの大切さ

 『白血病の自分』を認めることができた今は、むしろこれまでよりも日々が新鮮?強烈?になりました。こう言ったら変かもですが、白血病によって色々と成長できたのかなと思います。それが自分の内面に反映されてるのかなと、妻や周りの人が感じる変化なのかなと思います。

 元々、自身の現状評価やそれを素直に肯定するというのはかなり苦手です。幸いにも私の周囲には優しい人、優れた人が多く、そういった人との相対評価で「自分なんてあの人に比べたら全然…」という感じで(周囲の人のせいにするわけではないですが)、今思うと不当に自分を低く見下していたのかなと思います。
 それが今回、『白血病』という周囲と比較のできない要素が自身に加わったことで、逆に正当に評価できるようになったのかなと思います。

 加えて、入院してから思ったよりも多くの人から闘病に対して応援いただけたことも、「俺って意外に色んな人から見てもらってたんやな」と、病前の自身をちゃんと振り返ることができました。
 応援してくれる人には必ず報いたいです。そのためにはまずしっかりと治療を受け、白血病を克服したいと思います。

▶1人じゃできないからこそ『認める』が大切

 病前の私は結構1人で仕事を抱えがちでした。それは人に仕事を振り分ける能力が充分になかったこともあるでしょうが、『他人に頼らないと仕事が進められない自分』を認めることができなかったからだと今は思います。
 職場の同僚、先輩後輩達から「こんな仕事も1人でできないのかよ」と(言われるわけもないと今ならわかる)評価をくだされるのが怖くて、1人で抱える→進度が悪い→更に抱え込む→…という悪循環を招いていたと思います。(実際そういったことで一時休職も経験しましたがその話は割愛)

 しかしこの『白血病』の克服という一大仕事において私1人でできることはほとんどありません。基本的には主治医の先生や薬剤師さんが計画した治療計画に沿って抗がん剤の投与を受けるだけです。そしてその副作用が現れた際に、症状を看護師さんにできるだけ正確に伝達します。
 後は治療には体力が不可欠、体調の良い日はリハビリトレーニングを行ったりして入院中の低下していく体力を維持していくことが重要です。
 でも自身ができることは本当にこのくらい。後は先生たちを信頼し、されるがまま(≒いっしょに闘病している)です。

 『白血病の自分』を認めた今では、この状態が非常に楽だとわかりました。体に起きた不調は治療計画を見ながら何が原因かを考え、看護師さんに相談し、主治医の先生たちと対応を行う、チームで作業を行うことの楽しさを改めて学ぶことができました。これも『1人じゃできない自分』を認められたことによる成長だと思っています。

▶怪我の功名の極地でなくとも簡単なはず!

 私は白血病という生死にかかる病気を患うことでやっと『自己肯定』の重要性を身を以て学ぶことができましたが、世の中のおおよそ大半の人はもっと安全に自身を認めることができると思います笑
 普段の仕事や家事・育児、そういったものから1歩引いて、今の自分を鑑みて、ありのままの自身を認めてあげるだけですから。
 そんな時に、冒頭で紹介した書籍がひとつのお手伝いになるかも知れません。

最後までお読みいただき、
ありがとうございました!

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