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【読書】レ・ミゼラブル 正直な感想

こんにちは。

今日は、超名作【レ・ミゼラブル】の感想を書きます。

相変わらず、薄っぺらい感想になってしまうのですが、
名著になるほど

「薄っぺらい等身大の感想を書こう!」

というナゾの天邪鬼気質を発揮してしまう自分がいることに気づきました。

「駄作と呼ばれるものには、自分だけが見つけられる価値を」

「名作と呼ばれるものには、本当にそんな価値があるの?という穿った視点を」

というのは、どちらも無駄に存在するプライドなのかもしれません。

内省はこの辺にして、早速感想です。


とにかくしつこい


良い意味で使っています。

しかし、全てがしつこい、くどい。

登場人物も全てがしつこい性格です。

もういいだろ、と何度も思ってしまうしつこさ。

筆頭は、ジャベール。

主人公ジャン・バルジャンを追う警察です。

悪魔の様な執念で、ジャン・バルジャンを追ってきます。

ジャンが名前を変えても立場を変えても、
見た瞬間に特定して来ます。

そして「死ぬまで追ってくる」という表現こそが正しい描写で追ってきます。

次に、テナルディエ(特に主人の方)。

彼は、宿屋の主人です。

ヒロインとなるコゼットを育てる、いわゆる「非道な血のつながらない父」です。

全ての要素で腹が立つ、非道かつ狡猾な男なのですが、

幼少のコゼットへの仕打ちに腹が立ち、

ジャンがコゼットを引き取る(お金は払う)ときも、しつこい交渉。

縁が切れたと思えば、マリユス(後のコゼット夫)の隣に住み、登場。

更に、ジャンがマリユスを運ぶときも、下水道出口で登場。

最後には、マリユスにジャンの情報を提供して金をせしめようと登場。

しつこすぎます。

「もう出てくるな」、他の登場人物の様に「早く別の世界へ旅立ってくれ」と心から願いたくなります。

最後に、主人公ジャンもしつこいです。

まず、脱獄を何度も試み過ぎです。
パン盗みの罪を早く償って普通に出てきて欲しい(それじゃ物語にならない)。

自主した後も、結局脱獄。

最終的には、コゼット結婚の際には、自ら表舞台には立てないと、勝手に引きこもり(衰弱)。


おまけに、セリフも

イチイチくどい。

こんなしつこさ、現代では受け入れられないんじゃないかと勝手に思ってしまう(余計なお世話)。

要約、効率化、そんなキーワードでこの本を括ろうとすると、すっごいシンプルな話なんでしょうね。

だが、このしつこい描写に意味があるとするなら

その読書は最高なんでしょうね。


しつこいからこそ、変化に感動がある


「しつこい」というネガティブワードで煽ってしまいましたが、

しつこくなければ成り立たないんですよね。

ジャベールが自殺するまでの苦悩。

これは自分の変化を受け入れられない苦悩でしょう。

ジャン・バルジャンの苦悩。

自分の積み重ねてきた過去をどう清算できるだろうか?という悩みです。

しつこい、ということは生き方です。信念です。

その信念を変える勇気が人にはあるだろうか。

正しい、正しくない、ではない。

受け入れるために、受け入れてもらうために、

人に何かを言って欲しいときがある。

そんなことを思わせてくれる本でした。

全てのページが最高に楽しかった!!という本ではありませんが、

やはり素晴らしい物語だなぁと思いました。


映画との比較

私は2012年ヒュー・ジャックマンのレ・ミゼラブルを当時見ましたが、
印象は結構違いました。

まあ、映画は曲・歌の印象がかなり強かったので、

物語を完全に理解していなかったな、と今さら気づきました。

特に印象が違ったのは2点。

1 ジャベールの自殺

ラッセル・クロウ(ジャベール)がそもそもイケメンなので、かなり印象が違うことは置いておいて、映画では結構唐突に川に身を投げた印象でした。

もちろん、苦悩を表現するシーンはあったはずなんですが、
そもそも映画ではジャベールが追ってくる感じがそれほどムカつかないんですよね。
怖くないというか。もっと繊細なジャベールの印象。

なので、苦悩も視聴者として受け入れたのかも。

本だと、本当に確固たる信念を持って追いかけてくるんですね。
なので「あのジャベール」の苦悩、という感じになって、重みが増しました。

2 テナルディエのムカつき

映画の100倍増しです。
映画でも腹立った記憶がありますが、ミュージカル調になることで
明るい雰囲気に転換することに成功していた気がします。

文章で読むと本当に腹立ちます。

マリユスにぶん殴って欲しいです。


訳者の比較

これは意図があったわけではないのですが、

永山 篤一さん(角川文庫)
西永良成さん(平凡社ライブラリー)

両方の訳を読みました。

しかも、上巻:永山訳、下巻:西永訳

という訳わからない読み方をしてしまった。

これは、Kindle Unlimitedに下巻:永山訳、がなかったから・・・

完全に確認不足ですが、上巻を読んだ後に気が付いた。。。

マズい・・まあいっか!!

と西永訳で下巻開始(幸運にも、下巻の始まりがオーバーラップしているので逃したシーンは(たぶん)ない)。

どちらかというと、永山さんの訳の方が文章として自然で読みやすい。
西永さんの訳の方が、原文に忠実に訳しているのかな?という気がした。

その結果、西永さんのセリフの方が、
外国っぽい、喜怒哀楽が激しい感じの文章になっている気がしました。

おお、〇〇!!
ああ、なんてこと!!

みたいな。

好みですが、翻訳の外国書を読みなれていない方は、永山さんの方がおススメかなー。


まとめ

以上、大変素晴らしい作品でした。

何に愛情を感じ、何を信じて生きていくのか。

死ぬときに何を思って死にたいか。

何のためなら死ねるのか。

そんなことを考えさせられる名著でした。

皆さまも素敵な本に巡り合えますように。

Have a great day!!

最後までお読みいただきありがとうございます。
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