見出し画像

『厚意』を素直に受け取ってみる ーリライト版ー

皆さんの中で、1番の『奇跡体験』って何ですか?

今回は、夏になると思い出す私の嬉しい嬉しい『奇跡体験』をお送りします。

昔私が勤めていた病院は最寄り駅から徒歩25分くらいの所にあり、夏場は歩くのがツラいので、よくタクシーを使っていました。

「それだとお金がバカにならないのでは?」と思われるかもしれませんが、これには『秘密のカラクリ』がありました。

朝タクシー乗り場に行くと、タクシーが溜まっています。そこに毎日ある個人タクシーがいるんです。

その個人タクシーの運転手さんは、80代のおじいちゃん。

実はこの運転手さん、私を「待ってて」くれてるんですよ。

契約ではないですから『百発百中』という訳にはいかないですが、僕が通勤電車から降りてくる時間を予測して動いているようで、かなりの確率でその『おじいちゃんタクシー』に乗ることができました。

この人が超元気な人で、私がタクシーに乗り込むなり「おはよう!待ってたよ」と明るい声で挨拶してくれます。

さらに、

「ラッキー。あなたを朝乗せると楽しくて、1日いい気分で仕事ができるんだ」と、病院まで嬉しそうに私を連れていってくれました。

病院に着くと「はい、特別料金500円」

そう。まさかの『定額』かつ『低額』料金なんです。料金メーターは動かしているんですが、見てないんです。

こんな2人の「ズブズブ」の関係が、お金の『カラクリ』だったんです。

そして、とうとう『奇跡の日』が訪れることになります。

その日も、うまいこと私は『おじいちゃんタクシー』に乗車。病院に着きました。

「運転手さん。今日は500円玉がなくて、1000円でお釣りお願いします」

「あっ。こっちも今、500円玉切らしてるから今日は特別料金0円ね。はい、降りて」と言い残し、運転手さんは風のように去ってしまいました。

「マジか~。『ただ』って」

その日は医療事務にとって1番忙しい保険請求業務のある月初でしたが、幸せな気持ちで仕事をすることが出来ました。

無事仕事も終わり、21時くらいに帰路についた私。その信号待ちの時、更なる『奇跡』が起こります。

「お兄さん。病院の人でしょ」と、朝とは別のタクシー運転手さんが声を掛けてきました。

「ちょうど駅方面に呼ばれてるから、タダでいいから乗ってきなよ」

私は喜び勇んでタクシーに乗り運転手さんと話したみたところ、以前彼がうちの病院にかかった時に、私が親切な対応をしたことを覚えてくれていたとのこと。

「マジか~」

そう。私はこの日、タクシー『往復無料』で通勤出来たんです。

翌日。

またしても『おじいちゃんタクシー』に乗ることができた私。

病院へ向かう道すがら、私は「あの後、こんなことがあったんですよ」と運転手さんに昨日の『奇跡パート2』の話をしました。

病院に着いた私は「今日の分と、昨日1日幸せな気持ちにしてもらった分ね」と言って、1000円を運転手さんに渡しました。

すると運転手さんは「そうかい。じゃあありがたくいただくよ」と笑顔でお金を受け取り、「また明日ね」と去っていきました。

タクシーを見送った私の心は、とても晴れ晴れとしていました。

今振り返ってみると、3人の感謝の思いが循環するという貴重な体験をさせてもらったんだと思います。

やっぱり『厚意』って、素直に受け取ってみるものですね。

この記事が参加している募集

私の作品紹介

この経験に学べ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?