出張に来て 仕事が無事に終わったから 明日帰るね と電話する相手がいるだけで 幸せなこと
ある日 新聞のお悔やみ欄に故郷の幼なじみの 名字をみつけた そういえばあの子はどうしてるのかな と思ってたら 喪主にその子の名前が! 生きているんだ ついそう思ってしまった自分が哀しい あの頃は女子も男子もみんなあだ名や 下の名前で呼んでたっけ しかも呼び捨て 今から思うとみんな本当に仲が良かった と思う でも同窓会にも出てない自分が連絡を今でも 取っているのは一人だけ そう言えば友達とその子は付き合って いたような かわいかったから 少しショックだった思いがよみがえ
思い出した 昔君がけんかしてたのに 僕の服を選んでいたことを 覚えている 君が寝言で僕の名前を つぶやいていたことを 忘れない 君がここに居ないと思った時の あの胸の苦しさを #詩 #忘れない #覚えている #寝言 #つぶやく
人生は答え合わせの連続 常に正しかったか そうでなかったか 考えてしまう それでも 最終的な答え合わせは これが正解だったといいたい
美味しいものはまぼろし 君は言った 食べた後はかなしいとも
ここの湖はまだ行ったことがない ここの道の駅はまだ行ったことがない ここのレストランはまだ行ったことがない ここの街はまだ行ったことがない まだまだ行ったことがない 君と一緒には
トンネルを抜けるとそこは光だった 抜けないトンネルなんてない 必ず光が差し込んでくる
幸せな夢をみた 君は言った どんな夢？ スーパーに行って マックで新発売の商品を食べる夢 叶うよ 僕は言った
天気が良くたって 春になったからといって 人々が街に出ているからといって どこにも行けなくっても 君のそばにいられたら それでいい
今日は外に出たい 君は言った じゃあ 少しドライブしてくる？ うん 二人で車に乗ってエンジンを回した コーヒーでも飲む？ 君は頷いた 近くのコンビニに車を停めると 新発売の濃厚チーズケーキの広告が 目に入った チーズケーキも食べる？ 食べたい と君は言った コーヒー熱いけど大丈夫？ 大丈夫、今日は飲める チーズケーキ美味しいね うん、美味しい 食べ終わると再び車を走らせた 数分後 疲れてない？ 僕は聞いた 少し疲れた 帰ろうか？
急にパソコンの調子がおかしくなった 動きが遅くなり、再起動しても パスワード画面が何回も出てくる ヘルプデスクは ウィンドウズはたまにこうなる んですよね と言った 指示どおりにしてみてください うまく行けばいいけど いかなければ壊れている可能性が あります 僕は指示どおりに作業をした そして 祈るようにまた再起動をした パソコンは以前のように動いた なにがどうなっているのかわから ないけど自動修復されたようだ パソコンも意外と繊細なんだな まるで人のよう 人の心も繊細で壊れ
世の中では 桜が咲き出したようだ ここでは 四月下旬頃に咲くであろう桜 君の心の桜はその頃に咲くだろうか たとえ その頃に咲かなくとも いつかきっと咲いて 二人で再び 桜を見に行ける日が来る
ひらく うん？ 君は言った また しゃべれなくなるんじゃ ないかと思って呼んでみた そんなことないよ 僕は言った
寝てばかりはもう嫌なの そう言って君は ソファーに座った 何か曲でも聞く？ と聞くと 菅田将暉の虹が聞きたい と君は言った いい曲だよね 糸のロケ地にも行ったよね 僕が言うと うん と君は頷いた 今の心境そのままだ 僕は思った
幸せのハードルが どんどん低くなる それは きっと とても幸せなこと
泣かないで 君はそう言った
