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Perfumeをみたら涙が出てしまった

ずいぶん久しぶりにライブレポなるものを書いてみようと思う。
私のnote記事の中で最も読まれているもので、今でもビュー数が伸び続けている藤井風の武道館公演について綴ったものがこちら。
もう2年も前でびっくりしている。


さて、今回書くのはPerfume。Perfume 9th Tour "PLASMA"さいたまスーパーアリーナ公演Day2。
日本を代表するアーティストと言っても過言ではないだろう。
小学生のときにはきゃりーぱみゅぱみゅとPerfumeがⅯステにいて、ドラマ『Liar Game』を履修済みの私としては、中田ヤスタカのつくるエレクトロミュージックは当たり前のように染みついている。

今回私が初めてPerfumeのライブに行こうと思ったのは、Perfumeチームの総力戦をみたかったのである。
Perfumeといえば、前述の中田ヤスタカを楽曲の作詞作曲に、MIKIKO先生を演出・振付に据えて、衣装からなにまでハイレベルというイメージがあった。
中田ヤスタカとMIKIKOが最も著名だけれど、テレビやMVなどの衣装は毎回Perfumeらしさがあって、それでいて新しさがある。ジャケットやポスター、MVなどもクオリティの高いものばかりである。

そんなチームとしてのPerfumeを体感してみたいと思った。

演出や衣装などに主眼を置いていくライブへ行くことは初めてのことで、ふだんはアーティストの音楽が好き!という単純なものだ。
もちろん、Perfumeの音楽とメンバーが好きであるが、重心をどこに置くかという話である。

とくに今回ライブ参加を後押ししたのは東京五輪の開会式に携わるメンバーからMIKIKO先生が外されてしまったことは、大きかった。
多くの文化芸術に理解ある人から、あそこまで期待されていたメンバーで開会式がプロデュースされると思っていたのだが、いろいろあって解散。
それじゃあ、Perfumeを見に行こうとなったわけである。


結論からお伝えすると、あまりにも素晴らしくて涙してしまった

そもそもハードル高く期待していたはずなのに、それを超えて涙してしまった。

まず、開演前からすごかった。
開演前、会場が暗くなる前から観客の手拍子が始まるのだ。早く出ておいで、というような温かい拍手だ。こんなのは初めて見た光景だった。
アンコールで拍手するのはよくみるけれど、まだパフォーマンスをしていないというのに。

開演してから、数曲すべてで低音が重くまるでクラブのよう。クラブに行ったことないけれど、こんな感じだろう。踊ってしまうような、音のバランス。
加えて3人のダンスや表情がいい。いい状態でスタートできているようにみえた。
そして、楽しみにしていた演出面。1曲ごとに気づけばステージが変化していて、常に何かしらの仕掛けが作動している。その仕掛けもわくわくするものばかりで、もう鳥肌が立った。

日本のショーの最高峰のひとつはここだと、直感的にわかった。

開演から4曲目『再生』で、あ~ちゃんが声を上げたときで、もうダメだった。「Perfumeです!さいたま!!」的な内容だったと思うが、もはや覚えてない。その声のようすは鮮明だ。元気なPefumeだったのだ。

このツアーのさいたまの前の会場、仙台でのことを知っていたからだ。
もうすでに知っている方も多いと思うが、仙台公演でPerfumeはチケットの売れ行きがフルキャパの50%に満たないことから、声出しOKを公式にアナウンスした。Perfumeといえば、紅白に何度も出ていて、超有名アーティストなわけだ。そのPerfumeがチケットの50%以上も残すということに非常に驚きを覚えた。友だちが言っていたことであるが、あ~ちゃんが公演内のMCで泣いてしまったのだとか。
そんな背景を知っていたからこそ、元気なあ~ちゃんの声が聞こえたことがどんなにすごいことかと思うと、泣いてしまった。

ショーとしての質の高さに心奪われ、くらっていると、感情的に追い打ちをかけられてしまった。それは、泣きます。

自分でもびっくりするほど、泣いてしまって、隣の高校生らしき女の子にバレないように願いながら、後ろにのけぞっていた。
マスクがちょっと濡れたもん。

特別、Perfumeのファンであるわけではないのにこんなに泣くとは本当に思わなかった。私が1番びっくりしていた。


そのあと、時間をかけて涙が引いたくらいのタイミングで、MCのコーナーに入った。
ああ、こんなに優しいんだと思った。
Perfumeの3人は楽曲の制作や振付などをしていないので、ある意味でアイドルなのだが、佇まいがアイドルとは一線を画していてアイドルと同じ仕組みであることを忘れてしまう。
だが、このMCをみてアイドルの側面を思い出す。
観客との一体感が凄まじい。話し方も、「あなた」に言葉を向けていて、歌詞で3人の思いが伝えられないぶんが、MCに込められているように思えた。MCの内容と言葉遣いは、すごく丁寧で熱くて。ファン思いで、アルバムという作品やツアーへの思いが強いことがジリジリ伝わった。

このシーンだけでなく、節々から彼女らのアーティストとしての強靭さを感じた。
いくら才能があっても、不祥事でシーンを去ってしまう人やファンを減らしてしまう人もいる。彼らに同情するわけではないが、人気になって調子に乗ってしまうことは、普通だと思うし、失敗してしまうのも当たり前だと思う。
最近のK-POPの育成には人間としての教育が組み込まれていると聞く。それには、メディアとの付き合い方などが含まれているらしい。それほど、現代の芸能世界は世間の目を気にして生きる必要があるわけだ。
でも、Perfumeはそんな不安は微塵も感じさせなかった。彼女ら3人の思いと力は本物で、このチームは長く支えられて続いていくことを確信した。きっとそれは、周りのスタッフをも巻き込んでいくものだと思う。


最後の最後の瞬間まで、Perfumeのライブは飽きることがなかった。
何度衣装が変わり、ステージが姿を変えたのだろうか。同じポジション、同じ演出の曲はひとつとしてなかった。こんなライブは何度も言うが初めてだった。
MIKIKO先生、ありがとう。

そして、彼女たち3人のパフォーマンスに一切の手抜きはなく、言葉にも嘘はなかった。

Perfumeチームは本当に素晴らしい。

本当に見に来てよかった。本当に充実したコンサートでした。
確信を持って言える、またPerfumeを見にいきます。