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観られない、国内テニス。

新型コロナウイルス感染拡大により、世界中が大変な状況に陥っている中、スポーツ界も東京オリンピック延期を始め、多大な影響が出ている。

その様な中、国内テニスも大会中止や延期が相次いでおり、数多くの国内テニスツアー大会(JOP)、実業団チーム日本一を決める団体戦であるテニス日本リーグは中止とされ、全日本テニス選手権すらも、大会規模縮小を余儀なくされた。

ただ、プロ野球、Jリーグなどは新型コロナウイルスの影響を受けてはいるものの、他スポーツに比べると通常通り試合が行われており、国内テニスとのスポーツ格差を感じずにはいられない状況だ。

特にテニス日本リーグの中止と、全日本テニス選手権の大会規模縮小(賞金減額、無観客、予選.ダブルスの廃止)は数多くの選手関係者、テニスファンに『野球やサッカーは殆ど普通にやっているのに、なぜ?』などと疑問を感じさせた部分も多いだろう。

しかし、国内のテニス大会が軒並み中止になり、大会も殆ど行われない事はテニス関係者として非常に残念で悔しい気持ちはあるが、普通の事だと考えている。何故なら国内テニスはプロスポーツとして、商業として全く成り立っていないからだ。


野球やサッカーと比べるのもどうかと思ったが、先日行われたプロ野球日本シリーズ、ソフトバンク対巨人の試合は観客数を開催球場の50%以下に制限しても尚、観客数は約60,000人。国内のテニスの試合ではとてもと言って良い程考えられない数字である。

テニスで言うと同じ舞台は、全日本テニス選手権の決勝、テニス日本リーグの決勝と言った所だろうか。

全日本テニス選手権の決勝は有明コロシアムにまばらに人が座っている程度、上の方はガラガラで満員は程遠い。
テニス日本リーグの決勝は集客に力を入れている企業の応援席はそこそこ埋まっているが、それ以外の企業の応援席は人より空席の方が多い。

プロスポーツは、観られてなんぼの世界だ。

上記2つの大会以外の国内テニス大会は逆に人が観ている方が珍しいくらいで、国内テニスは人気が無く、観られない。

私は観られないプロスポーツは行っていないのと同じだと考えている。無観客で開催された全日本選手権は選手に試合の感覚と少しの賞金を与える事になったと思うが、観る人がいて始めてプロスポーツが成り立つ事を考えると何とも言えない。逆に開催された事に驚いた。

新型コロナウイルスの影響でかなり打撃を受けた国内テニス界ではあるが、男子プロテニス選手会の発足や、プロ選手の発信、YouTube活動などテニス界にとってプラスの要素が増えてきている事実もある。

ただ、国内テニスが野球やサッカーなど、今人気のスポーツに近付いていくには現在の仕組みでは到底不可能だろう。


数年後、国内テニスが活気あるスポーツになっている所が、私には今あまり想像が出来ない。

おわり。

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