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検査と記録

品質管理や検査の話。
実際の検査っていろんなところで行われています。最近は自動車関連の検査不正の話題もあります。


検査の仕方

何か製品を作って検査しようとします。私が考える良い検査の方法は、製品を作る前に検査方法を決めておくことです。その検査方法、規格に従って測定等を行い、記録します。
製品が出来てから検査方法や規格を設定すると、出来た製品を良品として規格を設定する場合があるからです。それでも現実には品質にも限界があり、バラつきもあります。それでも最低限の品質は確保しなければなりません。

ずるい検査

世の中の検査は不正にあふれています。多くの場合、ほとんど罪悪感はありません。
分かりやすい不正では、規格外の結果になったけど、数値を規格内として報告、記録するもの。シンプルです。
そもそも検査をしていないけど、規格内の評価、数値を記録するもの。検査が面倒だけど、どうせ大丈夫でしょ、というスタイル。テキトーに数値をばらつかせて誤魔化す人もいますが、中には堂々と規格ど真ん中の数値を書く人もいます。抜き取り10検体全部ど真ん中!しかも毎回!
検査結果が期待外れ、規格外だった時に、再検査をして良い結果を採用するもの。これ、不正だと思っていない人は少なくありません。最初の検査で規格外が出た、何か間違えた?と思ってもう一回やったら規格内だったから、最初のは何か間違えたのだろう、という考え。これはダメなやつです。最初の検査がダメという根拠はほとんどありません。期待通りの結果じゃなかった、というだけです。学力試験で最初は不合格だったけど、その後勉強して知識を増やして再試験をして点数が上がって合格した、とは全く違うのです。元の検体は修正などしていないからです。あってもサンプリング方法かも?くらいです。しかしサンプリング方法というのは本当にそうなのか、その製品中でバラつきが大きかったためかもしれません。特にこのスタイルは他人事ではなく、健康診断で良く行われる不正です。ありますよね。血圧が高くて時間を置いてもう一回測定したら下がっていたからそれを採用!じゃあ、最初から適正値だった人は、時間を置いてから測ったら低血圧かもしれません。でもやりません。欲しい数値が出ていたからです。これが不正です。被験者自身もそういうもんだ、と思っているのか、不健康と判定されるのがイヤなのか、そのまま従うことが多いです。新薬の治験でもそんなことが行われているんじゃないか?と疑問を感じます。

異常値が出たときの対応

検査は目的の物、人、集合などの状態を把握するために行います。ところが検査の不正があれば、不適当でも適当であると判断したり、適切であるにもかかわらず不適当と評価してしまいます。異常値が出ることは仕方ないことですが、そのときにどう対応したら良いか分からない、自分の検査に自信がない、などの理由で不正をすることがあります。そんなことがないために、異常値が出たときの手順をしっかりと決めておくべきです。これは試験者の問題でなく、組織の問題として考えていかなければなりません。あいつが下手だから!と責任を押し付けていては、不正に走ってしまいがちなのです。組織全体で異常を受け入れない体質があれば、責任者が結果をねつ造して合格にしたり、やみくもに再試験を行って規格に入ったところで結果を採用する不正を行います。

検査結果の評価は何のためか?

検査は何のために行っているのか?と言えば、製品品質の確認です。これ、張り切って「お客様のために!」とか思うのも良いんですけど、こういうのは淡々と決めた手順に従って進めたほうがよいです。何かあったときにはっきり言わない人っているでしょう。「何のためにやっているのか考えて!」とか言う。そんなの、人それぞれなんです。だから、そういう個人の都合やら信念やら関係なく、決めてあるからやっているだけ、が良いのです。誰かのために結果を誤魔化したりしません。そのためにはしっかりと手順を作っておくべきなのです。

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