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はじめに


薬局で働いていると
西洋医学批判の方がこられます。
「病院の薬は副作用が怖いから副作用のない漢方を使いたい」
→漢方薬も副作用はありますから
「抗がん剤・手術がいやなので、癌に効くと聞いた○○という商品がほしい」
→治療はあくまで西洋医学を中心に、補助的に漢方や健康食品をを使ってね
「原因が病院では分からないけど薬は出る。飲んでも全く効かないから漢方で何かないか」
→まずはお話をお聞きしましょう

東洋医学批判の方がこられます。
「漢方は長く飲まないと効かないから飲みたくない」
→そんなことはないですよ
「漢方をのんで具合が悪くなったので飲みたくない」
→先生の見立てが悪かったんでしょうね
「匂い・味が嫌なので飲みたくない」
→我慢できないのなら飲まなくてよいですよ

どちらも一長一短あるものですから上手に使い分けていただきたいですね。

東洋医学のメリット


・話を聞くこと、相手を診ることに重きを置いている
・症状はあるが病名がつかない状態(未病)でも、治療をすることができる
・自律神経失調症や更年期障害のような、可視化しにくい病気を得意としている

西洋医学のメリット


・誰もが納得できる客観的な視点(生化学検査やMRI等)で診断できる
・原因を特定し病名を確定することができれば、現在最も効果の高い治療を保険診療で受けることができる

健康維持や増進には東洋医学、不調時には西洋医学が勝る感じでしょうか。

東洋医学に偏る1番のデメリット


・西洋医学での検査や治療が遅れる可能性がある
一番怖いのは手遅れになることです。
東洋医学に陶酔している方は、医療者であってもそれ以外の方であっても発見や治療が遅れるのを見てきました。
言い方は悪いですが、カルト宗教に近い信仰を感じる方もおられます。
明らかに緊急事態を訴えた症状(下血や人生で体験したことのない痛み)であっても病院に行かないんですよね。
重大な疾患を見過ごして手遅れにならないように、少なくとも定期健康診断を受けましょう。

西洋医学に偏る1番のデメリット


・病名が確定しないと治療ができない
つい最近、かかりつけ薬剤師契約を頂いている方から相談を受けました。
体中の痛みがあり起床時に身体を動かせず、1ヶ月で2回ほど救急搬送されましたが、検査で原因が特定できず痛み止めの処方で帰されておりました。
痛みは継続しておりどうしようもないとのことでのご相談でした。
病院での結果や経過を見せていただき、疑いのある病気を診断できる診療科をご紹介して現在は軽快に向かっています。
ようするに、診断できる先生にあたるまでは治療ができないということです。
かかりつけ医を決めることは大事なことだけど、不安に思うならセカンドオピニオンは選択肢に入れましょう。

まとめ


何事も偏らないこと。固執しないこと。
今回のお話でいうと、西洋医学に偏っても手遅れになりませんが、東洋医学に偏ると手遅れになります。あっちがだめならこっちというように、柔軟性も必要です。
西洋医学で確定診断できない例は東洋医学が得意な事が多いので、その場合は西洋医学と東洋医学を併用することをお勧めします。

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