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恋を忘れそうな時にみたい映画

こんばんは、皆様今日も1日お疲れ様でした
ウキウキ気分で始まった三連休初日、皆様も充実した日であったことを願うばかりです。
この頃は秋風が心地よくて、それに釣られるように懐かしい想い出が脳裏にゆらゆらと揺れるので、大好きな映画を見返そうと思いました。

そこで今日は、『Before Sunset』という映画についてお話ししようと思います。

『Before Sunset』2005
舞台はパリ。
9年前、偶然乗り合わせた列車で運命の出逢いをし、かけがえのない一夜を過ごした、かつてのイギリス人の青年とパリっ子の少女。
青年は、受賞作家としての作品の発表のため再びパリへとやってくる。
会場である、本屋「Shakespeare company」にて著書についての質問を受け答え、主題である「恋愛」の裏側に触れようとすると、ふと目を移した際に本棚の影からこちらを見つめる彼女の姿が。
嘘のような、夢のような、でも絶対に現実だと一眼で確信できるほど、互いを切実に求め続けた2人の再会
9年間の募る想いを、2人が全方向から互いにぶつけ合う会話劇は、一瞬も油断のできない綿密な描写によって、一層熱を帯びる。

この映画の最大で最高の特徴は、77分間の一本の映画が2人の会話シーンだけでできている、というところなのです。
とめどなく溢れでる2人の感情と、それでも「会話」としての形を取り持つ、時にブラックなユーモアを感じる巧妙な掛け合いは、観る人全てに「恋をするということ」への共感を引き出します。

9年間ずっと、人生で一番好きだったことや
あの夜を一度も忘れることなく、抱きしめて生きてきたこと
結婚した妻の隣で、彼女へのかき消せない愛にうなされた夜と絶望した朝
私から「愛を知った」と感謝して去っていく恋人に残された哀しみ
会えない現実に抗えない苦しみ

誰かに恋をすることや、恋する人を目の前にすることでどうしても溢れ出す、全ての感情の色と温度が、2人の姿を経て思い出されます

大好きなあの人への気持ちを、心の中でそっと許してあげられる
「恋をすること」の儚く眩い、夕暮れのような光を描いた、美しい作品です。
秋風に頬を撫でられながら安らかな気持ちで過ごすひとときに、ぜひ観てみてくださいね。
素敵な夜を、お過ごしください。

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