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$狂言サイボーグ (文春文庫)Paperback Bunko by 野村 萬斎 (著)



$狂言サイボーグ (文春文庫)
Paperback Bunko 
 野村 萬斎 (著)

$解説
「のぼうの城」で大注目を集める著者の名著!

狂言におけるカマエとは「隙なく立つこと」。「胸で見る」極意から演者のもつ「背中」の重要性まで、身体文化の深淵に光をあてた本。

$読者レビューから引用・編集
二世・野村萬斎(1966年~、本名:野村武司)氏は、狂言方和泉流の能楽師・俳優・演出家。二世・野村万作と詩人の阪本若葉子の長男
。東京藝大音楽学部邦楽科能楽専攻卒。重要無形文化財総合指定者。
萬斎氏は、1970年、3歳のときに初舞台を踏み、中学では自由さを求めて部活動や音楽活動に熱中したものの、1984年、高校3年生のときに演じた『三番叟』で狂言の面白さに目覚め、狂言師の道に進む決心をした。
その後、1985年、黒澤明監督作品「乱」に出演、1987年、「ござる乃座」主宰(以後年2回)、1990年、「ハムレット」主演、1994年、曾祖父の五世・野村万造の隠居名「萬斎」を襲名、NHK大河ドラマ「花の乱」に細川勝元役で出演、文化庁芸術家在外研修制度で1年間英国留学、1997年、NHKの朝の連続テレビ小説「あぐり」に望月エイスケ役で出演、2001年、滝田洋二郎監督作品「陰陽師」で初主演、2002年、世田谷パブリックシアター芸術監督に就任。2003年、NHKの「にほんごであそぼ」出演開始、2004年、アテネで上演された蜷川幸雄演出の『オイディプス王』で主演、2008年、東大教養学部非常勤講師、2011年、文部科学省日本ユネスコ国内委員会委員に就任、2021年、公益社団法人全国公立文化施設協会会長に就任等、国内外で多数の狂言・能公演に参加するほかに、現代劇、映画、TVドラマ・番組に出演するなど、幅広く活躍している。日本アカデミー賞優秀主演男優賞、ブルーリボン賞主演男優賞等受賞。
本書は、萬斎氏が、身体や感覚、伝統と装束等、様々な観点から狂言について綴った文章と、1987~2000年の「ござる乃座」のパンフレットの掲載文をまとめた、所謂エッセイ集である。2001年出版、2013年文庫化。
私は、芸術でも科学技術でもビジネスでもスポーツでも、一芸に秀でた人の伝記・半生記やエッセイが好きで、本書も、新古書店で偶々見つけ手に取った。
一読して、これまでほとんど知識のなかった狂言について、身近に感じられるようになったし、なぜ萬斎氏がこれほど各方面から引っ張りだこなのかが良くわかった。そして何より、解説で斎藤孝が「「型」とは先人達が残した最高の教育プログラムだ。反復練習で身体に埋め込むことにより、誰もがその達人になれる」、「この「身体が基盤としてあって、そのうえに感情や心がのってくる」という順番にこそ、型の威力がある」と書いている、「型」の大切さが理解できた。(その「型」の大切さ故、著者は自らを「サイボーグ」と称している) そして、この「型」というのは、映画にもなった森下典子の『日々是好日』で、樹木希林が演じた茶道の師匠がその重要性を繰り返し、内田樹が『日本辺境論』の中で、日本特有の「最も効率のいい学びの方法」であると書いているように、日本の古典芸能や、武道・茶道・華道などの所謂「○道」と呼ばれるものに共通するものなのだ。
ただ一方で、残念ながら、狂言を是非見てみたいとまでは思わなかったのだが、それは、本書が狂言について幾分かの知識や関心を持っている人に読みやすく書かれているからである。(本書には、狂言の役には「シテ」、「ワキ」、「囃子方」があって・・・というような基本的な説明はない) 萬斎ファンにとっては、萬斎氏の様々な考えがわかって面白いのであろうが、私にはそこに至るベースが少し足りていなかった。
機会があれば、狂言に限らぬ日本の古典芸能について、もう少し深く知りたいと思った次第。

Product description

Content (from BOOK Database)

狂言師が舞台をつとめるための教養は「型」である―伝統の型やカマエを身体にプログラミングすることが、実は個性を発揮する力にもなる。「胸で見る」「腰を入れる」「背中のオーラ」を感じるといった身体文化の深淵をつぶさに渉猟した珠玉のエッセイ。教育の本質や上達のエッセンスが濃縮された一冊でもある。

Author Biographies (from BOOK Author Referral Information)

野村/萬斎
1966年東京生まれ。狂言師。祖父、故六世野村万蔵および父、野村万作に師事。重要無形文化財総合指定者。「狂言ござる乃座」主宰。東京藝術大学音楽学部卒業。三歳で初舞台後、国内外で多数の狂言・能公演に参加、普及に貢献する一方、現代劇や映画・テレビドラマの主演、舞台『敦―山月記・名人伝―』『国盗人』など古典の技法を駆使した作品の演出、NHK『にほんごであそぼ』に出演するなど幅広く活躍。94年に文化庁芸術家在外研修制度により渡英。99年文化庁芸術祭演劇部門新人賞、2005年紀伊國屋演劇賞など受賞多数。2002年より世田谷パブリックシアター芸術監督を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

Product Details

  • Publisher ‏ : ‎ 文藝春秋 (January 4, 2013)

  • Publication date ‏ : ‎ January 4, 2013

  • Language ‏ : ‎ Japanese

  • Paperback Bunko ‏ : ‎ 204 pages

  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4167838451

  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4167838454

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野村 萬斎

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