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【エッセイ】「時が経つの早い」という呪縛【2023年を振り返って】

2024年まであと1日を切ったということに驚きを隠せずにいる。

年を取ると1年が早く感じるという法則がある。いわゆる「ジャネーの法則」である。人生における1年の割合が年々減っていき、1年の重要度が下がっていくからだという。また、新しい経験の機会が少なくなるからだとも言われる。

ここで少し疑問に感じるのは、「今日で12月が終わるのは納得できるが、明日で2024年になるのは早いと感じる」ことだ。大学生になり、その月ごとに新しい経験をする機会は増えたと思う。一方で、2週間など少し長めの期間で課題をしたり、予定を組んだりする頻度が増え数カ月先のことを考えて、時の速さを先取りしている節もある。

私が思うに、この疑問の答えは2024年について考えると年単位で考えることになってしまうからだと思う。昨年について考えるときに、今年(今の段階では2023年)の1月から11月をぶっ飛ばして、12月まで遡ってしまう。すると、この1年何もなかったかのように感じてしまう、気がする。

今年はかなり中期的な計画を立てて生活できたことが大きいと思う。計画を立てるとなにかに取り組んでいるという意識のもと生活するため、忙しないかも知れないが、充実度は上がると思う。仮にそれが忙しい自分に酔っていたとしても(笑)。

この12月は年末に向けてやり切ることを意識して生活したと思う。はっきり言って、正月というのはただの「イベント」だと(意識的には)思っている。世間が騒いでいるだけで、日付が変わったぐらいで人間は大して変化しない。それは、今年のクリスマスが「世間でのイベント」のまま終わったことも起因していると思う。クリスマスは世間のことだが、正月は自分ごとで盛大に楽しもうだなんて、自分の中では納得がいかないから、こうもひねくれた認識を深めるのだと思う。

年末に向けたToDoリストを消化していく過程はとても充実感があった。10月や11月にはない何かに急かされている感覚はやはり年末ならではだと思う。この”12月マジック”のお陰なのか、ことが色々とうまく運んだ。これなら一層のこと、毎月のように晦日に向けてToDoリストを作成しようかしらとさえ思った。

バイト納めをして身も心も年末に差し掛かった辺りから、少し喉の調子が悪い。気が抜けて免疫が活発になったのだと思う(免疫が弱くなると炎症が起こりにくい=異物を退治する力が弱くなる)。そういえばと思い昨年の日記を開いてみた(毎日取っていないので”日”記ではない)。昨年の年末も風邪を引いていた記憶があるからだ。ただ、そんな記述はない。ページを捲ると、1月2日に「喉の調子が悪い」と書いてあった。どうやら恒例行事のようである。しかし、今年は少し早く訪れたようだ。正月明けに影響が少なそうで良い。日記をよく読むと、その原因について毛布をおろしたときにホコリが舞ったと書いてあった。今回は自然に発生したので悪化していることが判明した。多少夜ふかしもしたが、昨年もしているはずだ。年末だから夜ふかししちゃったというようなことを日記に書くような可愛げのある人間ではないからだ。

年月が早く過ぎることを老けた証拠だと感じてしまうことがある。現に、老けていないまでも年は取っている。ただ、年を取るといろいろなことに気づくようになったと思う。それに、どんなに充実して熱意のある中年でさえ「時間がない」と嘆いている。こういうことを考えると、時間の流れる速さというのは少年期のための評価関数なのかもしれない。時間の流れは早くなっても、ただ過ぎて去らせるのではなく時間を重ねられるようになると”重み”がでてくるのではないだろうか。2024年はそういう奥行きのある年にしたい。

そういえば、手が慣れてキーボードで2024って打とうとしたら、癖で2023って打っちゃいますよね。

それでは良いお年を。

#今年のふり返り


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