見出し画像

「街とその不確かな壁」の途中で「ロケットマン」を鑑賞する。

村上春樹の最新作、「街とその不確かな壁」。
春に、駅前の書店で買ってもらった頃から今日まで、ダラダラと370ページ辺りまで読み進めてきた。
371ページ辺りから空気が変わってきて、遂に380ページに出会い意識の錘をおろす。そしてイエローサブマリンの少年の登場から、ひっくり返った。

街とその不確かな壁

ジョン・レノンもビートルズも、私の場合なんだかんだ村上春樹からの入知恵で、過去に色々なアイテムと出会ってきた。
「街とその不確かな壁」に登場してきた少年が着ている、イエローサブマリンのヨットパーカで思い出したのが、10年前に愛用していた「Elton John Lennon」のパーカだ。どこかのサイトで購入したちょっとしたおふざけ。
フロントに、エルトン・ジョンとジョン・レノンの顔のイラストとともに、「Elton John Lennon」のレターがプリントされてあった。私はそれがとても気に入っていて、少年のように愛用していた。今日まで完全に忘れていたのだけれど、今でも入手できるか検索してみたが、残念ながらヒットしない。

そうこうしている内に、いつの間にかネットサーフィンの功績。
検索結果の画像に、エルトン・ジョンとジョン・レノンが並んでいて新鮮味を覚えた。パーカのジョークではなかったの?とか思い、キングスマンでエルトン・ジョン本人が出演していて、元気すぎてビックリしたことを思い出したりした。そしてたどり着いたのが、映画「ロケットマン」。
キングスマン主演のタロン・エガートンがエルトン・ジョンを演じている。情報が絡まりすぎて、もはや複雑だが、そこから2時間どっぷり観賞した。どの瞬間を切り取っても構図と色彩が美しく、すべて音が心地よく、your song誕生のシーンなんて最高だった。
彼は、今年7月にツアー最終公演を終えたばかりだとも知る。
ジョン・レノンの「ノーウェアボーイ ひとりぼっちのあいつ」も色彩がよかった。村上春樹ではなく、バイト先のシェフに勧められた映画だけど。
イギリス映画はなぜこんなに美しいのか。1970年代が特別なのか。
とかとか、映画についての考えがめくるめくのだけれど、村上春樹はまだ読み終わってはいない。小説の内容は置き去りにして、いつもダイアゴン横丁のような世界に連れていかれ、寄り道を強いられる読書体験が不思議なのだ。
こんな贅沢な時間はいつぶりだろうか。山水が流れる脇道の木陰を読書スポットにした夏休み以来ではないか。


この記事が参加している募集

夏の思い出

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?