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大事に食べよう

本日は、いぬうた市は、きゅん君と、
ぐーちゃんの自宅でのこんな一コマをお届けします。
ある日のこと、きゅん君と、ぐーちゃんは、
1階のダイニングルームでママからオヤツをもらいました。
スティック状の歯磨きガムのオヤツです。
そうゆう時のふたりの反応は全くの正反対です。
きゅん君はその場ですぐに平らげてしまいます。
そのスピードの早いことといったら、わずか数十秒で、
あっと言う間になくなってしまうのです。
一方の、ぐーちゃんというと。
ちょっとその様子をドキュメントで見てみましょう。
ママからもらったオヤツを大事そうに口にくわえた、
ぐーちゃんはまず2階の寝室に移動します。
「よっこいしょ」とベッドの上に乗って、
シーツを前足で軽く整えて、伏せをするのです。
「きゅんって本当にバカで子供ね。この至福の瞬間をしっかり味わずに、ただただ欲望のままに、がっついてしまうんだから。こうゆう時間をちゃんと大事にするのが大人の粋というものじゃないかしら」
などとつぶやきながら、スティックオヤツを、
前足で抱え込んで立てます。
「まあ、何て美味しそうなのかしら。よく、ぐーの元に来てくれたわね。ようこそ。きっとあなたは、きゅんが食べたのより数十倍美味しいはずよ」
と、スティックオヤツをじっくりと見つめ、
まずは目で堪能する、ぐーちゃんです。
そして、ちろっと、ちょっとだけ舐めてみます。
「うーん、エクセレント!これは思った通り、いや、思った以上に美味よ!美味!このご満悦時間がいまから当分続くなんて、ぐーはいぬうた一の幸せ者ね」
ぐーちゃんはその言葉通り、目がキラキラとしています。
「さあ、では、いよいよ頂くと致しましょう」
とうとう待ちに待った、実食の時がやってきました。
ゆっくりと、口をスティックオヤツの先端に持っていき、
大きく口を開いて、ガブっとひとかじりしました。
「ああ、何てまろやかでジューシーミルクの味!これが芳醇の香りと共に、ぐーの舌先をすばやく駆け抜けて、お腹まで包み込むわ!」
食レポを交えながらも、
オヤツの美味しさに興奮を隠せません。
「お外は快晴。おうちは冷房で快適。ベッドはふかふか。オヤツは絶品。ぐーは今、最高に幸福よ」
と、言ってから、ひとつあくびをした、ぐーちゃんです。
「何だか、ぐー、ちょっと眠たくなってきちゃった。幸せに包まれると、きっと眠たくなるものなのね」
と、言ったきり、オヤツを抱えたまま、
ぐーちゃんは寝落ちしてしまいました。
たぶん興奮し過ぎて疲れたのでしょう。
でもその嬉しそうな寝顔は夢の中で、
引き続きオヤツを食べているに違いありません。
なので、ぐーちゃんのオヤツタイムは、
まだまだ始まったばかりです。

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